映画古今東西
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『刑務所の中』 崔洋一/2002年・日本

ほんわかしたユーモアとともに穏やかに過ぎていく規則正しい日常。ここは本当に刑務所なのだろうか?非人間的な囚人の扱い?いやいや、大手サービス業の"教育"ほど酷くはありません。失業率が高くホームレスの多い国では、わざと犯罪を犯して衣食住が保証された刑務所に入ろうとする人が増えるというけれど、この映画を見ていると「さも有りなん」と思えてしまう。それにムショの飯が臭いというのもどうやら過去のことらしい。出るわ出るわ、次から次へと美味しそうなオカズ、お正月メニューの何たる豊かさ、囚人たちの一番の楽しみは野球でも入浴でもTVでもなく、日々の食事にあるのだ。パンにマーガリンをぬってほお張る囚人たちの恍惚とした表情、映画鑑賞会の時も夢中になるのは菓子やジュースの飲み食いである。醤油ご飯が妙に食べたくなった(笑)。全編に流れる優雅なクラシックは「刑務所=ユートピア」というシニカルな逆説をより一層強調している。

『激突!』 スティーヴン・スピルバーグ/1972年・アメリカ

ん〜やっぱりスピルバーグの最高傑作は本作なのかも。まるで何かの強迫観念が具現化したような悪夢の世界ですね。構図のセンスが抜群だし、恐怖演出の呼吸も絶妙です。限りなくシンプルな状況設定とストーリーだからこそ、演出力(とりわけ編集能力)の才能が遺憾なく発揮されたのではないでしょうか。それと音楽が思いっきりバーナード・ハーマン調だったのが楽しかったです。まんま『サイコ』のような気が・・・(笑)。

『激流』 カーティス・ハンソン/1994年・アメリカ


『夏至』 トラン・アン・ユン/2000年・ベトナム=仏

水と緑と光線と黒髪が圧倒的な存在感を放つトラン・アン・ユンの癒し系モイスチャー・ムービー(笑)。前作同様、物語性を放棄して、ひたすらイメージの力だけで押し切ってしまう作品だ。映像の吸引力が尋常ではないので、退屈なのになぜか目が離せない。濃密な空間の美しさにウットリ。

『ゲッタウェイ(72年版)』 サム・ペキンパー/1972年・アメリカ


『ゲッタウェイ(93年版)』 ロジャー・ドナルドソン/1994年・アメリカ


『ゲット・ショーティ』 バリー・ソネンフェルド/1995年・アメリカ


『ゲームの規則』 ジャン・ルノワール/1939年・フランス

狩猟場の館で繰り広げられるブルジョワ狂騒曲。"面白うてやがて悲しき祭りかな"を描いた悲喜劇です。個性豊かなキャラクターたちが館内を自由自在に動き回り、恋の遊戯に明け暮れるのですが、限定された空間だからこそ、人間のアクションによって生じる映像の躍動感が鮮やかに際立つというのが素晴らしいんですね。ベットに倒れこんだり、追いかけあったり、掴みあったり、転んだり、踊ったり、怒ったり、笑ったり。頽廃の世界を描いていながら、実に活き活きと生命力に溢れた輝ける人間の姿がそこにはあります。「ルノワールは状況ではなく人物を撮影する」というトリュフォーの言葉はまさに言い得て妙だと思いますね。また、狩猟場面における言葉のやりとり、兎を追い込む人々や兎の死ぬ描写や野に散らばる大量の屍骸には、その後の欧州大戦やナチスの暗い影(ゴダールは本作を「強制収容所を予言した映画だ」と言っていたそうです)を予感させますし、最後に起きる出来事も当時(39年)の時代背景の不吉と不安を象徴しているかのようです。優れた人間喜劇(ドタバタの要素もある!)であり、人間社会の縮図であり、人間の持つ本質的な悲劇性をも含んでいる、この多面的構造と普遍性が本作を映画史上の傑作たらしめているのだと思います。含蓄に富んだ名台詞の数々といい、何度でも観たくなるような懐の深い映画ですね。侯爵の仕掛け玩具のコレクションや、ルノワールが熊の着ぐるみ姿ではしゃぐシーン(笑)も忘れ難いです。

『現金に体を張れ』 スタンリー・キューブリック/1956年・アメリカ

キューブリックの映像センスが随所に光るB級犯罪映画の傑作。収束の仕方が良い。スターリング・ヘイドン(役名が『大砂塵』と同じジョニーなのだ!)が渋い、泣ける。脇役も良い味出しまくり。

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