当院発刊の書籍の紹介

寄の歴史、伝統文化を総合的に語る
「旧寄村、来し方その後」 (発行者:福昌院一炊居文庫  著者:平賀康雄)
 出版のお知らせ

 どの地域においても、自分の住む郷土の昔から現在までを語る歴史書というものが編纂されている事と思います。歴史を学ぶ事は、一つには地域の更なる発展や個人の生活の向上にもつながることであり、歴史書の存在意義は大変重要です。恐らく全国の市町村単位でそれぞれの地区の歴史書があるはずです。我が松田町にも昭和五十二年に「松田の歴史」及びその後「続松田の歴史」 が発行されています。
しかしながら私達のすむ当地寄地区についてのまとまった歴史書は今まで作られておりません。昭和三十年松田町に合併するまでは独立した「寄村」であったものの、寄のごく一部の地区の歴史についてまとめられた書物や一部の時代について述べた断片的な資料程度のものはあっても寄全体の事をまとめた歴史書はありませんでした。
戦後も七〇年近くが経過し、もはや明治、大正、昭和前期の事を記憶している高齢の方々はごくわずかになりつつあります。筆者におきましてはそのような危惧の思いもあり、ここに以前から調査収集した資料やここ十年ほどの間に各所でお話ししたもの等をまとめ一冊の書物といたしました。
まだまだ未調査未確認の事もあり、決して充分なものとは言えませんが、一通りのことを載せるように心がけました。
先般、寄各地区自治会長様等を介して寄地区全戸(770戸)に無料配布をさせていただきました。ひととおり本書に目を通していただき、伝統ある郷土寄の誇りある歴史をあらためて認識していただければ幸いに思います。 寄地区以外の方々でもご関心あられる方には当方にお問い合わせ下さい。(現在残部無し)
概要につきましては以下本書の目次にある各章の大項目を掲げ、更にその中の主要な細目について簡単に示しておきますので概略の内容をあらかじめご理解いただき、前もって本書への関心をお持ちいただければと思います。

まず各章の大項目としては
  第一章 先史時代〜平安時代、
  第二章 中世(鎌倉時代〜戦国時代)、
  第三章 近世(江戸時代―東山家入り七か村)、
  第四章 近代(明治・大正・昭和前期―寄村)、
  第五章 現代(昭和後期、平成ー寄村から松田寄へ)、
  第六章 資料編
の六項目に分かれており、主要な細目をあげてみると、
○寄のはじまり○古代の相模、足柄、松田○源氏と波多野氏、松田氏初祖とその後の松田氏について
○波多野庄弥勒寺(寄神社の前身)の事
○近隣の興亡(鎌倉公方足利氏、関東管領両上杉氏、小田原城主大森氏、北条氏他)
○東山家入り七ヶ村の村勢○村の行政、村民の生計、年貢○入会山をめぐる問題
○宝永の降り砂、天明、天保の飢饉
○教育(寺子屋等の事)○七ケ村に七つの寺○各村の鎮守○民間信仰、講ごと
○寄村の誕生○歴代村長○戸数、人口○産業○交通(各古道、小田原道、秦野道他から県道、町道への変遷)
○消防組の活動○青年団の活動○廃仏毀釈と神社廃止令○寄神社祭礼の変遷○震災、大火、風水害の事
○戦前戦後の生活のありさま○寄村と松田町の合併○戦後の産業構造の変化○年中行事○婚姻、葬儀儀礼
○寄の伝説、民話○地名、山名○寄各地に残る石仏、石碑等歴史的石造物○古絵図○歴史年表

他多岐にわたっております。広範囲の方々にご高覧たまわれば幸いです。


平成二十五年十二月二十七日発刊


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