乾清花苑  太白廡  略伝引得

小林斗盦(1916〜2007)
   篆刻家、日本芸術院会員、日展顧問。大正5年2月23日川越市生。本名庸浩。昭和6年書法を比田井天来、篆刻を石井雙石に師事。同16年河井荃廬に篆刻を学び、同20年より西川寧に師事。同24年加藤常賢に文字学、漢籍、同28年太田夢庵に中国古印学の指導を受ける。古典に対する知識研究がなければ篆刻とはいえないと主張し、早くから古印の研究に着手。日本現存の中国古印を探訪するとともに、古銅印譜の蒐集に傾注。同32年には東洋文庫での講演「漢代官印私見」で、「漢委奴国王」金印の真偽論争に終止符を打つ。『中国篆刻叢刊』40巻の編集を担当。昭和60年西冷印社名誉理事。平成5年篆刻家で初の日本芸術院会員。同16年篆刻家として初の文化勲章受章。晩年、長年収集した中国稀覯印譜及び篆刻資料423件を東京国立博物館に寄贈。平成19年8月13日午後9時頃、心不全のため東京都千代田区の自宅で死去した。享年91。


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