行進曲「威風堂々」第1番
"Pomp and Circumstance Marches No.1"
 Op.39 No.1

イギリスの作曲家エドワード・エルガーによる管弦楽のための行進曲集威風堂々は全部で6曲あり、

1番から第4番は1901年から1907年までに作曲され、第5番は晩年の1930年に作曲され、第6番は未完でしたが、2006年に補筆演奏されたとのこと。

1901年に初演された『威風堂々』第1番の中間部の旋律は、時の国王エドワード7世によって絶賛され、

「君は、いずれ世界中に知れ渡る”ふし”を作曲したね」という御言葉を賜ったという有名な逸話が残っているとか、

国王が絶賛したのはTrio(中間部)の美しいメロディのことで、さらに国王はこれに歌詞をつけるよう勧めました。
そこには後に歌詞が付けられ、Land of Hope and Glory(希望と栄光の国)と題され、のちに独立した歌曲に編曲され、Land of Hope and Gloryと歌うイギリス第2の国歌として愛唱されています。

 

この曲の原題 『Pomp and Circumstance』は、シェイクスピアの『オセロ』第3幕
オセロのセリフ『Pomp and Circumstance of gloriouswar(輝かしい戦いの盛儀盛宴)』からとられているそうです。

【歌 詞】

Land of Hope and Glory, Mother of the Free,
How shall we extol thee, Who are born of thee?
Wider still and wider Shall thy bounds be set;
God, who made thee mighty, Make thee mightier yet.

希望と栄光の国 自由の母よ
如何に汝を賞揚せん
誰ぞ汝により生まれ出でん
汝の領土は更に拡大を続け
汝を強大ならしめた神は
今も汝を強大ならしめん

 

 

PROMS」をご存知でしょうか?

The Proms1895年に始まった毎年夏のロンドンで開催される国を挙げての音楽祭

由緒ある9000人収容のThe Royal Albert Hallをメイン会場に8週間に及び100以上のイベントが開催される世界最大のクラシック音楽祭「プロムナード・コンサート」の略。

 

ロンドンの夏の風物詩「PROMS最終夜コンサートThe Last Night of the Promsは特筆すべきもので

BBC交響楽団・BBCシンフォニー・コーラスによる 「イギリスの海の歌による幻想曲」・ジェルサレム」・「威風堂々」・「ルール・ブリタニア」と威勢の良い英国の国威を発揚する音楽が続き、合わせて入場者が用意してきた思い思いの大小の旗・英国国旗Union Jackが波のように振られて、参加者の興奮をさらに誘い、

最後は、英国国歌God Save The Queen(女王陛下万歳)の大合唱、そして蛍の光Auld Lang Syneの大合唱でフィナーレとなり、イギリス人の愛国心とハートを揺さぶる国民的な行事の音楽祭です。

 

特に威風堂々」の曲が始まるところがクライマックス(You Tubeをご覧ください)、この曲が鳴り出すと、体を上下に揺すり、英国人の心が一つにまとまり高らかに誇らしく歌が始まります。 そして、曲が終わるとともに、会場中が拍手歓声で沸き返り、オケは歓声に応えTrioの部分から再度演奏を開始、観衆は以前にも増して高らかに歌いあげるのです、

このような第二の国歌と言われる曲で盛り上がれ、国民が一つになれる曲がある英国人が羨ましくなる瞬間です。 

このように、「威風堂々は英国人にとってはとても誇らしい大切な曲です♪

 

私もNHKハイビジョンで放送されたのを何度か見て、この音楽祭に是非行ってみたいと前から思い、

昨年3月にLondonを訪ね、The Royal Albert Hall Classic Spectacularと銘うたれた「PROMS」の前夜祭のようなConcertを見に行った時の写真でその雰囲気を感じてください。

 

「威風堂々」演奏時

 

 

Royal Albert Hall

 

【必見】Last Night of the Proms 2007 http://www.youtube.com/watch?v=oONWgcvPutE

     Last Night of the Proms 2006  http://www.youtube.com/watch?v=ECUpc71b3js

 

 

付 録

エルガーは8歳年上の上流階級の娘キャロラインと運命の出会いを果たし、周囲から強い反対にも拘らず、32歳の時にめでたく結婚を果たしていますが、彼が結婚前に彼女に捧げた曲が「愛のあいさつ(Salut d'amour)」です。