バネを換えてみよう!

 以前から欲しかった、レート0.85kgf/mmのFバネが手に入ったので、交換日記を書いてみる事にしました。2001/06/10

 バネを換える行為は余り一般的ではありませんが、自分の体重や乗り方、それに車体の軽量化の度合いに合わせて、サスをチューニングして行こうとし た時、バネレートは最も重要な要素だと思います。(例えば極端な話、逆輸入のリッターバイクに小柄な女性が乗った場合など、いくらイニシャルやダンパーを 調整した所で殆ど意味が無い訳です。)

 只、バネを換えるとは言っても、フロントは割合簡単にレート違いの物が手に入るのですが、リヤに付いては純正品の殆どが非分解なので、オーリンス やWP等のリプレイスサスに換えないと難しいでしょうね。(2009/03/31補足: これを書いた当時と違い、最近のリッターSSのRサスは、簡単にバネとダンパーとにバラせます…(^^;;;)

 

**[付ける前に考えよう]**


 WPのHPや、リプレイススプリングを取付けた方のHPを色々と覗いてみましたが、どれも単に『良くなります。』『良くなりました。』と書いて あるだけで、『どうして良くなるのか? 何故良くなったのか?』と言う考察が一切無いんですよね…(^^;;;(これじゃ、只のブランド信仰です。)

 せめて、ノーマルのバネとどう違うのかくらいは調べて、今よりも固くしたいのか、柔らかくしたいのかを明確にした上で購入される事をお勧めしま す。

 

**[何故バネを換えるのか?]**


1.GSX−Rの場合

 アドバンテージSHOWA(<0.80kgf/mm)が底突きするから…(^^;;;

 買った当初は、油面が160mm程度あった事、震災の年で道がアチコチ波打っていた事、車重が今よりもずっと重かった事(推定225kg)、私の 体重が85kgあった事等の条件が重なり、とにかくちょっとした段差でも底突きしまくりました…(;_;)

 バネを換えれば良い事は分っていましたが、当時は全財産をFフォークに注ぎ込んでしまって無一文に近かった為、止む無く、油面、イニシャル、圧側 ダンパーで誤魔化して乗っていたんですが、その内にだんだんと車体と人間の軽量化が進んで不都合を感じなくなり、結局うやむやに…(^^;;;

 因みに、リヤのクァンタムには、購入当初7.0kgf/mmのバネが付いていたのですが、これが柔らか過ぎて使い物にならず、結局7.0→7. 5→8.0とレートを上げる羽目になりました。 現在は、サーキット走行でのバンク角不足を補う為に9.0が入っていますが、一般路では、8.0がベスト です。(<アクマで私の場合ですが。)


2.R 7の場合

 ノーマルのバネが公道では固過ぎる(<0.95kgf/mm)から。<当り前だっつ〜の!

 で、当初から前後共レートを1割落として、フロントは、0.95→0.85kgf/mmへ、リヤは、95→85Nに、のバネにするつもりだったん ですが、これがメーカーの怠慢と言うべきか、フロントは、0.80のバネしか手に入らず、仕方無くそれにしました。

 しかし、これが確かに動きは良いものの、油面をマニュアル指定の170mmから150mmへと上げ、イニシャルを目一杯掛けているにも関わらず、 軽く流しただけでフルボトムの1cm手前まで沈んでしまう有様で、やはり柔らか過ぎるとの結論に達し、今回、又も交換する事に…

 もし、これでも気に入らない時には、一度R1の手法を真似て、バネは0.8のまま、スプリングカラーを長くして(<イニシャル量が増える!)バラ ンスさせる方法を試してみるつもりです。


3.その他Fバネを換えた方が良い場合

・イニシャル量を最低にしても、1G乗車状態でのFサスの沈み込み量が、全ストロークの1/3未満しか無い時。→レートを下げる。
・イニシャル量を最大にしても、フルブレーキ時に底突きする時。→レートを上げる。

 

**[何処のバネにしたのか?]**


 フロントの交換用スプリングと言ったら、WPのプロラインが有名ですが、今回私は、レーステック(輸入販売元:フラットアウト)と言うアメリカ 製のバネを購入しました。

 何故、WPにしなかったのかと言うと、第一にバネレートの選択ができない事!(これは致命的です。) そして第二に、レーステックのバネがシング ルレートなのに対し、WPのバネは複合(プログレッシブ)レートだからです。(縮み始めは柔らかく、途中から固くなるって奴ね。)

 これは、パッと聞いた瞬間は凄く良い特性の様に思えるので、私も昔、GSX−Rの純正倒立フォークに付けてたんですが、レート自体がかなり固い上 に、実際にセッティングしてみるとダンパーの調整が難しいんですよね。 走行中にバネレートが動的に変化するのに対し、減衰量は変化しないので、結局どっ ちつかずのセッティングになってしまい、どうも好きになれませんでした。(実際には、シングルレートであってもエアバネ効果でレートが変化するので、それ と連動して減衰力の強くなるダンパーでもあれば理想的なんですが…)

 レーステック社に付いては、名前しか知らなかったのですが、たまたま掲示板で某TOMさんからHP(http://racetech.flatout.co.jp/) を教えて貰い覗いてみた所、結構バネレートの選択に付いて真面目に書かれてあったのと、シングルレートである事が明記してあったので決めました。(只、ど ちらのフォークも専用のバネが無かった為、少し長さの違う物を購入しなければなりませんでしたが…)

 

**[実際の交換作業]**

 倒立Fフォークの分解ができる方なら、何の問題も無く交換できるでしょう。


[オーリンス編]2001/06/24

 今回、純正バネが自由長240mmに対し、レーステック製が315mmとかなり長かったのですが、カラー作成用のアルミパイプが同梱されていた 為、割と簡単に取り付ける事ができました。

[オーリンスFフォーク用カラー] 左が純正(長さ128mm)、右が作成した物(長さ52.7mm)。 これによって純正とレーステックのバネの 長さの違いを補正する訳です。(只、レーステックのバネがとても長い為、組立の際に上手くセンターを出してやらないと、フォークを縮めた時にギリギリ ンッ!とバネが座屈してチューブ壁面と擦れる音がしてしまいます。 何回かやり直す内に上手く音の出ない位置に落ち着きましたが、できれば何かもっと上手 い手を考えたい物です。)

 現在のイニシャル量は、15.2mm。 1G乗車時の沈み込み量は、35mmなので、バネが支えている過重は、(15.2+35.0)×0.85 =42.7kg。 左右合わせて、約85kg。 対する前軸過重は、(大体の推測ですが)車体105+人間35−前輪バネ下18=122kg。

