映画古今東西
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『Mishima:A Life in Four Chapters』 ポール・シュレイダー/1985年・アメリカ

三島由紀夫の軌跡を4章に分けて描いた野心的作品。歌舞伎を思わせる演出様式と奇抜なセット美術が目を引きます。ただセクシャルでスキャンダラスな面ばかりを強調しているせいか、三島由紀夫が決起に至るまでの心理描写がちょっと甘いような気がしました。これではあの行動と壮絶な死に様も単なる愚行にしか見えません。何故彼があそこまで追い詰められて行ったのかをもう少し詳細に描いて欲しかったです(尺的にそれは無理か^^;)。

『見知らぬ乗客』 アルフレッド・ヒッチコック/1951年・アメリカ

ヒッチコックお得意の巻き込まれ型サスペンス。ロバート・ウォーカー演じる飄々と異常な男が怖い。サソリ柄のネクタイにはビビッた(笑)。殺しと対決が、遊園地というおよそ似つかわしくない場所で行われるところがユニーク。クライマックスの暴走する回転木馬のシーンは圧巻。やっぱりヒッチ先生のモンタージュはすこぶる刺激的だ。眼鏡やライターといった小道具の扱い方も面白い。

『ミスティック・リバー』 クリント・イーストウッド/2003年・アメリカ

完全に打ちのめされた。あらゆる要素が複雑に絡み合って生じた「偶然という必然」が、メビウスの輪のように途切れることなく連鎖していく人間の暴力性を容赦なく肯定する。人間確かに死ぬときは独りだけれど、生きるということは他人との関わりなしでは成り立たない。その結果として暴力が生まれるのであれば、それはもうどうしようもないことなのだ。イーストウッドの苛烈なまでの現実認識。これをキリスト教の原罪に結び付けることも容易だろう。クライマックスから最後のパレードに至る展開は圧巻だった。ハッピーエンドであると同時にアンチ・ハッピーエンドでもあるという何とも複雑怪奇な結末。この一見不条理とも思える混乱のラストシーンに込められた意味の多様性こそイーストウッドの懐の深さであり慎みだと思う。暴力と宗教とアメリカ。人生の皮肉。人間のエゴ。さりげなく画面の奥で揺れる星条旗。やっぱりイーストウッドは現代アメリカ最高の映画作家だ。

『ミステリー・トレイン』 ジム・ジャームッシュ/1989年・アメリカ

異邦人たちによるファニーでストレンジなメンフィスの一夜。同じ時間軸の中で起こる3つの異なる物語。この3つの"車両"は、エルヴィスとゆったり動く貨物列車とTVがないホテルとDJ(トム・ウェイツ!)と銃声によって連結され一つの列車になる。会話、演出、映像・・・印象に残る細部はそれこそ山ほどある作品だけれど、一番魅力的なのは何と言ってもキャスティング。笑っちゃうくらいに完の璧。工藤夕貴とスティーブ・ブシェーミが顔を合わす、これを奇跡と言わずして何と言おう!(笑)

『魅せられて』 ベルナルド・ベルトルッチ/1996年・イタリア=英=仏=米

取り立てて何が良いとは言い難い作品で巨匠ベルトルッチを期待すると肩透かしを食うかも(と言うより巨匠の息抜き映画?)。横顔美人リヴ・タイラーの体当たり演技が見物です。それと、最初の方でいきなりレイチェル・ワイズのトップレス姿を拝めるのもナイス。彼女、本作がデビュー作なんですよね。他にもジョセフ・ファインズがチョイ役で出ていたり今観ると結構豪華なキャスティングです。冒頭、見知らぬオヤジがホームビデオで舐めるようにリヴ嬢を撮影する場面が出てきますが、このイヤらしい男の視線こそが本作の主題と言えるかもしれません。要するにベルトルッチ監督によるリヴ・タイラー視姦映画ですね(笑)。エロティックなキャメラワークとトスカーナ地方の美しい田園風景が堪能できました。

『道』 フェデリコ・フェリーニ/1954年・イタリア


『ミッション・インポッシブル』 ブライアン・デ・パルマ/1996年・アメリカ


『三つ数えろ』 ハワード・ホークス/1946年・アメリカ


『ミッドナイト・エクスプレス』 アラン・パーカー/1978年・アメリカ


『ミッドナイト・クロス』 ブライアン・デ・パルマ/1981年・アメリカ


『ミッドナイト・ラン』 マーティン・ブレスト/1988年・アメリカ

80年代のアメリカ娯楽映画のパワフルな魅力!粋で痛快な大陸横断の逃走劇にして、ちょっと異色のバディ・ムービー。会話とキャラ造形と物語構成が抜群に面白いし、テンポも絶妙。この辺りは、さすが『ビバリーヒルズ・コップ』の監督と言ったところか。伏線の張り方なんて嫌味なくらいに巧い(ちょっとやり過ぎな感もあるけれど)。俳優陣のアンサンブルも最高で、デ・ニーロとチャールズ・グローディンの妙なテンションの掛け合いに始まって、FBIとマフィアの殺し屋と賞金稼ぎを交えた三つ巴ならぬ四つ巴の、賢いようなマヌケなような虚虚実実のドタバタっぷりが、疾走感たっぷりユーモアたっぷりに展開していくサマは何とも圧巻でありまた爽快でもあった。映画の呼吸がとんでもなく心地良いのだ。これはもう役者と脚本の勝利と言っても良いのかもしれない。愛すべきキャラクターと名セリフが沢山詰まった極上のエンターテインメント。たぶん『カウボーイ・ビバップ』は本作に多大な影響を受けているんだろうなぁ、と、ほとんど確信に近いものを感じちゃいましたね。

