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『ツィゴイネルワイゼン』
鈴木清順/1980年・日本
。
『ツイン・タウン』
ケヴィン・アレン/1997年・イギリス
。
『疲れ切った魔女』(『華やかな魔女たち』より)
ルキノ・ヴィスコンティ/1966年・イタリア
これは良かったですね〜。『華やかな魔女たち』という全5話からなるオムニバス映画の一編で、艶笑喜劇風の毒のあるユーモアが効いた女優讃歌という感じ。全体的に軽やかな演出なんですが、ここぞという場面で残酷な笑いを持ってくるあたりがヴィスコンティの怖さで、気を失ったシルヴァーナ・マンガーノが女性たちに女優の仮面を剥がされていって笑いのタネにされてしまうところや、疲れた素顔を晒した彼女が、一夜明けて、また完璧な女優へと変身していくシーンの鮮やかさとある種のグロテスクな感覚(メイキャップ師に表情まで作らされる様は人形にしか見えません)の対比など、喜劇であると同時に悲劇でもあるんですね。黒い車で登場し、ヘリコプターで去っていく構成の妙も見事でした。ヘルムート・バーガーがボーイ役で少し顔を見せています(デビュー作?)。ブルジョワのオバサンに妖しく迫られていました(笑)。
『月はどっちに出ている』
崔洋一/1993年・日本
。
『つぐみ』
市川準/1990年・日本
この作品はつぐみというちょっと風変わりな少女を如何に魅力的に描くかが勝負だと思うのですが、残念ながらその部分が最も失敗しているような気がします。その原因はつぐみに関する描写が曖昧すぎるのと演じる牧瀬里穂の完璧な大根ぶりにあると断言しても良いでしょう(^^; 必死に演技しようとするリキミが観てる側にビシビシ伝わってきてしまうのと、あまりのセリフ回しのヘタさ加減がつぐみへの感情移入を絶望的に妨げてしまっているんですよねぇ。時折見せる凛々しい表情に「ハッ」とする存在感がありますが、それもすぐに前述したマイナス要素によって掻き消されてしまいます。それでも準主役である中嶋朋子の余裕タップリ(さすがベテラン!笑)の演技と映像の美しさで最後までそれなりに楽しむことは出来ました。特に日本の夏の情緒を見事に捉えた映像(灯篭流しや祭りの描写、ローアングル&ロングショットによる花火をする人々の描写)や青を基調とした画面構成の数々は素晴らしかったです。でも物語自体の印象は「?」って感じでした(笑)。
『椿三十郎』
黒澤明/1962年・日本
。
『罪と罰』
アキ・カウリスマキ/1983年・フィンランド
アキ・カウリスマキの長編処女作。他のアキ作品のようなユーモアは一切なく、ひたすら厳格な作風になっている。さしずめ音楽の入ったブレッソンと言ったところか。簡潔で力強いショットは限り無く美しい。主人公演じるマルック・トイッカが良い。ジョン・カザールと同じ、陰のある表情が味わい深い、魅力的な禿頭俳優だ。チョイ役マッティ・ペロンパーの前髪が笑える(垂れ具合が何とも)。
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