 キャスター角が22゜42’なので、フォークに掛かる過重は、122×COS22.7=約111kg。

 となると、差(111−85)の26kgは、エアバネが支えている訳ですね。 インナーチューブがφ42なので、その時の空気圧は、26÷2÷ (2.1×2.1×π)=約0.94kg/平方センチと、ま、そんなもんでしょうか?(余程暇な方がおられたら、是非フォークの内容積を計った上で、気体 の状態方程式だったかを使って計算してみてください…(^^;;;)

 当初の予測では、バネレート0.85kgの油面150mmだとフルブレーキ時でもカナリ余裕があると思っていたのですが、これが実際にテストして みると底突きこそしないものの、フルストロークギリギリでした。 油面をもう少し上げてやろうかとも思ったのですが、残念ながら手持ちのフォークオイルが 無いのと、あそこまでのフルブレーキを使う事はサーキットでもマズ無いので、取り敢えずこのままでセッティングを出そうと思っています。


[アドバンテージ編]2001/06/30

 やっとインナーチューブのTCC処理が終ったので、4週間振りで組み立てる事ができました。 コチラは、純正自由長277mmに対し、レーステッ ク製が270mmと7mm短いだけなので、イニシャルアジャスターで補正できると思っていたのですが、バネの組立長が短くて、組み込んだだけで(イニシャ ルアジャスターが最弱の状態でも)20mmものイニシャルが掛かってしまう事が分りました。(オーリンスの方は組み立てた状態では−2mmの余裕があ る。)

 面倒なので取り敢えず組んでしまいましたが、試乗してみてイニシャル量が大き過ぎる様なら、短いカラーを造らねばなりません…(;_;) い や〜、面倒臭いもんですな〜…(油面は、オーリンスと同じ150mmにセットしてるのに、何故か1G乗車状態で38mmもストロークしてる? 誤差の範囲 かもしれんが、エア容積が多いのかな? それとも、それだけR7よりも前が重いって事かも? いや、と言うよりも、TCC処理されたチューブの摩擦抵抗が 少ない為に、オーリンスよりも入り込んでしまうのだ!(^^;;;ホンマカイナ?)

 で、4週間も間が空いてしまった為に部品の組立順を忘れてしまい、一本目は2回もやり直す羽目になりました…(;_;) 更には、やっと組立&車 体への組み込みが終って、ストロークさせてみたら又もバネのセンターがズレていたようで、右だけベコンベコン!と音がします…(;_;)

 んなもん、このクソ暑いのに、今更やり直す様な根性はワシには無いぞ〜…(;_;)<どないすんねんっ!!(こりゃ調整は、早くても来週だ な〜…)


[アドバンテージ編2]2001/07/01

 暑さを避ける為に、朝の7時から50kmばかり試乗してきました。(いや〜っ、ほぼ一ヶ月振りのゴリゴリトルクは滅茶苦茶気持ちイイっす!)

 走り出した瞬間に、フロントの感じが全然違う事に気付きました。 オイルを換えたのだから動きが良くなるのは当然なのですが、まるでオフ車に乗っ ている様な感覚で、路面の小さな凸凹を物凄く滑らかにトレースしてくれます。 ワザとマンホール等の段差に突っ込んでみてもそれは変わらず、まるで突き上 げ感の無いままフワリと通過してしまって拍子抜けする程。

 正直、TCC処理でこれほどフォークの動きが変わるとは思っていませんでした。 まるで別物です。 (こりゃ、オーリンスのチューブにもやってみ たくなったな…(^^;;;<何処に金がある!)

 Fバネが固くなった分、今までよりも圧側を2クリック弱め、伸側を1クリック強めにしていたのですが、その状態から圧側4クリック強め、伸側1ク リック強めにして丁度良いくらいでした。 この調子だと、6年間に渡るセッティングデータを大幅に見直す必要がありそうです。<嬉しいよ〜な悲しいよ〜 な…(^^;;;

 反面、バネの方は、どうも突っ張り感が強くてイメージ通りに曲がれませんでしたが、これは約1ヶ月の間、操縦性のまるで違うR7にばかり乗ってい た影響もあるでしょうね。 フルブレーキでの底突きチェックでは、1cm弱の余裕がありましたが、オーリンスとのイニシャル量の違いがこれに表れたので しょう。(となると、油面をもう1cm下げても良さそう!)

 で、途中で休憩して写真を撮ろうとしたら〜、Fフォークからオイルが漏れてやがんの…(;_;)ゲゲゲ 

 即効で帰宅して、暑い中を又も分解する羽目に…(;_;) シール廻りの部品の組み方をマニュアルで調べてみたら、これがドジってやがる!(<だ から〜…4週間も空くと組み方を忘れるんだってば〜…(;_;)) オイルシールは高いので、そのまま流用!<こらこら! たった50km走っただけで汚 れてしまったオイルに驚きながら、ついでに油面を160mmに下げて再組立。(<1G乗車状態での沈み込み量38→40mmへ増加。) 昨日は丸一日掛 かった作業だけど、慣れた今日は3時間で完了しました!(^^;;;

 あ〜、もうバテバテで頭ガンガン… 当分、Fフォークなんぞ見たくねえっ!!(来週シートをめくってみて、又オイルが漏れてたら立ち直れないだろ うな〜…(;_;))


[アドバンテージ編3]2001/07/08

 今日は、セッティングがてら少し長距離(約200km)を走ってみました。 結果、やはりイニシャル量が多い様で、下りや平地のワインディングで の曲がり方に比べて、上りだと少し曲がり込みが弱くなります。 

 イニシャルアジャスターは、すでに最弱状態なので、又、短いカラーを作って調整するしか無さそうですね…(;_;)(1千km程走ってからフォー クオイルの再交換をする予定なので、その時に、バネのセンター調整と合わせてやるつもり。) ま、取り敢えずは、Fフォークの突き出し量を増やしておきま す。

 でも、下り突っ込みのブレーキングで、凄く前が踏ん張る様になりました!\(^_^)/ 以前は、柔らかいバネを補正する為に、無理に油面を上げ てエアバネ効果でゴマかしていた訳ですが、それだとサスが沈み込むにつれてブレーキ量と沈み込み量が一致しなくなってくる妙な違和感があり、又、深く沈み 込んだ状態では(実質上のバネレートが上がって)減衰量が足りない状態になって、不安定な動きをしがちでした。

 ところが今日は、Fブレーキを強めれば強めるだけリニアにFサスが縮んで行くし、それに目一杯サスが入り込んだ状態でも減衰力不足を感じる事が無 く、実に安定していました。(これだけで、バネを交換した価値があると言う物!)

 TCC処理による動きの良さは相変わらずですが、ヌメヌメとしたエッジの無い振動の伝わり方にもカナリ慣れてきたので、圧側を1クリック弱めて様 子見と言った所。 

 反面、相対的に動きの悪くなったRサスの突き上げ感が気になりましたが、現時点では、クァンタム以上に動きの良いRサスを見つけるのは困難なの で、クァンタムのシャフトにTCC処理をしようかな?(^^;;;<金が無いので無理!

