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一期一会の銀幕美女たち

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映画ファンを自認する男性ならば誰しも「あの映画に出てたあの女優が忘れられない!」というのがまあ1ダースではきかないくらいいるのではないかと思います。今回のCinemaBoxはそんな一度だけ強烈な輝きを放ち、その存在をフィルムに刻み込んでいった女優たちを紹介していきます。

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カタリナ・タールバッハ

 初めに紹介するのはフォルカー・シュレンドルフの傑作『ブリキの太鼓』で小間使い・マリアを演じたカタリナ・タールバッハです。笑顔と共にある倦怠感漂わした瞳がいかにも欧州的な危うさを感じさせる美女です。3歳の肉体の中に16歳の精神を内包していた主人公オスカルは彼女の発するバニラの香りに性の匂いを嗅ぎ初めての恋をします。
マリアはオスカルに性の喜びを与えると同時に容赦ない醜悪さを見せつけます。海辺の更衣室でのエロティックなやり取り、白い粉と唾液による快楽と絆、そして性交。しかしそれら喜びは父親との生々しい性交や行為の後洗面器で精子を洗い流す姿によって全て偽りと化し無惨にも掻き消されます。まだ幼さを残す彼女の大きくなったお腹に本作の持つ残酷でグロテスクな性質が象徴されてるような気がしました。

アニェーゼ・ナーノ

 トルナトーレの『ニュー・シネマ・パラダイス』に登場する正統派美女。トトの初恋相手エレナ役として清潔感のある瑞々しい存在感を披露しています。自伝的色合いの濃い本作にバーグマン似の女優を使うあたりに監督の願望とクラシック・フィルムへの愛が強く感じられて微笑ましい(笑)

タヘレ・ラダニアン

 イランの巨匠キアロスタミが描く素朴な恋模様『オリーブの林をぬけて』。その冒頭、劇中の映画監督が地元の女学生を集め出演者の選定を行なうシーン。そこに登場する一際輝きを放つ端正な顔立ちをした少女が本作のヒロイン・タヘレです。ストイックな生活を送るイランの女性らしく控え目で極端に口数の少ない彼女ですが映画で着る服の事でスタッフと揉める場面では非常に頑固な面を見せます。こういうところはやっぱり普通の女の子なんだなぁと妙にホッとしたものです。

宮澤美保

 中原俊の名編『櫻の園』。冒頭、いきなり部室の中で恋人(全然格好良くないところがリアル笑)と濃厚なキスをしてみせるのが演劇部の連絡係を務める2年生・城丸香織です。口調や行動から典型的な八方美人であると思われる彼女は言わば狂言回し的な存在として劇中ひたすら校内を走り部員間を忙しく行ったり来たりします。
本作は青春群像映画らしく各人物の個性付けがしっかりしているので観る人によって好みのキャラが分かれると思うのですが、男性諸氏に最も人気が高いのは恐らく城丸香織なのではないでしょうか。その根拠は2つ。一つは彼女の髪がポニーテールである事、もう一つは周りが次々と運動着なり衣裳なりに着替えていく中、彼女だけは最後まで制服姿のままでいる事。ん〜どちらも男のロマンじゃ〜ないですか(爆) あなたは城丸派?それとも・・・。

トリニ・アルヴァラード

 1994年版『若草物語』で4人姉妹の長女メグを演じた女優。地味な容姿ですが、その優しげで上品な顔立ちはまさにメグという役柄にピタリとマッチしています。どうも自分はこの典型的な淑女タイプに滅法弱いみたいです。本作ならジョーよりメグが、『風と共に去りぬ』ならスカーレットよりメラニーの方が好きなんですよね〜。男の身勝手な理想って奴でしょうか?(笑)

エスター・バリント

 "スクリーミン"ジェイ・ホーキンスの「アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー」を流しながらNYの下町を歩くハンガリー人エヴァ。彼女はしばらく世話になった従兄ウィリーのプレゼントしたドレスをアッサリ捨て、彼の友人エディーの好意にも冷たい反応しかできない女。でも一年後ウィリー達と再会した時に見せるとびきりの笑顔。ネガティブな印象など何処かへ吹っ飛んでしまった。

プレイメイト・オブ・ザ・イヤー
キャリー・フォスター嬢


 地獄の黙示録』で印象的なシークエンスはどこか?と問われれば自分は間違いなくこのプレイメイト・ショーを挙げます(笑) 戦場で心身すり減らす兵士にとってまさに"掃き溜めに鶴"な一夜の夢。プレイメイトが乗ったヘリにパンツ下ろされながらもしがみ付くその姿に涙と笑いの拍手を!(何かテーマから逸脱してないかい?^^;)。

