乾清花苑　　太白廡　　略伝引得

石川家

∴源義家━━━石川義時・・・・・・・信茂・・・・・・ 　　　　　　　　仕松平家　　　　　　　　　　　　　　　仕家康　　　 〇信貞━━━信治━━━正信━━━信貞━━━丈山 重之━━━之昌━━━之利 　　　　　　　　丈山七世孫　　　　 　　　　・・・・・・・之喬━━━竹�� 之褧───靖齋 之圭

石川竹��(1794〜1844) 　諱之褧、字士尚、通称貞一郎、竹�高ﾍ号、近江の人、石川丈山七世の孫之喬の長子。寛政6年膳所に生る。幼にして敏警、弱冠父に従い京都に遷り、村瀬栲亭に学び、神童と称せられる。年甫16で津藩に来遊。藩侯これを奇として俸米を賜い続けて村瀬の門に学ばせた。ますますその学を研鑽。文政3年藩校有造館の建設にあたり、招かれ27歳で講官となる。ついで督学に上り庠政に参画。また小姓頭を兼ね經筵に侍読してしばしば顧問を蒙る。 　竹�高ﾌ学は考証に長じて典故を誦んず。大礼の議下るごとにすなわち古典を引証して裒然として冊をなす(＝資料の山)。「國校學規」「釋奠儀註」は竹�高ﾌ草である。文政8年津阪東洋督学を辞するに及び代わってその職を襲医で、文武の学政を総督。ついで班物頭に進み300石。 　人となり謹恪にして儀容修整、燕居獨處の際と凝然として危坐すること泥塑人の如し。その衙にあがり学に入るや、進止みな常処あり。尺寸を失はず。未だかつて人を謾罵せず。人またこれを憚る。下属吏皀隷に至るまで皆役をとりてただただ謹む。学政を掌ること20年諸寮秩然として整頓せり。これを久しくして用人格にのぼりまた侍読を兼ねる。既にして藩主に扈従して江戸に之かんとしにわかに病を得て歿す。時に天保14年9月26日。年51。城西龍津寺に葬る。竹�刻ｭにして詞芸書法をもって聞こゆ。意これを屑しとせず。ついに経義を研尋し、もっとも心を論語に潜め説約70巻を著わす。また「資治通鑑」を翻刻せしが中道にして歿す。臨終に嗣之圭に遺嘱す(三重先賢傳)。	「咏牽牛花」