 あ、そうそう、Fフォークからのオイル漏れは今の所ありませんです…(^^;;;


[アドバンテージ編4]2001/07/14

 クソ暑い中をセッティングがてら、320km程走ってきたんですが、ドツボですな〜…(^^;;;

 先週は、どうも前が突っ張ってる感じがしていたので、その検証がてら、「じゃ、もっとイニシャルを上げたら、もっと酷くなる筈だよな?」と思って 試しにイニシャルを10mm程掛けてみた所、逆に操縦性がとても素直になってしまいました。(先週のあの感覚は、一体何だったんだ??? TCCの動きの 良さに錯覚を起こしたのか?)

 自分の感覚に自信が無くなった時には、論理的に計算するのが良いかと思い、初期過重を計算してみると、

 古バネ: レート0.80×(バネ自由長277−〃組立長252)=20.0kg
 新バネ:  〃 0.85×(バネ自由長270−〃組立長252)=15.3kg

 これじゃ、自分の錯覚を認めるしか無いですね… イニシャルゼロ状態だと、ノーマルよりも沈んでる訳だし、油面も120→160mmと大幅に下げ ているのだから、これで突っ張る筈が無い…

 やはりバネ交換と同時にTCC処理をやってしまったのは、マズかったかもしれません…(とはいえ、別々にやるのは面倒なんだよな〜… (^^;;;)

 ま、取り敢えずこのまま1千km走ってTCCの動きに慣れてから、オイル交換とバネのセンター出しをやり、その後ですかね〜…?>セッティング


[アドバンテージ編5]2001/07/29

  やっとバネ交換後1000kmを走破したので、フォークオイル の交換をしてやりました。 右が使用済み、左が新品のオイルです。 今回は、バネが新品だったので早目に換えた訳ですが、僅か1000kmでもこれだけ汚 れます。 こんなのを見ると、オイル交換無しで何万kmも平気で走っちゃう人を尊敬しますね…

 とはいえ、今回は、バネとダンパーロッドが擦れ合っていた為に特に汚れ方が酷かった様で、普通はココまでは汚れません…(^^;;;

 屈伸時に出ていた異音は、どうやらバネがインナーチューブ壁面と 擦れていた音では無くて、ダンパーロッドと擦れていた音の様です。 と言うのは、バネの内側とロッド途中の膨らんだ部分が、やけに光ってるんですね… (^^;;;ナサケナ~

 このバネは、純正品と比べて外径が0.5mm小さいのですが、すると当然ながら内径も0.5mm小さくなる訳で、それとセンターずれが重なって当 たってしまったのでしょう。 見ての通りバネの座りが非常に悪くて、1mm程度は簡単にズレてしまいます。(正規のバネだと、インナーチューブ内径との差 が小さい為に、ロッドと当たる位置までズレる事ができない。)

 ひょっとしたら、これが突っ張り感の原因か???

 そのズレを防ぐ為に作ってみた、特製のスペーサーです。 市販の 鉄ワッシャー(一個20円)を、バネとダンパーロッドの外径に合わせて削り、センターがズレない様にしています。(右がバネ側座面、左がロッド側座面)  これをバネとダンパーロッドの間に挟んで組み立てると、

 こうなってズレなくなる訳です。

 それとセッティングに付いては、一度アタマをリセットして、「組み立てた状態で、ノーマルと同じ初期荷重になる事!」を基準に、もう一度ゼロから やり直す事にしました。(前回の計算から考えると、組立長を252.0→246.5mmへと5.5mm小さくしてやれば、初期荷重がノーマルと同じ20. 0kgになる。 削ったワッシャーの厚みが1.5mmあるので、後はイニシャルを+4mm掛けてやれば良い筈。)

 しかし、昨日下道ばかり400kmを走ってクタクタになり、今日は朝から丸一日作業でヘトヘト…(;_;) 夕食後に体重を計ってみたら、78. 2kgあったのが一気に76.6kgに減ってました。\(^_^)/ ま、明日一日ゆっくりしてればスグ元に戻っちゃうんですがね…(^^;;;(因みに 来週一週間は電力休暇で休み!)


[オーリンス編2]2001/09/04

 どうもブレーキ時に前が入り込み過ぎる(フルブレーキ時にギャップにでも乗っかるとマズい!)ので、スペーサーを52.7mmから72.0mmへ と約2cm伸ばしてみました。(但し、15.2mmあったイニシャルをゼロにしたので、実質4.1mmのイニシャル増! 計算上では、これで初期過重が、 ほぼノーマル0.95kg/mmのバネと同じ値になる。)

 この状態を公道上でのミニマムとして、後+25mmのイニシャル量を使えば、サーキットでも問題無く走れる筈なんですが、上手く行くのかな? (^^;;;


[ホワイトパワー編1]2002/07/27

 先日、(ヤフオクにて)WPを格安にて購入できたので、取り付けの過程を 記録しておく事にしました。

 左の写真が、WP改[ブラックパワー・スペシャル]です。<ばきっ!! クァンタムのバネ(9.0kg/mm)を移植して、純粋にダンパーだけの 違いが操縦性にどう影響するのかを調べたかったのですが、残念ながらバネ自由長の差(クァンタム:128mm、WP:165mm)が大き過ぎて、イニシャ ルを2mm程度しか掛ける事ができませんでした…(;_;)(2〜3cm程度のスペーサーを造れば流用できるので、いずれ機会を見てやりたいです。)

 WPのバネには、75−165との記載があり、一応WMに確認してみた所、やはり『レート7.5の全長165mmのバネ』との事でした。 ノーマ ル(8.4)よりもかなり柔らかいのが驚きでしたが、それに見合ってか、イニシャル量が受け取り状態で31mmも掛かっており、この辺り、[固めのバネで イニシャルが少ないオーリンス]VS[柔らかいバネでイニシャルの多いWP]のどっちが本当の意味で良いんでしょう?<個人でやるテーマとしては、かなり 重いですね…(取り敢えず、イニシャルを20mmに減らして様子を見る事にしました。 それと、WPもクァンタムと同じ様に、イニシャルアジャスターを緩 めただけでバネを外す事ができます。)

 クァンタムだとホースやタンクが無い為、ジャッキでリヤを浮かせば、スイングアームの下から着脱する事ができるのですが、WPは無意味に長いホー スとホース取り付け角度が最悪のタンクが付いている為、バッテリー廻りを全て外し、上から取り付けなきゃイケません。 この辺りも、何年か経ってOHに出 す時に、ホースの長さと角度を指定したいですね。(できたらピギーパック化したいな〜…)

 更には、本来ならタンクを固定するべき所であったナンバープレート取り付けステーを、軽量化の為に撤去してしまったので、今回は余計にホースが 余ってしまい、結局、今日はホースの取り回しを試行錯誤しただけで終ってしまいました…(;_;)

