タイトル | : 深紅のスプーキー | 記事No | : 87 [関連記事] |
投稿日 | : 2009/08/29(Sat) 22:56 |
投稿者 | : リュシート |
……別に。トマトなんとかっていう称号を、本気で欲しいと思ってたわけじゃない。 いやむしろ欲しくない。おれはリューテニストのリュシート、それだけで充分だし、それ以外で呼ばれるなんてごめんだ。
最後に手に残ったトマト。さあて、だれを狙おうか。
“あの”仕事で世話になったドワーフ、イシュト。いつかゆっくり話したいと思っててまだその機会がない。おれ、ドワーフ語だって使えるのに。 いや、エリサライルはまだひとつもトマトが当たってないじゃないか。そりゃあいくらなんでも気の毒ってもんだよ。 途中そんな風に迷いつつ、結局やめにしたやつにしようか? いや、そもそもヨシュアにトマトを当てるのが目的だったんだし(断言)、報復をくれた分を差し引いてもう1発くらい……
それを、『あいつ』にしたのが、きっとすべての原因だ。
おれのトマトは当たらなかった。ギリギリで。 顔を狙うことに固執しなけりゃ、絶対当たってたよ、あれは! ──そして、あれが当たってさえいたら────名人の兇弾を受けようとも、おれが断然トップだった、それは間違いない。
それをあいつは、オカしいくらいボーーッとしてたくせに、避けやがって。
セグウェル。
あのお祭り男。トマトが外れた一瞬あいつがあの『スプーキー』に見えて、ごしごし目をこすった。
そして、単独トップを逃したおれは、 最後、リートとおれの双方に迷いの目を走らせた名人ロバート=トムソンの──
「……な ん で お れ !」
1/2の賭けにも破れ。 決勝へのステージから、たった1人無惨に蹴落とされたわけだ。
別に行きたくなかったけどね!!
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