映画古今東西
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『チャーイニーズ・ブッキーを殺した男』 ジョン・カサヴェテス/1976年・アメリカ

いわゆる犯罪劇の体裁をとってはいるが、物語としてのリズムや、かっちりした筋の組立てなどにはまるで無頓着なところが如何にもカサヴェテスらしい。キャバレー経営者のコズモという男が、マフィアから借金を抱え込んで、殺しの依頼を引き受ける、という経緯の詳細にはまったく興味がないかの如く、本道からちょっと外れたような部分ばかりを執拗に描いていく。それがなぜか、たまらなく心地良いのである。本来、核となる筈の殺しのシーンやマフィアとの絡みなどよりも、いかがわしいショーや、踊り子たちとコズモの行動を捉えた映像の方が断然魅力的なのだ。その逸脱が実は逸脱でもなんでもなく、作品テーマの所在を明らかにするための伏線であったことを最後に知る、すなわち、強大な力から自由と自立と愛を守るための闘いの記録なのだと分かった時、カサヴェテスの凄さをまざまざと実感するのである。この映画には、アンチ・ハリウッド作家ジョン・カサヴェテス自身の生き様がそのまま重なり合う。そう考えると、コズモ役のベン・ギャザラが『アメリカの夜』のトリュフォーに重なって見えるのも、あながち突飛な連想ではないのかもしれない(笑)。

『小さな恋のメロディ』 ワリス・フセイン/1971年・イギリス


『チェ・ゲバラ−人々のために−』 マルセロ・シャプセス/1999年・アルゼンチン

かつてゲバラと共に革命を戦った人々へのインタビューを中心に構成されたドキュメンタリー。伝記ではなく、彼をよく知る人たちの思い出話からゲバラの人間性に迫る内容なので、入門編として見るにはちょっと辛いかもしれません。裕福な家庭に育ち、インテリでもあった彼の素顔はとても愛嬌のある心根の優しい好人物だったらしく、同時に尋常ならざる正義と使命感を持つ理想主義者でもあったんですね。この純粋さが何と言ってもゲバラの魅力です。それにやっぱりイイ顔してます。

『誓いの休暇』 グリゴーリ・チュフライ/1959年・ソ連

一時休暇をもらった青年兵士アリョーシャが故郷への帰途で様々な人々と出会い交流する人間味溢れるロードムービー。戦争で呆気なく命を落としていく無数の兵士ひとりひとりには家族や友人や愛する人がいた、という当たり前でありながらつい忘れてしまいがちな事実を改めて痛切に実感させられる作品です。物語の軸とも言えるシューラという少女との邂逅は、結ばれるべき男女が戦争によって引き剥がされることを遠回しに表現していて切ない気持ちになります。そして何よりも印象的なのは随所に出てくる素晴らしいショットの数々。地平線の畑を貫く1本の曲りくねった道、紙片を巻いただけの煙草もどきを吸う兵士達の表情、脂身を頬張るシューラの表情、夕焼けに照らされる林と沼の輝き、走るシューラ、走るアリョーシャの母。まさにシンプルなればこそ、より一層その美しさが強調される映画的興奮に充ちたイメージです。

『地下水道』 アンジェイ・ワイダ/1956年・ポーランド

強烈!汚水と悪臭たちこめる地下水道から光を求めて彷徨する人々の様々な人間模様を描いた本作。4つのグループに分けてバランス良くそれぞれの顛末を描いていく手法が実に巧みです。極限状況の中で利己的に動く者、精神に異常をきたす者、思わぬ強さを発揮する者、恐怖、疲弊、絶望と閉塞された空間で起こるありとあらゆる人間ドラマが問答無用のリアリズムで展開していきます。そしてあまりにも衝撃的なラスト・・・。さすがにここは凹みました。詳細は書けないのでLDの解説文の一部を引用して締めたいと思います。「レジスタンスの惨めな敗北、それはドイツからの解放後のソ連による支配の暗い時代を示し、さらには映画が製作された56〜57年にかけてほのかな兆しが見え始めたソ連からの独立をも予感しているような気がするのだ・・・」。近代ポーランド史の暗くて悲しい真実のドラマ。心にズシリときました。

『地球は女で回ってる』 ウディ・アレン/1997年・アメリカ


『父/パードレ・パドローネ』 パオロ・タヴィアーニ/1977年・イタリア

子が父権への従属から自立へと至る過程を、教育という視点から描いた素朴で力強いホームドラマ。厳しくて閉鎖的な土地の風土的な情感が色濃く滲み出てくるような生々しい映像の質感が素晴らしい。寒々しいロングショットの凄み。如何にもタヴィアーニ兄弟らしいと感じさせるのは、深刻であると同時に滑稽でもある大らかな作風で、とりわけ子供たちの獣姦から大人たちの性交に繋がっていくシークエンスのコミカルな卑猥さは痛快だった(笑)。文盲である主人公が、羊飼いになる為の激しい教育で研ぎ澄まされた耳を獲得し、それによって音楽に目覚め、やがて音声学に興味を持ち、遂には言語学者になってしまう展開の妙。教育というものの不確実性と困難の本質を鋭くユーモラスに突いた作品だと思う。"父性の体現者"オメロ・アントヌッティの演技と存在感は、彼の額以上に見事な光彩を放っていた(笑)。ナンニ・モレッティが後半にちょっとだけ顔を見せる。