    


[ホワイトパワー編2]2002/07/28

 試行錯誤の末に、やっとこさ決まったホースの取り回し…(^^;;;

 適当なホースプロテクターが無かったので、古くなった灯油ポンプのホースを使いましたが、見事にうねってますな〜…(-"-)(どんだけ無意味に 長いのかが良く分る。) ホースに無理を掛けない様且つ、タンクが取り付け可能な位置を探した結果なんですが、いやはやなんともみっともない…

 ま、タンクがカウルに隠れているのでイタズラされ難い! ってのがせめてもの救いでしょうか…? やっぱ、クァンタムみたいにタンク内蔵型の方が 遥かにイイです。

 で、早速試乗! と行きたい所なんですけど、Fブレーキのストレート・フィッティングが漏れてて、新しい奴がマダ来てないんですな…(;_;) (ヤフオクで落札したステンの奴が、もうすぐ届く筈。)


[ホワイトパワー編3]2002/08/04

 WPも付き、その他のメンテも完了したので、AX−1の部品を買いがてら朝一で試乗に出掛けてきました。

 そしたら、町中走行では問題無かったものの、バイパスでの100km程度のコーナーで少しフラ付きが発生し、慌てて家に戻って足廻りを調べてみた ら、スイングアーム下のマッドガードを前後逆に取り付けており、ショックと干渉していました。(んなもん付ける時に分るだろうに…???(-"-)ナニ ヤッテヤガル!)

 付け直し後、フラ付きは治まったものの、やはりバネが柔らか過ぎる感じで、立ち上がりでフル加速するとリヤが沈み込み過ぎて前が浮き気味となり、 ちと不安定。

 できれば、イニシャルをもう少し上げたい所なんですが、今のイニシャル量(20mm)でも、空車時にはリヤが伸び切る一歩手前で、駐車した時に車 体が傾き過ぎて怖いくらいなんですな…(^^;;; 仕方が無いので、圧側ダンパーでゴマかすつもりです。(現在は、WPの慣らしの為、圧伸共に最弱に なってます。)

 WPの慣らしが終るまでには、クァンタムのバネが使える様なスペーサーを作っておくか、それとも素直にレートの高いWPバネを買っておくか?




[ホワイトパワー編4]2003/04/13

 いや〜、新しいバネが届いたのと、猫がどいてくれたのとで、実に8ヶ月振りのマトモな更新です。 誠に持ってお恥ずかしい限り…(^^;;; (3ヶ月ばかり猫の座布団と化していた作業服は、猫の毛と匂いでえづきそうな状態でした…ゲロゲロ)


WP
BESTEX
 レート(kgf/mm) 
 7.5 
 8.53 
 自由長(mm) 
 165 
 152 
 重量(g) 
 1,090 
 1,000 
 価格 
 2万円? 
 1.3万円 

 まあ、上の表から見る限りでは、WP純正を買う意味は無いですね…(色指定も可。) 寸法的にオーリンスにも適合しますので、特に純正への拘りが 無い方には、お勧めします。[BESTEX のHPはコチラ](商品紹介→RACING→FORMULA CAR のφ58−6インチタイプ。)

 蛇足ですが定価1.3万の割引ありで、実際には税送料込みの総額で、11602円でした。 又、そこの商品説明では[レートは50ポンド刻み!] となっていますが、単車に使う様なレートの低い物に付いては、25ポンド刻みの物もありますので、問い合わせてみてください。(因みに私が買った物は、 475ポンドです。)

←[イニシャルを15mm掛けてみた状態。]

 昨年の8月にWPを装着して以降、20mmから少しづつイニシャルを増やして行って、何とか納得のできる操縦性になっていたのですが、今日、外し たついでにイニシャル量を計ってみた所、26mmになっていました。 ストック状態が31mmでしたから(ノーマルとの車重の違いを考慮すれば)、ま、イ イ線でしょう。

 BESTEXの方のイニシャル量は、取り敢えず15mmだけ掛けてみて、今後、徐々に増やして行くつもりです。

 それにしても、別体タンクは整備し難いです。 クァンタムなら30分も掛からない作業なのに、コイツだとリヤカウルからバッテリーケースまで外さ ないとならず、2時間以上も掛かるんですな…(;_;)

P.S  クァンタムの時のデータを調べてみたら、レート9.0時のイニシャル量は、僅か6mmでした。 これから考えると、15mmよりもっと低いイニシャル量 から始めてみても良いみたいですね…

2003/04/19 試乗の結果、イニシャル量を15→10mm、圧:4→2、伸:2→3に変更。

2003/05/17 試乗の結果、イニシャル量を10→5→7mmに変更。(因みに5mmだと5千rpm程度で前が浮いてしまい、アブネ〜… (^^;;;)

2003/08/16 車検ついでにフォークオイルを換えてやったら、全然曲がんなくなっちまって、又、初めからやり直し。(^^;;;(リヤバネを換え る前に、フォークオイルの交換をしておくべきだった…) 尚、まだバネが擦っているらしくて、右フォークのオイルだけが汚れていました。 次回の交換時に は一度、左右のバネを入れ換えてみるつもりです。

2003/09/28 どうイジっても以前の様なセッティングが出ない。 キチンと曲がらない。 ま、R1000に慣れてきた感覚との差が大き過ぎる事も あるんだろうが、直線で大きめのギャップに乗り上げた時のサスの動きが前後でバラバラな感じで、それが全く直らない。 やっぱWPじゃ無理なのか…?(タ イヤ交換に期待する。)

2004/03/13 Fタイヤをドラエボコルサ(中古品)に換えた事で操縦性がカナリ改善! やはり硬化&摩耗したタイヤでは、セッティング以前の問題 と言う事か… Rタイヤも同銘柄に交換した後、本格的にセッティング出しをする予定。(現在、I:8mm、C:1、R:2)




[K3純正Rサス編1]2004/05/23

 遊びでK3の純正Rサスのバネを、ノーマル8.5からWPに付いていた7.5に落としてみた所、結構良い感じだったので、きちんと装着してやる事 にしました。

 今回、BESTEXから購入したパーツ。 左がレート 450lb/in:8.1kg/mmのバネ、右がスペーサーと(バネと台座間の滑りを良くする為の)シート。 スペーサーは、K3純正Rショックのバネが 長いので、それを補正する為に購入したのですが、これで6千円以上とはチト高い気がします…(;_;)(材質はA2025にアルマイト。)

 K3のリヤの浮かせ方。 鉄の細いアングル材(ホームセンターで 百円程度。)をオイルパンの後部取り付けボルトの頭に当て、パンタジャッキで浮かせてます。(注:くれぐれも前輪への車輪止めを忘れない様に!) 同じく オイルパンの前部取り付けボルトに当てれば前が浮きますので、御参考までに…

