乾清花苑  太白廡  團扇類

川島梅丘(梅關)  安濃津四景

偕楽園花雲 昭和己巳盛夏 梅丘澄 印:某・丘


安濃浦松風 昭和己巳盛夏 梅丘澄 印:某丘

阿漕塚明月 昭和己巳盛夏 梅丘澄 印:某丘

観音寺暮鐘 昭和己巳盛夏 梅丘澄 印:某・丘
 伊勢のなすび団扇に描かれた安濃津(三重県津市)の四季。形が優美で「なす」は、「成す」に通じる縁起物、将軍への献上品となったり、戦前は参宮土産としても手ごろであったらしい。

 偕楽園といえば水戸が有名であるが、津でも十一代藩主藤堂高猷が開いた偕楽園は、安政六年(1859)に完成した。維新後は市の手に渡り一般公開された桜の名所である。
 
安濃浦は「有名なる安濃松原の地にして、西に安濃の遠山を臨み、砂白く水清く遠浅にして水浴に適す(『三重県案内記』)」と戦前戦後の行楽地であった。
 阿漕浦は浄瑠璃(義大夫)の
「勢州阿漕浦・鈴鹿合戦、平治住家の段」の舞台で「アコギな奴」の語源となった地名でもある。伝芭蕉の句「月の夜の何をあこぎに鳴く千鳥」の碑がある。
 観音寺はこの阿漕浦から出現した像を祭ったのが始まりという。
 伊勢の団扇に伊勢風景で故郷を懐かしんでいる(2009.4)。

上へ