『血と砂(89年版)』 ザビエル・エロリエッタ/1989年・スペイン

簡単に言ってしまうと闘牛士とその妻、そして愛人による愛憎劇なんですが、何もかもが平凡な作りで映像も演出も観るべき点がほとんどありませんでした。ただシャロン・ストーンの起用はナイス!って感じです。露骨な色仕掛けで男を誘い、やがて破滅させるという典型的な悪女役の彼女。その厭らしくお下品な存在(笑)が、アナ・レント扮する一途で純粋な妻を素晴らしく引き立たせているんです。化粧の厚いシャロンとすっぴん(に見えるくらい自然)のアナ、どちらのアップ・ショットが魅力的かは映画を観れば一目瞭然。しかもアナの美しいウェディングドレス姿まで拝めてしまいます(感涙)。内容はかなりヘッポコでしたがアナ・トレント・ファンとしては嬉しい作品でした。一応補足としてシャロン・ストーンのムフフなシーンが結構ある事を記しておきます(笑)。

『チャップリンの黄金狂時代』 チャールズ・チャップリン/1925年・アメリカ


『チャップリンのゴルフ狂時代』 チャールズ・チャップリン/1921年・アメリカ


『チャップリンの殺人狂時代』 チャールズ・チャップリン/1947年・アメリカ


『チャップリンの独裁者』 チャールズ・チャップリン/1940年・アメリカ


『チャーリーズ・エンジェル』 マックG/2000年・アメリカ


『チャーリーズ・エンジェル /フル・スロットル』 スマックG/2003年・アメリカ

とてもシラフで演出しているとは思えない超絶ハイテンション・ノー天気アクション・ムービー。このバイタリティと突き抜けちゃってるおバカさはある意味偉大かも(笑)。ドギツい色彩とセクシャル・イメージの洪水が理性をとことん麻痺させる。キッチュな映画パロディが満載、往年のヒット曲も盛り沢山。プロットを単純ハチャメチャにしてキャラの魅力だけで押し切る強引ぶりもいっそ小気味良い。今回もキャメロン・ディアスの異様な明るさが際立っていた。可愛いのか怖いのかよく分からない笑顔が放つ問答無用の存在感!(笑)。デミ・ムーアの改造ボディも凄かったけれど、所詮は模造ダイヤの輝きか。ビル・マーレーの不在がちょっと残念。続編は・・・もういいかな(^^;

『チャンス』 ハル・アシュビー/1979年・アメリカ


『菊豆(チュイトウ)』 張芸謀/1990年・中国=日本


『長江』 さだまさし/1981年・日本

当時、まだ未知のベールに包まれていた中国の姿をありありとフィルムに刻み込んだ歌手・さだまさしによる究極のプライヴェートフィルム。自分の祖父や父母が暮らした中国に行って見たい、長江の最初の一滴をこの目で見たい、その一心だけで撮られたこの作品には彼の中国への熱き想い、愛情が満ち溢れています。雄大な自然と時の流れを感じさせない歴史建造物の数々、そしてそこに暮らす人々の素朴で力強い生の姿に圧倒され感動しました。重厚なテーマ曲を初めとする楽曲の素晴らしさ、中でも映画のクライマックスとも言える「生生流転」が流れるシークエンスは圧巻です(突然曲が止み「成都」の自由市場の喧騒へと繋がるところもお見事)。俳優・宮口精二さんのナレーションも独特の味わいがあって強く印象に残ります。時折挿入されるまっさん(注:さだまさし)の語りもほのぼのしてて良いですね(後半になるとボヤいてばかりですが^^;)。己の情熱の赴くまま撮影し、結果莫大な借金をしてまでも完成させたその執念にただただ頭が下がる思いです。ちなみにこの作品に使われた映像は全素材のほんの一部だそうです。時が経つにつれて評価も高まってきてるそうですし、ここは是非未公開映像を加えた完全版を作って欲しいですね。

『長江悠々』 神馬亥佐雄/1998年・日本

完成すれば世界最大規模となる三峡ダムに関するドキュメンタリー。いや〜さすがに"万里の長城"以来の国家的事業と言われるだけあって、堤防の規模の大きさとか、工事に携わる人々が暮らす都市とか、ダム建設の影響で移住させられる人の数が113万にのぼるとか、総貯水量が日本にあるダムの貯水総量のほぼ2倍とか、もぉすべてにおいて桁外れのスケール。完成後の水位上昇に伴う史跡や遺跡の扱い、特定生物(長江には鮫やイルカまでいる!)を保護する映像が興味深い。ただ惜しむらくは画質がちょっとショボすぎるという点。ハイビジョン撮影とまではいかなくてもせめてもう少し鮮明であって欲しかった。。。特典映像の「長江・三峡の旅」なんて内容は良いのに肝心の映像がVCDに毛の生えた程度だもんなぁ(泣)。

『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』  石黒昇、河森正治/1984年・日本

いろんな意味で斬新なアニメでしたね。F-14そっくりの戦闘機に足が生えたり、アイドルの歌が人類を救っちゃったり、けっこうエグい三角関係が描かれたり、異星人が「デカルチャー!」と叫んだり(笑)。今観るとリン・ミンメイはカマトトぶったけっこう嫌な女で、早瀬美沙の方が断然イイ女だったことが分かるのですが、やはり昔は圧倒的にミンメイ派でしたね(笑)。飯島真理のCDよく聴いてたっけなぁ(遠い目)。戦闘シーンの作画の美しさは20年以上経った今もまったく色褪せていません。「愛・おぼえていますか」の熱唱と共に展開されるクライマックスの大戦闘は感動的な名場面です。

『蝶の舌』 ホセ・ルイス・クエルダ/1999年・スペイン


『沈黙』 イングマール・ベルイマン/1962年・スウェーデン


『沈黙の戦艦』 アンドリュー・デイヴィス/1992年・アメリカ


『沈黙の断崖』 フェリックス・エンリケス・アルカラ/1997年・アメリカ


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