映画古今東西
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『ワイルド・アット・ハート』 デヴィッド・リンチ/1990年・アメリカ


『ワイルドシングス』 ジョン・マクノートン/1998年・アメリカ


『ワイルドバンチ 完全版』 サム・ペキンパー/1969年・アメリカ


『若草物語(94年版)』 ジリアン・アームストロング/1994年・アメリカ

原作を読んだ事がなくても題名は知っている、というくらい有名な物語ですね。とりあえず自分の場合は、原作が云々と言うより、主演がウィノナ・ライダーだからという理由でこの作品に興味を持ちました(笑)。で、観終わった感想としては「お見事!」の一言に尽きますね。南北戦争時代、貧しい家庭ながらも気丈な母の元、強固な結束力を持って成長していく四人姉妹を描いた大河調のホームドラマです。映画では、その四人姉妹の中で、最も気性が激しく、独立心旺盛な次女ジョー(ウィノナ)が中心となって展開していきます。ただし元々がかなり長編の原作とあってか、約2時間の本作ではやや足早な展開で説明足らずな感があるのも事実。でも逆に、よく2時間以内にまとまったと言うべきなのかもしれません。原作を読んだ事のない自分が十分に堪能する事ができたのは、やはりそれだけ脚本や編集が素晴らしかったからなんだと思います。それにしてもアメリカの古き良き時代を扱ったホームドラマでよく描写される家庭の姿ってホント絆の強さみたいなものがダイレクトに感じられて妙に感動しちゃうんですよねぇ。例えば本作だと、暖炉の前で四人姉妹が母親を取り囲むように寄り添いながら手紙を読むところとか・・・。とにかくよく皆で固まる(笑)。またこういう描写がホント絵になるんですよね〜。こう言う場合、日本人だとコタツに入ってミカンを食べているのが一番絵になるんだろうなぁ(笑)。さて、この『若草物語』ですが、女優陣の頑張りが素晴らしいです。ウィノナは勿論の事、母親役のスーザン・サランドン(巧い!)、長女メグ役のトリニ・アルバラート(役の中では一番好きな女性。彼女は『風と共に去りぬ』に出てくるメラニーのようなしとやかで心の優しい女性。どうも自分はこういうタイプにめっぽう弱いようです笑)。おませな四女エミーを演じるキルスティン・ダンスト。彼女は『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』でも強烈な存在感を放ってましたが、本作でも演技が上手すぎて嫌になるくらい。いや〜本当に末恐ろしい子供です。そしてトドメを刺すのが三女ベス役のクレア・デインズ。とにかく泣けます。涙せぬ者は人にあらず!(笑)実を言うとクレア・デインズはこれまであまり好きな女優ではありませんでした、が、本作のベスの演技を観て一転、大好きな女優になってしまいました。本当に会心の熱演だったと思います。

『わが青春に悔なし』 黒澤明/1946年・日本

当時としては珍しい強烈な自我を持った女性の数奇な人生を描いた作品。良家の令嬢がボロボロに落ちぶれていく様を、原節子が体当たり演技で繊細に表現していきます。売国奴と罵られながらも義母と共に田植えをする場面での畳み掛けるようなディゾルブとアップの連続は黒澤監督らしい力強いモンタージュでした。

『わが谷は緑なりき』 ジョン・フォード/1941年・アメリカ

力強さと繊細さが見事に調和したホーム・ドラマの大傑作。ワンカット、ワンカットが本当に美しい。炭鉱と坂道と家並、歌、光線、吹雪、風、黒煙、山川、鉱夫たち・・・あらゆるものがフォードの魔術によって輝きを放つ。そして母親役のサラ・オールグッド!あまりの素晴らしさにお口あんぐり。

『若者のすべて』 ルキノ・ヴィスコンティ/1960年・イタリア=仏


『惑星ソラリス』 アンドレイ・タルコフスキー/1972年・ソ連


『和製喧嘩友達』 小津安二郎/1929年・日本

良い!チャップリンのような笑いとペーソス。男二人に女が一人、当然、彼女を巡って殴り合い。仲間は言う「喧嘩は神聖なんだ、放っておけ」、小津とアメリカ映画の深い関係。列車とトラックが併走する最後のシーンでヴェンダースの『さすらい』の最後が重なった。1929年のサイレント短編。