 取り敢えずのスペーサー(配水管部品)からマトモなスペーサー に交換した写真。 実際に付けてしまうと殆ど分らない部品ではありますが、ま、単なる拘りですね…(^^;;;

 で、早速セッティングと行きたい所なのですが、残念ながら現在はタイヤの状態が悪く、前はセンター5分のサイド2分、リヤはセンター1分のサイド3分と 言った状態の為、又、後日の予定…(ビンボ〜は嫌いだ…(;_;))

 それから、BESTEXのバネですが、ツーリングカー用の内径60mm長さ7inchのバネを選べば、K3純正Rサスにジャストフィットする様です。 (私が買っているのは、フォーミュラ用の内径58mmのバネ。 これだとリヤサスを社外品に換えた時に流用しやすい。)

2004/05/30 前後のバランスを取る為に、Fフォークのオイルレベルをノーマルの101mmから150mmに変更。(取り外したFサスに全体重を 掛けると40mm収縮していたのが、レベル変更後は44mmに増加。)

2004/06/05 Rタイヤを中古のBT101Rに交換後、試乗。 乗り心地の良さと穏やかな曲がり方が印象的。 トラクションを掛けた時にグイッと 曲る感覚が明確に感じられる様になった。 前後共に新品に換えたらどうなるのか楽しみ。

2004/11/21 走行6976kmにして前後タイヤをピレリドラゴンEVOに交換。 ハンドリングの軽快性を狙ってリヤには180をチョイス。



[K7Fバネ交換準備編]2009/06/25
 正妻のタイヤをダンロップのQualifier(旧型)に換えた所、そ の衝撃吸収性の良さ(凸凹道路でも跳ねない!)から、K7に乗り換えた際に違和感(不快感)を感じる様になってしまい、特に凸凹の多い道を走ると酔って気 分が悪くなる事すら…(^^;;;

 ま、今履かせているミシュランのパイロットスポーツなんて5年も前に出たカナリ古い製品だし、既に4千km近く走っているのでサッサと交換したい所だ が、そんなに財布に余裕がある訳でも無いのでスリップサインが出るまでは使いたい…

 と言う訳で、予定を早めてFバネを柔らかい物に換える事にした。

 って実は、Fバネのレートが、0.976kgf/mmもある事を知った時点で交換必須だと思っていたので、K3用の純正バネ(0.85kgf/mm)と カラーを既に入手済みなんである。

 K3のバネとカラーに付いては、同じカヤバ製のFフォークなのでK7にも使えると思うのだが、この辺りは実際に合わせてみないと分らない訳で、果たして サッサと終わらせる事ができるのか? それとも手間取った挙げ句に諦める羽目になるのか?(^^;;;

 取り敢えず今日の所は、ノーマルでどの程度の過重が掛かるのか?と、その時のストロークの余裕を知りたかったので、何回かフルブレーキをしてみて、ボト ムケースとダストシールの間隔(写真黄色矢印)を計測したのみ。

 計測条件は、イニシャル最弱、圧側ダンパー(高速低速共に)最弱、平坦路にて実施した結果。

 1.丁寧にリヤがリフトする寸前をキープ!(静荷重での最大値と仮定): 約30mm
 2.上より少し荒くリヤがリフトするまで!(衝撃荷重の最大値と仮定): 約23mm

 上記の結果から2の状態をmaxと考え、この時にフルボトムから1cmの余裕がある様にセットしたい。

 又、1G乗車状態でのサグもノーマルだと2cm少々しか無いので、これもせめて3cmは沈む様にしたい。

 サーキットでタイムを競うのなら、理想的なアライメントを維持する為に固くするのが当然だけど、ワシの場合は公道の狭いワインディングや凸凹道でも気持 ち良く楽しく走りたいので、敢えてストロークをフルに使い切るセッティングにしようと思っている。

 後、欲しいデータとしては、ノーマルバネの自由長と組立長、それとカラー長が分っていればバラす前に考察しておく事ができるんだが、こればっかりはバラ さなきゃ無理だよな…

 リヤバネなら30分もあれば交換できるけど、Fバネは半日掛かるので余り暑い季節にはやりたくないし、正妻の車検準備もしなきゃならんので、実作業は 10月以降になるかも?<おい!



[某誌の数式]2009/07/08

 タマタマ先日買ったバイク雑誌に、[空気バネの力を求める数式]が出ていたのを見て、更新がてら書いてみる気になった。(注;下記の文中に於て、半角の "cm2"は平方cmの事で、同じく"cm3"は立方cm。)

 って早い話が、「イキナリ分り難い数式から始めるなよ…(-"-)」って事。

 (力学の専門誌ならともかく)不特定多数が読む只のバイク雑誌なんだから、[何を求めたいのか?]→[その算出に必要な要素は何か?]→[その要素を出 す為に必要な式は?]と言った順序で書くのが定石だろうに、アレでは見た瞬間に、『あ〜… 難しそうで分らんわ…』と感じてしまって、その後の説明を読ま ない奴が多いと思うのだが…?(そう言や、先月号のバネレートの話も実に分り難かったな〜…)

  1. Q. 何を求めたいのか?
    A. Fフォークを押し縮めた際に発生する空気バネの反力(kgf)を知りたい。

  2. Q. それを算出するのに必要な要素は何か?
    A. Fフォークを押し縮めた時の内部圧力(kgf/cm2)と、インナーチューブの断面積(cm2)が分れば、インナーチューブを伸ばそうとする力(空 気バネの反力)を求める事ができる。

  3. Q. その要素を出す為に必要な式は?

    A1. 内部圧力(kgf/cm2) = フォーク伸長(自由長)時の空気容積(cm3) ÷ フォーク圧縮時の空気容積(cm3) ×  1kgf/cm2(大気圧)

     要はエンジンの圧縮比と同じで、フォーク内部の空気容積が半分になるまで圧縮すれば、内部圧力は大気圧の倍の2kgf/cm2になると言う事。(詳しく 知りたければ、検索エンジンにて”気体の状態方程式”に付いて調べてみよう。)

    A2. インナーチューブの断面積(cm2) = 半径×半径×π = (直径/2)×(直径/2)×π = π÷4×直径の二乗

     と、こう順序立てて書けば分る人も多いだろうけど、イキナリ、”π/4・d2(←直径の二乗)”を見て、それが断面積だと理解できる人は少ないと思う。 (単にワシの頭が悪いだけなのかもしれんが…(^^;;;)

     で、ココまで来てから、やっと絶対圧とゲージ圧の違いに付いて考えてみる。


 地球上では、大気層の重さが約1kgf/cm2の圧力(大気圧)となって常に存在している。 それを含めて考えるのが絶対圧で、逆に無視するのがゲージ 圧。

 上のA1の式の最後に、1kgf/cm2(大気圧)と書いてある様に、この式は大気圧を含めて考えている為、得られた内部圧力は絶対圧である。

 故に、フォークを全然縮めていない状態でも、1kgf/cm2の内部圧力が(絶対圧として)発生している。

 『でも、縮めていない状態なら、発生する空気バネの圧力はゼロだろ???』←そう、コレがゲージ圧!

