建物は北側の会堂部と南側の司祭室部からなり、
会堂部周りの3面は外海地区産の玄武岩割り石を漆喰モルタルで固めた特異な壁体です。
その壁は、地元では神父に因んで「ド・ロ壁」と呼ばれています。
その上には洋式のキングポスト(真束(しんづか))をもつ木造小屋組を架けます。
側面の窓は上部を半円アーチ形の煉瓦造りとしています。
堂内は列柱のない一室構成で、現在の和風の棹縁(さおぶち)天井と板張りの床は後補と見られています。
上記のド・ロ壁や洋式小屋組のほか通り抜けにした前廊部とそれを覆う変則的な寄棟(よせむね)屋根、
軒下に出る梁の先端に施した彫り込み装飾など、ド・ロ神父の建築技法が随所にみられ、また地域の風土に密着した造形を示しています。
この大野教会堂の周辺、大野集落からは、角力灘の水平線と大角力・小角力・母子島の美しい景観も見る事が出来ます。
【外海の大野集落 〜 大野教会へのアプローチ】