『私の好きなモノすべて』 マルティン・シュリーク/1992年・スロヴァキア

初お目見えのスロヴァキア映画。現況を変える(恋人と旅立つ)のか、それとも変えない(親と息子の元に残る)のか。バツイチ子持ちで無職の男の葛藤を静かに淡々と描いた人間ドラマ。細かく章立てされたシークエンス、哲学者の語り、スタンダード・サイズ、ショットの繊細な美しさ、映画史への目配せ(主人公がTVで『キートン将軍』を観る場面もある)等々、ゴダールの影響を強く受けている作家のように感じられた。映像の雰囲気というか空気感が妙に心地良い。音楽も良いし、ヒロインのジーナ・ベルマンがこれまた最高。ナスターシャ・キンスキーをちょっとゴツくしたような感じ(笑)。

『私を野球につれてって』 バスビー・バークレイ/1949年・アメリカ

内容的にも楽曲的にも飛び抜けた傑作ではないのですが、ジーン・ケリーとシナトラのコンビはやっぱり良いですね。観ていてワクワクします。それとエスター・ウィリアムズ。野球チームのオーナーでありながら運動神経抜群、もちろん優雅な泳ぎも披露(笑)。がっちりした体格と長身なので独特の存在感がありますね。船着場のパーティ・シークエンスの「Strictly USA」の群舞、そしてジーン・ケリーのソロのタップ「The Hat My Father Wore upon St.Patrick's day」が一番の見所でしょう。

『罠』 ロバート・ワイズ/1949年・アメリカ

八百長ボクシング物。72分という尺の中に見事な人間ドラマが凝縮されている。ボクサー達が控え室で見せる様々な悲喜交々の表情が面白い。主人公ロバート・ライアンの演技も味わいがある。それにオードリー・トッターの地味な存在感とのマッチングが絶妙だった。クライマックスの試合はモノクロだけに迫力はあるのだけれど、泥試合風の稚拙な殴り合いに見えなくもない演出にはどちらかというと滑稽さの方が先だっているようにも感じられた。ハリウッド黄金期のB級映画の秀作。

『わらの犬』 サム・ペキンパー/1971年・アメリカ

ペキンパー料理長による暴力の満漢全席。理性のタガが外れてしまった人間たちのとめどもない暴走の様が延々と描かれる後半の展開(なぜか『バタリアン』の後半部が頭に思い浮かんだ)、そのあまりの過激さにはある種の滑稽さを感じつつもやっぱりグッタリしてしまった。本作を観ると、暴力というものを理屈ではなく感覚的に嫌悪したくなってくる。知的センスで暴力を描いたキューブリックの『時計じかけのオレンジ』のような観念的世界ではなく、暴力がより直接性をもった"負のメッセージ"として心と目にガンガン飛び込んでくるのだ。おそらく唯一例外なのがレイプシーンということになるだろう。『時計じかけ〜』のそれは暴力そのものだけれど、『わらの犬』ではスローモーションと鮮烈なクロスカッティングとねっとりした演出によってかなり繊細なシークエンスになっている。スーザン・ジョージの微細な表情の変化が素晴らしい。痛々しく、悲しく、切なく、そして厭らしい。ブチ切れるインテリ男ダスティン・ホフマンの薄気味悪さも良かった。地位も教養もお金も関係ない。最後は「人間の本質は暴力なのさ」というペキンパーの皮肉な苦笑いが聞こえてくるようだった。

『悪い奴ほどよく眠る』 黒澤明/1960年・日本

日本の官僚的体質、汚職構造を痛烈に批判した骨太な社会派作品。と言っても堅苦しさはなく娯楽性が多分に含まれてるところはさすが黒澤監督です。各人物の造形が素晴らしく、佐藤勝の音楽も絶品、そして緻密で意外性に満ちた脚本とどれをとっても文句無し!超一級です。もう冒頭の結婚式のシーンからして見事。ダイナミックな構図とキャメラワーク、人物配置の妙、会話の面白さにあっという間の釘付け状態。後半の展開はとても記せませんが、普段眠っている正義心がムクムクと起き上がってくること間違いなしです。なんか無駄に興奮させられているような気もしますが、けっこう気持ち良いんですよね(笑)。この作品に描かれているテーマは紛れも無く今に通じる、というより今だからこそ観直す必要がある作品と言えるのではないでしょうか。これは傑作です!

『ワールド・イズ・ノット・イナフ』 マイケル・アプテッド/1999年・アメリカ

良くも悪くもワン・パターンな面白さでした。ただボンド・ガールが・・・。ソフィー・マルソー(すっごいタレ目^^;)はまだ許せますが、デニス・リチャーズがどうにもイカンです。あのマネキン顔(コワっ!笑)とシリコン疑惑炸裂な巨大バスト。人工の美という感じが強すぎてちょっと好きにはなれないタイプの女優ですねぇ(ファンの方ごめんなさい)。あと敵役のロバート・カーライルが全然良くなかったのにもがっくり。異常な肉体になってしまった男の悲しみと狂気がイマイチ伝わってこず、よって物語に十分入り込めなかったです。魅力的な敵役あってのアクション映画だけにちょっと残念。結局は、いつもと同じオープニング・アクションが一番面白かった、ということになってしまうのかなぁ。

