クラッシャージョウ 劇場版
(DVD)
Takeshi

ボクが文庫本を集めている数少ないシリーズものの一つである(もう一つは"D")。2時間を超えるアニメは大作だなぁと感じる。原作は高千穂遥で挿絵は安彦由和だったが、本作の作画監督も安彦由和が努める。ということは、かなりキャラがガンダムと被っている。海賊の親分ビッグ・マーフィーはデギン、キリーはギレン、ノーマンはキシリア、ヨキはドズル、ガルマ似がいないが、強いて言えばジョウがそっくりだ。マーフィーがゴモラへ行くときの赤いシャトルはグレート・デギンに感じが似ているし、ゴモラにマーフィーが到着すると起きる「マーフィー、マーフィー」の大合唱は「ジーク・ジオン」の合唱に手の挙げ方までそっくりだ。ラストでジョウが「マチュアーッ」と叫ぶところは、「マチルダさーんっ」の名場面にそっくりだ。まぁ、マチュアはどちらかといえばミライっぽいが。さて、作品中には遊び要素がたっぷりで、インディジョーンズシリーズさながらだ。ハロやハロの腕時計、逃げるときにララアっぽいビキニのおねえちゃんを連れているシャア等々。また、12人のアニメーターが「スペシャルデザイン」ということでキャラクターを提供している。吾妻ひでお、いしいひさいち、大友克洋、高橋留美子、竹宮恵子、とりみき、鳥山明、細野不二彦等々のキャラがチョイ役で出てくる。また、途中のドライブシアターで上映されているのがダーティーペアだ。文庫本も持っているが、クラッシャージョウ外伝として、「ドルロイの嵐」という作品があり、ジョウの親父のダンやタロス、バードの時代の物語で、そこにはダーティーペアも登場する。なんだかどこかでつながっているのは、ハーロックやエメラルダスと同じだ。そんなことで、親子の時代背景も一応抑えてあるのかな。さてストーリーだが、突然の怪しい仕事が入るが案の定トラブルに巻き込まれ、最後はタロスの腕の機関銃を突破口に、ミネルバの空中戦、そして連合宇宙軍のブラスターで助けられつつ大逆転勝利へというものだ。実はこの劇場版のほかに2本のOVAがあり、3枚組DVDBOXだったのだが、ほか2本もだいたいそんなところだ。ただ、何度観ても面白いのは、クラッシャー独特のグッズやミネルバやほかの戦艦の空中戦、登場するキャラ、事件解決への活躍、どれも何度観てもワクワクする。もともと惑星改造が仕事のクラッシャーが、いつしか何でも屋になり、あらゆる技術を駆使して難事件を解決していくのは、ストーリー、登場キャラクター、全て楽しめる。これは原作でも同じで、どうやって解決するのか、いつのまにかハマってしまう。この中で、原作の挿絵と劇場版で違うのがミネルバのデザインだ。原作はもっとNASAのシャトルっぽい、コンコルドとジャンボジェットを合わせた様なものだ。ボクは原作の方があっさりしていて好きだ。この映画、1983年3月公開ということだが、ヤマト完結編、幻魔対戦と同時期公開だったそうだ。ボクはちょうど進学して市川へ行った年で、高校の仲間と下北沢の小さな劇場で観た覚えがある。ホントに今観ても見劣りしない、何度観ても楽しめるシリーズだ。