『ミツバチのささやき』 ビクトル・エリセ/1973年・スペイン


『耳をすませば』 近藤喜文/1995年・日本

何気ない日常や街の風景がこれほど繊細に描かれているアニメは稀有だと思う。高台、坂道、急な階段、薄暗い裏道、一風変わった店、遠くを走る電車、夜景・・・また夏の陽光や木々の目に沁みるような緑など作画がとにかく素晴らしい。カントリーロードと地球屋のお爺さんも素敵だ。

『宮本武蔵(54年版)』 稲垣浩/1954年・日本

まさに何の違和感もない三船武蔵の快演が見物と言える本作。ただセリフ回しが非常に聞き取り辛くて、何を言ってるのかよく判らない所があるのがちょっと難点。でもそれが演技を超えた迫力を生み出してることも確かなのですが(笑)。お通さん扮する八千草薫の清楚で健気な存在感が良いですね。本当に溜息の出る美しさです。

『宮本武蔵(61年版)』 内田吐夢/1961年・日本


『宮本武蔵 般若坂の決斗』 内田吐夢/1962年・日本


『宮本武蔵 二刀流開眼』 内田吐夢/1963年・日本


『宮本武蔵 一乗寺の決斗』 内田吐夢/1964年・日本

決闘シーンの映像がとにかく素晴らしい。三十三間堂の伝七郎戦、一乗寺・下り松での吉岡一門との集団戦。どちらもシネスコを生かした空間の広がりと奥行きを感じさせる力強い構図に目を奪われる。後者などは戦闘シークエンスが丸ごと白黒になってしまう大胆な演出で、武蔵の決死の心情と殺し合いの無常感を見事に現している。戦闘後にいきなり画面を覆い尽くす赤一色の世界も強烈だ。高倉健扮する佐々木小次郎も思ったより似合っている。悪の色香のようなものを感じさせてなかなか良い。

『宮本武蔵 巌流島の決斗』 内田吐夢/1965年・日本

一年一作、5年を費やした製作者たちの情熱が見事にこの最終章に結晶している。そのことを最も強く感じさせる場面が、最後、小次郎に相対した武蔵のアップショットだ。1作目とはもはや別人。5年に及ぶ役作りが真の「武蔵=中村錦之助」として結実した瞬間。その表情、佇まいの変容は感動的ですらある。吐夢版武蔵が他の同作品とは一線を画す、別格とまで言える魅力を放っている最大の要因はこれに尽きると思う。

『宮本武蔵・決闘巌流島』 稲垣浩/1956年・日本

クライマックスである巌流島での決闘シーンはさすがに三部作中でも白眉の出来。ただエンディングがあまりにも呆気無いせいかいまひとつカタルシスを得られないのがやや残念ではあります。

『未来世紀ブラジル』 テリー・ギリアム/1985年・アメリカ=英


『未来は今』 ジョエル・コーエン/1994年・アメリカ


『ミラーズ・クロッシング』 ジョエル・コーエン/1990年・アメリカ


『ミリオンダラー・ホテル』 ヴィム・ヴェンダース/2000年・ドイツ=米

う〜ん・・・ヴェンダース監督が作るべき映画だったのでしょうか。彼らしさが全く見えてきません。まぁ風変わりでB級ちっくなドラマという感じが如何にも最近のヴェンダースしちゃってるんですが(泣)。やはり彼の作品は物語を語ることよりも移動こそが重要であり魅力なんだと改めて思いました。メル・ギブソンもハッキリ言ってギャラの無駄だったかも(存在感がありそうでない^^:)。アマンダ・プラマーやピーター・ストーメアと言った脇役陣はなかなか面白かったんですけどねぇ。ホテル屋上の青味がかった映像、ミラ・ジョボヴィッチ、ラストの空撮ショットだけが印象に残りました。嗚呼〜ヴェンダースよ何処へ行く・・・。

『ミーン・ストリート』 マーティン・スコセッシ/1973年・アメリカ


『みんなのいえ』 三谷幸喜/2001年・日本

正直前半はそれほど見所もなくちょっと退屈なくらい。でも後半、田中邦衛と唐沢寿明とココリコ田中が新築途中の家の中で繰り広げるシチュエーション・ドラマ、これはもう抜群の面白さ。やっぱり限定された空間内でこそ三谷幸喜の魅力は最大限に発揮されるということなのでしょう。アップとミドルの長廻しを多用しているので、演技やセリフの間と呼吸を楽しめるというのも演劇畑の人ならではの演出です。それにしても田中邦衛って得難い俳優だなぁ。なんて味のある顔と言い回し。

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