 正確には、内部圧と大気圧が釣り合って見掛け上の圧力がゼロになった様に見えるだけだが、実際にインナーチューブを押し出そうとする圧力は、算出された 絶対圧 − 大気圧 = ゲージ圧と言う事になる。

 と、ここまで読んだ後で例の数式を見れば、カナリ分り易いと思うのだが…???(^^;;;


 で、ワシ自身は、実は凄く面倒臭がりな人間なんで、イチイチ空気容積を計ったり数式をひねくり廻す様な根性も無いのだが、今回のK7ではレートを大幅に 落とす事もあり、もちっと簡単で分り易い方向からアプローチして行くつもり。



[今日も乗れなくて暇なので…]2009/07/26
 ココんトコ休日と天候の折り合いが悪くて、もう2週間以上も乗れずにス トレス最高潮! かと言ってこうも暑いと整備をする気にもなれないので、涼しい部屋でFフォークに掛かる力について考察してみる事にした。

 推定ではあるが、重心の位置や総重量は大体こんなモンじゃ無いかと?(ワシの体重を装備込みで80kg、マフラー交換とアンダーカウルを撤去したK7の 装備重量を210kgと仮定。)

 この状態でブレーキを掛けると前方への慣性力が発生し、それと重量との合力が前輪の接地点を越えるとリヤが浮いてジャックナイフ状態になる。

 合力の角度が大体45度とすると、合力の大きさ = 290kgf ÷ sin(45゜) ≒ 410kgf

 これらのデータを正弦定理に当てはめると、 410/sin(90゜+23゜) = x/sin(45゜)が成り立つので、フォーク伸縮方向に加わる力 は、

 410×sin(45゜)/sin(90゜+23゜) ≒ 315kgf になる筈!<って、ホントか?(^^;;;

(因みにキャスター角は23度45分だが、ブレーキングでフォークが縮む事を考慮すれば23度で充分と判断した。)

 でも、この値には(フロントのバネ下重量である)FホイールやFフォークボトム等の重量も含まれている為、それらを引かないと欲しい値にはならない。

 計測データから、Fホイール(11.5kgf)とFキャリパー(両方で2.22kgf)は分るが、Fフォークボトムってどのくらいあんだ???

 ま、ココまでの計算自体がカナリ適当なんで、取り敢えずは1本3.8kgfの7割として2.6kgf×2で5.2kgfと仮定しときゃイイだろ… (^^;;;

 で、バネ下重量 = 11.5kgf + 2.22kgf + 5.2kgf  ≒  19kgf

 さて、このまま素直に315−19と計算して良い物なのかどうかチト悩み所ではあるのだが、余り考え込むのも体に悪いのでそのままにしておく。<おい! (ってま、大体300kgfくらいの荷重が加わると思っておけば間違い無いだろ…(^^;;;)

  しかし、グダグダ手間を掛けて計算した結果がコレじゃ、初めから余り深く考えずに、『ライダーを含めた総重量がそのままFフォークに掛かると仮定!』 しとけば済む話だったよな〜…(爆)



[今日は計測のみ!]2009/09/19
 正妻のリヤサス交換が一段落したので、作業の止まっていたK7のFバネ 交換を再開する事にした。(ま、連休で混んでるだろうし交通安全週間も始まる事だし、何より正妻が面白過ぎてこのままだとK7に乗らなくなっちまうんで… (^^;;;)

 で、何とかしてフォーク荷重を実測できる方法をと考えた結果、買ってしまった高価な測定機械! …では無くて、家にあった脚立と板とMCジャッキと体重 計を組み合わせて造ってみたマルビ測定器具…(^^;;;(Max150kgf程度なんでコレで充分持つ!)


 その測定結果がコレ↓

  

 古い体重計での計測なので精度的にはカナリ怪しいが、一応、何回か計り直してバラ付きが最小限になる様にしている。 又、荷重80kgfまでは写真のや り方で計り、それ以上は体重計だけを横にズラして半分の荷重が掛かる様に調整してから計った。(勿論、再設置後は、80kgf以下での値が前の値と近似値 である事を確認した上で測定している。)

 これをプロットしたのが下記グラフ。↓ 一見すると無意味な理論値(バネレート)だけのグラフと同じ様に見えるが、実際の荷重がイメージできるのでセッ ティングして行く上での利便性は桁違い!


  

 測定前は、エアバネ効果で二次曲線的に曲ると思ってたんだが、予想に反して綺麗な直線になった。(バネレート0.976kgf/mm、バネ自由長 238mm、スペーサー長151mm、組立長356.5mm。<以上、実測値。 故に組立荷重は、31.7kgf!)

 検証の為に、06/25 のフルブレーキ時と1G乗車時のデータと比較してみると、114mm(フォーク自由長時のボトムとダストシールとの間隔)−31mm(フルブレーキ時の間 隔+電線の太さ)=83mm(圧縮量) その時の荷重をグラフで見ると、大体120kgf辺り。

 120kgfに組立荷重の31.7kgfを加えて、151.7kgf。 それが2本なので303.4kgfと、ま、こんなもんだろう。 同じくリヤリフ ト時は、

 114 − 24 = 90 その時の荷重をグラフから読み取って、上と同じ様に計算すると大体330kgfくらいになるな〜…(^^;;;(まぁ、一瞬ではあるのだが…)

 1G乗車時は、前軸に160kgfが掛かると仮定すると、バネ下荷重を引いて約142kgf。 それを2で割って71kgf − 31.7kgf(組立荷重)= 39.3kgf。 フォーク方向に掛かる力は、39.3kgf ÷ cos(23.75゜)=42.8kgf。 その時の圧縮量をグラフで見ると約2cm縮んでおり、これもほぼ実測値に等しい事が分る。

 これをバネとスペーサーを換える事で、330kgfが掛かった時に104mm(赤丸)、1G乗車状態では35mm(青丸)程度縮む様にしたい訳だが、そ の考察と計算は又、明日…(^^;;;



[実作業は考察の後で…(^^;;;]2009/09/20

 Max時の調整は後から油面高でやれるので、取り敢えずバネ組立長を1G乗車時に合わせてみる。 40kgf時に35mmストロークする事を目標にし て、K3用Fバネ(レート0.85kgf/mm、自由長232mm)を組み込む時に必要な組立長を求める場合、

 バネ組立荷重 + ( 35 × 0.85 ) = 40kgfが成り立てば良いので、必要となるバネ組立荷重は、10.25kgf。

 バネ組立荷重 = 組立圧縮量 × 0.85なので、必要な組立圧縮量は、12mm。(ストロークが浅いのでエアバネ効果は無視!)