『われら女性』 アルフレード・グアリーニ、ジャンニ・フランチョリーニ、ロベルト・ロッセリーニ、ルイジ・ザンパ、ルキノ・ヴィスコンティ/1953年・イタリア

いや〜艶やか!そして豪華!!まさにイタリアならではの楽しくて粋な女優讃歌。女優が自分自身を演じるメタ・ノンフィクションという形で描かれていくのが面白いです。各エピソード(一話目は除く)の冒頭に主演女優の代表作のポスターが次々と映し出されていくのも良かったですね。

『4人の女優、ひとつの希望』(アルフレード・ヴァリーニ)

新人女優コンクールを描いたバックステージもの。イタリア美女がわんさか出てくるので終始ウキウキニマニマ(笑)。完璧に外見だけで判断される一次審査のシーンが惨たらしくもユーモラス。

『アリダ・ヴァリ』(ジャンニ・フランチョリーニ)

素人さんの婚約パーティにゴージャスな出で立ちで乱入し大歓迎されるも案の定ウキまくるアリダ・ヴァリ(笑)。自慢の目ヂカラで他を圧倒する様はまさに大女優の貫禄でした。

『イングリッド・バーグマン』(ロベルト・ロッセリーニ)

あのロッセリーニがこんなに可愛らしいコメディを撮るなんて!鶏に翻弄されるバーグマンが何とも滑稽で微笑ましかったです。無骨な場面転換が生み出すコミカルなリズム、回想シーンなのにいきなりバーグマンがキャメラ目線で語りかけてきたりと、随所に遊び心が感じられます。そうそう、イザベラ・ロッセリーニがちょっぴり顔を見せていましたね。ホントお母さんそっくりだなぁ。

『イザ・ミランダ』(ルイジ・ザンパ)

家庭の幸せを放棄した女優が束の間の母を演じる切ないお話。ちょっと湿っぽすぎるかも。

『アンナ・マニャーニ』(ルキノ・ヴィスコンティ)

アンナ・マニャーニの独壇場。彼女の前ではロビン・ウィリアムズでさえもひれ伏すことでしょう。すごいエネルギー、すごい捲くし立て、まったくとんでもない存在感。何か意味もなく元気にさせられるんですよね(笑)。最後にマニャーニがステージ上で歌を歌う場面のアップショットの美しさはちょっと忘れ難いですね。作品としても5編の中で最も面白かったです。


『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天下大乱』 ツイ・ハーク/1992年・香港

ひや〜!!凄い!凄すぎます!人間技とは思えない動きとワイヤーワークによる芸術的とも言える演出。ストーリー云々よりもやはりカンフーアクションの場面が最高に燃えますね〜!白蓮教・クン大師(ド派手な登場と妙なキャラクターに大爆笑)との超アクロバティックな対決シーン(「んなバカな!」と思いつつ、そのあまりに大胆で華麗な美技の数々に唖然呆然興奮しまくり)や布棒という秘技を使う総督との壮絶バトルもめちゃくちゃシビレます。これの後では『マトリックス』のスローモーなカンフーは見られたものではありません(やはりカンフーは重心の低い東洋人がサマになる!)。自分が一番惚れたのは、リー・リンチェイが飛んでくる火矢を回し蹴りで叩き落とすシーン。何というカッコ良さ!香港映画の醍醐味をた〜っぷり味わえる問答無用の痛快娯楽作です。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲』 サモ・ハン・キンポー/1997年・香港

カンフーと西部劇の融合なんて楽しくてイイじゃないですか〜。話のリズムにややキレを欠くも存分にカンフーアクションが堪能できる娯楽作になっています。ヨッちゃん似(たのきんトリオのね笑)のビリー・ザ・キッドはどちらかと言うと三枚目。もう少し見せ場があっても良かったかも。ジェット・リーは弾丸すら避けるのに・・・(^^; しかしウォンの余裕シャクシャクな態度、その無敵っぷりはセガールのオッサンと甲乙つけ難いですね(笑)。

『ワンダフルライフ』 是枝裕和/1999年・日本

三途の川の渡し賃ならぬ渡しフィルム?着想が面白い。ファンタジー・ドラマであり、人々の思い出を羅列していくドキュメンタリーであり、優れたメタ・シネマでもある。この複眼的な構成が何の違和感もなく調和して、緩慢な流れの中、静かに展開されていくのは奇妙な快感だった。舞台となる古い建物が良い。象徴的だしメランコリックな風情を感じさせる。小田エリカの表情も印象に残った。

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