シャーミアン・カー

 ミュージカルの金字塔『サウンド・オブ・ミュージック』はトラップ一家と教師マリアの愛の物語。そのファミリーの長女リーズル役として初々しい演技を見せてくれるのがシャーミアン・カーです。郵便配達青年との短い恋、2人が東屋で歌い踊る「もうすぐ17才」は楽しく爽やかで幸福感に満ちています。キスされたリーズルが両手を広げて歓喜の雄叫びを上げるシーンが大好きです。

イシアル・ボリャイン

 ビクトル・エリセのキャスティング眼は驚異的である。『エル・スール』に登場するエストレリャ(成人後)を演じたイシアル・ボリャインもそんなエリセの眼に適った素人の一人。彼女は名優オメロ・アントヌッティを相手に奇跡的なパフォーマンスをしてみせた。その繊細な表情の変化と仕草、極めて自然なセリフ廻しは作品の格を極限にまで高めている。エリセの卓越した演出とそれに見事答えてみせた彼女の資質には脱帽するしかありません。

チンタラー・スカパット

 日本人が聞くと思わず笑ってしまいそうな名前の彼女は、バリー・レビンソンの名作『グッドモーニング・ベトナム』のヒロインとして清楚で爽やかな存在感を披露しています。彼女とロビン・ウィリアムズとの国、人種を超えた交流がこの映画を他のベトナム戦争を扱った作品とは一線を画した人間味ある温もりを与えています。彼女の着る民族衣裳アオザイの白が眩しいです。

ロレッラ・デ・ルーカ

 フェリーニ初期の佳作『』に登場する沢口靖子似(?)の美女です。主人公の中年詐欺師の娘である彼女は久々に再会した父と映画を観に行きます。しかし昔詐欺にかけた男と遭遇した父は警察に連行されてしまう。その姿を見送る彼女の痛々しい表情の記憶は、その後再び始めた詐欺の仕事先で出会う身体の不自由な少女へと繋がり中年男を予想外の悲劇的結末へと誘うのです。

アン・ランバート

 ピーター・ウィアー初期の傑作『ピクニック・at・ハンギングロック』。岩場で謎の失踪を遂げてしまう3人の少女の中でも象徴的な存在である彼女。その神秘的な雰囲気と完璧なまでの美貌は劇中「天使」と称されるに相応しい神々しさがあります。これほどの美女でありながらその後の映画出演作は数える程しかない(1つはグリーナウェイの『英国式庭園殺人事件』)というのが惜しまれます。

アリソン・エリオット

 この森で、天使はバスを降りた』の成功は彼女の存在無くしては有り得なかったのではないでしょうか。心に深い傷を負いながらもそれを乗り越え再び未来に向って歩き出そうとするパーシーの姿には「生」のリアリティが強く美しく感じられます。味気ない原題と違いとても素敵な邦題ですが彼女は決して天使などではなく1人の懸命に生きる人間そのものなんだと私は言いたいです。今後の活躍も大いに期待したい女優ですね。

リイクニ・ノンデライコ

 最後に劇場アニメ『オネアミスの翼』からこの女性。その奇異な名前と独特の雰囲気が忘れ難い私的ベストアニメヒロインのトップ3に入るお気に入りキャラです。歓楽街で宗教ビラを配り人々を救済しようと孤軍奮闘する彼女。戦わない軍隊"宇宙軍"に所属するシロツグは彼女の理解と好意に発奮し人類初の有人宇宙飛行のパイロットに志願する。熱心な宗教活動家であり容姿も地味な彼女はアニメのヒロインとしては異色の存在と言えるかもしれません。
しかしそんなストイックな面の裏に人間臭さ、女らしさが見え隠れするところが彼女の深さであり魅力なんだと思います。ただリイクニがシロツグの愛を頑なに拒否し続ける姿は本当に観ていてもどかしいのですが・・・。それと特筆すべきは声をあててる弥生みつきさんのナチュラルな演技!とにかく素晴らしいの一言です。彼女は『逆襲のシャア』でもアムロの恋人チェーンをキュートに演じていて私のご贔屓声優の一人だったりします。

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さて、今回の特集はいかがだったでしょうか。他にもクストリッツァやヴェンダース作品に出てくるピンポイント美女達も紹介したかったのですが、時間とやる気の無さから断念せざるを得ませんでした(笑) 機会があれば続編も作りたいなぁ〜とは思っております。宜しければ是非こちらまで感想をお寄せ下さいね!(^^

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