 K7フォークの組立長356.5mmの中に、K3のバネ(自由長232mm)を12mm圧縮して組み込む為に必要となるスペーサー長は、

 356.5 − 232 + 12 = 136.5mm! K7の純正ス ペーサーが150mmあるので、少しカットしただけで問題無く使えそうだ。

 で、面倒臭いMax荷重時のエアバネ効果なんだが、実測データで105mm圧縮した時の荷重が158.6kgfである事と、エアバネを無視した計算値 (105×0.976+31.7=)134.2kgfとの差、24.4kgfがエアバネ量(<バネレートとは無関係!)なので、上記のセッティングで 105mm圧縮した時の荷重(105×0.85+10.25=)99.5kgfにそれを加えると、123.9kgf!

 これを今回は、リヤリフト時と同じ133.4kgfに持って行きたい訳だが、試しにこの値を昨日のグラフにプロット(黄丸)してみると、意外にも目標で ある青丸→赤丸のラインにカナリ近いじゃん!\(^_^)/(これならこのままで組んでも取り敢えずは走れそうだ。)

 さて、いよいよ難関である油面高の計算。 各値を07/08の某誌の数式に当て填めると、

 105mm圧縮時のエアバネ量:24.4kgf = フォーク自由長時の空気容積 ÷ 105mm圧縮時の空気容積 × インナーチューブ断面積: 13.2cm2

 フォーク自由長時の空気容積 = 105mm圧縮時の空気容積 + インナーチューブ断面積×10.5cm:なので、105mm圧縮時の内容積をXとし た場合、上の式は、

 24.4 = (X + 138.6) ÷ X × 13.2 この両辺を13.2で割って、更にXを掛けると、

 1.85X = X + 138.6 この両辺からXを引いてまとめると、

 (1.85 − 1)X = 138.6 後は素直に計算して、105mm圧縮時のFフォーク空気容積:163cm3が得られる。<ホントかっ!?

 エアバネ量24.4kgfを、今回はK3バネに合わせて(133.4 − 123.9の)9.5kgfプラスの33.9kgfにすれば良いので、それを又例の式に当て填めると、

 33.9 = (X + 138.6) ÷ X × 13.2 これを上と同じ様にして解けば必要となる105mm圧縮時のFフォーク空気容積:88. 4cm3が得られ、追加すべきオイル量、163−88.4=74.6cm3が 出てくる!

 …と、計算上は、75cc程オイルを足せば良い事が分ったのだが、チト量が多過ぎる気が…? ま、油面高で105mmくらいがイイトコだろうな〜…


[さて実作業の結果は…]

 午前中に考察と計算を済ませて午後から作業のつもりだったが意外に計算で時間を喰ってしまい、実作業は片方のフォークを組んでデータを取るだけで終わっ てしまった…(;_;) 明日以降は予定が入っているのだが、何とか23日(水)中には取り付けて試乗したいもんだ。

 スペーサーをカットし過ぎると元も子も無いので、余裕を見て138mmでカット! オイルの方は、試しに油面高さ134mmの状態から75ccを加えて みたら油面高が75mm程になってしまった…(^^;;; これだと流石に辛いと思うので断念して、油面高は110mmに設定して妥協! で、その測定結 果は、



 測定をして気になったのが、自由長時のフォークボトムとダストシールの間隔が104mmになっていた事で、ノーマル時よりも10mm少ない。  で、フォークを引っ張ってみると1cm程伸びるのだな…(^^;;; 

 どうやらダンパーロッド内部にリバウンド側のバネが入っているらしく、メインバネの組立荷重が減った事で引っ張られて縮んだみたいだ。 そう言えばバラ す時にトップキャップを引っ張ると少し伸びるのだが、そっかコイツが原因かよ…

 測定値の最後の方が[×]になっているのは、上の理由で自由長が1cmばかり縮んでしまった為に、100mm縮めると底付きをしてしまって測定不能にな るのだな…(;_;) …となるとイニシャル量を1cm増やすべきだが、ま、これくらいはアジャスターで補正しとこう。 で、先のグラフに手直し後のデー タを加えて比較してみるとこうなる。↓

  




:純正バネ、油面高134mm、スペーサー長150mm


:K3バネ、油面高110mm、スペーサー長138mm


 1G乗車状態での値は、ほぼ妥当な位置にあるが、Max荷重時のグラフの曲がり方がチト気になる。 ま、考察や計算ばかりじゃ意味が無いので、実際に 走って検証してみてから後の方向性を考えよう。


[グラフから分る事]2009/09/22
 グラフをじっくりと眺めてみると、赤ラインがほぼ直線なのに対して、青ラインが緩やかに上昇している事が分る。 これは油面高134では殆ど影響の無 かったエアバネ効果に拠る物だと思われるが、60mm辺りから徐々に上昇しているラインが80mm以後で急に立ち上がっているのをヘンに思ったのは先に述 べた通り。

 で、何か引っ掛かっていたのだが、100mmストロークさせようとしたら底付きをしてしまった事に考えが至った。 つまり、青ラインで90mm圧縮する と言う事は、赤ラインで100mm圧縮に匹敵し、その分エアバネ効果が大きくなると言う事で、これを単純に圧縮(ストローク)量だけ見ていると足元を掬わ れるな…

 どうも、この、『自由長状態でもインナーチューブが(約1cm)縮んでいるFフォーク!』っつ〜のは考察や計算が厄介だし、何よりも有効ストローク量が 減ってしまうので、次のオイル交換の時にダンパーロッドの(中に組み込まれていると思われる)バネを外せる物なら外したいもんだ!


[組み付け]
 午後から時間を作って残りのフォークも手直しして車体へ組み付けてみたら、自由長時のフォークボトムとダストシールの間隔が105mmと1mm伸びて る… ったく、コレってマジで鬱陶しいな! そしてホイールやらキャリパーを付けると、その重量で引っ張られて110mmへと更に伸びやがる…凸(-" -)クッソタレ!

 この、『自由長時のフォークボトムからダストシールまでの距離を基準に、そこから何センチ縮んだか?』は、Fフォークのセッティングを考える上での基本 だとずっと思っていたのだが、このFフォークの場合は考え方を変えて、『ボトムからシールまでの距離!』を基準にした方が良さそうだ。 

 となると先のグラフでの青ラインが右へ1cm(二目盛)分移動する訳で、それならスペーサーは150mmのままでも良かったな。(まぁ、K7の純正ス ペーサーの予備は買ってあるので、又、次の機会に付け直そう…(^^;;;)

 ダンパーロッドの中に入っているバネのデータが分らない以上、適正値を計算で求めるのは難しいので、後は試走してのフィードバックあるのみ!

