『われら女性』 アルフレード・グアリーニ、ジャンニ・フランチョリーニ、ロベルト・ロッセリーニ、ルイジ・ザンパ、ルキノ・ヴィスコンティ/1953年・イタリア

いや〜艶やか!そして豪華!!まさにイタリアならではの楽しくて粋な女優讃歌。女優が自分自身を演じるメタ・ノンフィクションという形で描かれていくのが面白いです。各エピソード(一話目は除く)の冒頭に主演女優の代表作のポスターが次々と映し出されていくのも良かったですね。『4人の女優、ひとつの希望』(アルフレード・ヴァリーニ)

新人女優コンクールを描いたバックステージもの。イタリア美女がわんさか出てくるので終始ウキウキニマニマ(笑)。完璧に外見だけで判断される一次審査のシーンが惨たらしくもユーモラス。

『アリダ・ヴァリ』(ジャンニ・フランチョリーニ)

素人さんの婚約パーティにゴージャスな出で立ちで乱入し大歓迎されるも案の定ウキまくるアリダ・ヴァリ(笑)。自慢の目ヂカラで他を圧倒する様はまさに大女優の貫禄でした。

『イングリッド・バーグマン』(ロベルト・ロッセリーニ)

あのロッセリーニがこんなに可愛らしいコメディを撮るなんて!鶏に翻弄されるバーグマンが何とも滑稽で微笑ましかったです。無骨な場面転換が生み出すコミカルなリズム、回想シーンなのにいきなりバーグマンがキャメラ目線で語りかけてきたりと、随所に遊び心が感じられます。そうそう、イザベラ・ロッセリーニがちょっぴり顔を見せていましたね。ホントお母さんそっくりだなぁ。

『イザ・ミランダ』(ルイジ・ザンパ)

家庭の幸せを放棄した女優が束の間の母を演じる切ないお話。ちょっと湿っぽすぎるかも。

『アンナ・マニャーニ』(ルキノ・ヴィスコンティ)

アンナ・マニャーニの独壇場。彼女の前ではロビン・ウィリアムズでさえもひれ伏すことでしょう。すごいエネルギー、すごい捲くし立て、まったくとんでもない存在感。何か意味もなく元気にさせられるんですよね(笑)。最後にマニャーニがステージ上で歌を歌う場面のアップショットの美しさはちょっと忘れ難いですね。作品としても5編の中で最も面白かったです。