伊勢湾台風 台風の恐怖
H19(2007)年 作成

 超大型・伊勢湾台風、伊勢湾から東海地方を襲う、、、、
昭和34年(1959)9月26日、、
台風15号(国際名ヴェラVera)紀伊半島を経て東海地方を直撃。
死者、不明者5,000人(正確な数字は不詳)
を超える未曾有の被害が発生。
室戸台風、枕崎台風と並び昭和の三大台風。
暴風雨圏は東側400Km、西側300Km、最大風速は秒速60m。

当時は父、祖母、姉、私、、の4人家族。
暴風雨圏に入り、過去に経験した事のない強風、、
天井に掛けてある、農作業道具の「鍬や備中」が大きく揺れる、、
揺れる度に、壁と柱の隙間に手首が入る程、開いたり閉じたり、、
台風の真の怖さを初めて体験した。父は家の倒壊を覚悟したかも、小生も、
前の家の陰になり、少しは風当たりの弱い門の中へ逃げ込んだ。
隣家の「モクの巨木」が我が庭へ倒れてきていたが、無事に避難できた。
兎に角、父も姉も小生も、、必死だった、、

夕方、上陸した台風は、予想よりも速度を速め、夜中の正午頃通過、、
猛烈な暴風雨が静かに成り家の中へ入った、そして、立ちすくんだ、、
家の屋根が裏(北)側半分程、強風に飛ばされ跡形もなく無くなっていた。
家は大きく傾斜し瞬間「倒れる恐怖」に襲われ、外へ逃げ出した、、

被害の詳細が、夜が明け時間の経過と共に次第に明らかに、、
強風で全半壊した家も数多く、だが其れよりも怖い物が有った、、
それは「高潮」。屋根を遥かに超える超高度の「高潮」が襲い、、
名古屋市南区・港区、この辺りは貯木場が多く、是が凶器に変わった
高潮に流された巨木が凶器と成り、人や民家を直撃し多くの死傷者を、、
海部郡甚目寺町・津島市など、この辺りは土地は零メートル地帯
海と化したこの地域は家も物も、全ての財産を流し去った、、
台風の死傷者としては前代未聞・空前絶後。現在では信じられない

伊勢湾台風以後、高潮の大きな被害は日本では起こって居ない。
政府は、此の教訓を生かし高潮対策に乗り出し、
全国の防波堤の、高さ・強度とうの整備を、、、
結果、現在まで高潮の大きな被害は殆ど起きて居ない

この年3月、小生は愛知県立津島商業高校を卒業。
卒業半年後のこの台風で、前述の如く、津島市は甚大な被害を被った
台風後一週間になって、同級生が食糧などの助けを求めて来訪、、
求められ無くてもお手伝いをするのは人として当然の責務、、
同級生との再会がこんな形で実現するとは、人生は皮肉なものだ、、

こんな大きな台風は二度と上陸して欲しくない、、、