 後、ヘマをしたのがリヤバネで、当初はフロントに合わせて8.5kgf/mmに換えるつもりだったが、長さ調整の為のスペーサーを正妻のK2改に使って しまっていた為に付ける事ができず、止むなく今の8.9kgf/mmのイニシャルを2mmばかり抜いて姿勢を調整しておいた。(スペーサーか、又はバネが 手に入り次第交換の予定!)

 さて、明日の天気や如何に?


[ま、こんなもんだろ!]2009/09/23
 路面状態が悪くて遠出ができず近場を流したのみだが、100km程度までなら何の問題も無く、(当然の事とは言え)只、乗り心地の良くなった事が印象 的! これなら少々荒れた路面でも問題あるまい。

 只、100km以上のコーナーだと前が外へ逃げたがるな… ま、リヤバネを換えりゃ収まるだろうけど…(前下がりの姿勢を押さえる為に既にイニシャル最 強、突き出しゼロにしてあるのだが…)

 フルでは無い9割方ブレーキングでの[ダストシール←→ボトム間の距離]は、前回の30mm→25.5mmに減少!(リヤバネ換えたらイニシャルを戻し てやろう。) 1G乗車状態でのサグは、(自由長時の長さが基準にならないので不確かだが)4cm辺りと、ま、こんなもんだろ!


 因みに昨日のグラフだが、自由長で1cm縮んでしまった分を補正してやって、より実際に近いグラフにするとこうなる。↓

  
 先のグラフでは、レートを落とした割に余り差が出なくて意外な感じだったが、今度のグラフなら納得できる!

 因みに左下の緑で囲った部分が、自由長状態だとアウター内に引き込まれている1cmの分。

 これを見る限りだと、スペーサーを150mmに戻して、油面も10mm下げてやると良さそうな気が…(^^;;;(<ってキリが無いんだけどね〜…)

 ま、どっちにしろ次のオイル交換までは、このまま行っトコ…(折角のこの季節に車庫でシコシコやってんのは余りにも勿体ない!)


[試乗とセッティング]2009/09/25
 仕事の都合で今日が休みになってしまったので、これ幸いと試乗に出掛けてきた。 いつものコースを走ってみた感じは、凄く滑らかなフィールで走り易く なっていて非常にグッド!

 押し引きした感覚だけで決めた適当セッティングのままなのに想像していた以上に軽くバンキングして気持ち良く曲るので驚いたが、試しに前のイニシャルを 最大→半分に減らしてみた所、下りの突っ込みで凄く不安定になってしまい、こりゃアカンわと元に戻して圧側2クリック締めの伸側1クリック弛め… ついで にリヤのイニシャルを更に1mm減らしコッチは圧側そのままで伸側のみ2クリック締めで、ま、現状ではこんなもんだろ…

 とは言えイニシャル最大の突き出しゼロでは見た目が悪いし今後のセッティングも詰めて行き難いので、次に雨と休日の重なる日があったら手直しをせねば… (^^;;;

 リヤバネがそのままなんで荒れた路面を走った時のコツコツ感はマダ残っているのだが、フロントの突き上げが格段に減ったので体が凄く楽になった! 例え ば凸凹舗装されたコーナーなんかだと、今までなら両手で抑え込んでいたのが片手で少し押さえるだけで済むし、荒れたコーナーの立ち上がりでもアクセルワー クが乱れ難く安心して開けられるので、同じ距離を走っても疲れ方が全然違う。

 さ、しばらくはメンテ無しで走るのみ! だな…(^^;;;

※2009/09/25 稚拙で恐縮だが、[計算用のエクセルシー ト]をアップしておいたので計算が苦手な人はどうぞ。(って、式が間違っていても当方は一切関知しませんが…<こらこら!)


[セッティング変更]2009/10/26
 コイツにだけ乗ってる分には問題無いのだが、響子さんと乗り比べると劣っている事が分ってしまうのでやり直し!(ついでに走行1万kmを越えたので、2 年間:約6千km換えてなかったフォークオイルも交換!)

 先の手直しでの敗因は、謎のバネのお蔭で組立長を実際よりも小さく算定してしまい、結果、やや前下がりの姿勢になってしまった事。(Fフォーク自体の有 効長が短い為に、突き出し量では調整し切れなかった事もある。 因みに、響子さんの有効長は745mm程あるのだが、K7は695mm程しか無い!)

 先に作った[計算用 のエクセルシート]で、組立長356.5mmを360mmに、又、35mm縮ませた時に…の35mmを25mmにし てやると、必要なスペーサー長が(ノーマルと同じ)150.1mmになるので、取り敢えずこれに合わせる事にした!(油面高もシートに従っ て下げる事にして、140mmに設定。)

 作業自体は先月やったばかりなんでどうと言う事は無いが、我ながら相変わらずのボケ振りで、左を組み終わったと思ったら中のダンパー調整ロッドを入れ忘 れてたり、右が済んだと思ったらワッシャーが残ってたりでもうウンザリ…凸(-"-)<痴呆症か?

 で、取り付け後の1G乗車状態でのサグは25mmと計算通りで、突き出し量をノーマルの7mmから0mmへと減らしてやって、これでフロントは純正状態 とほぼ同じになった筈だが、はてさて…???


[試乗]2009/10/29
 いつもの143kmで試乗! カナリ素直な操縦性になり、Fフォークの動きも良い。 只、リヤタイヤにスリップサインが出始めていたので操縦性云々を言 う以前の問題!(帰宅後、取り急ぎD社のQF2を発注!)


[QF2慣らし]2009/11/03
 …と言いたい所だが余りの寒さに体はガチガチ、道は半分ウェット&木枯らし1号の影響で落ち葉天こ盛り状態で、結局、リヤタイヤの端が3cmも残ってる 情けない状態で帰ってきた…(;_;)

 でも… このタイヤならサスセッティングなんかいらんわ…(^^;;; リヤの伸び側だけ最弱から僅かに締め込んだ程度で、他は全て最弱状態で好きに曲 れるし安定感も凄い。 できればバネに合わせて前後サスのダンパーその物をもう少し弱くしてみたいけど、そうなると前はレーステックのダンパーロッド入れ て、後はやっぱTTX36かな?(<約30万円か〜…(;_;)ムリ!)


[バネ交換!]2009/11/08
 交換後、約600kmを走ってQF2にもカナリ慣れ、フロントは今のままで良いと判断。 リヤのみ、レートを今の8.9kgf/mmで行くか、8. 5kgf/mmに落とすかで悩む… って、悩んでいても仕方が無いので実行あるのみ!(取り敢えず8.5のイニシャル13mmに換えてみた。)

2009/11/30 試乗とセッティング! イニシャル12mm弱にて、ほぼ納得のできる動きになった。 でも、もちっとダンパーを弱くしてみたい な〜…