JR阿蘇駅のある阿蘇市黒川方面から、阿蘇パノラマライン (県道111号線) を 草千里ヶ浜、阿蘇中岳火口 (阿蘇山ロープウェー) の方へ走ると、 阿蘇五岳のひとつ杵島岳の向かい側に、小さな均整のとれた山が見えます。 これが 米塚 です。

標高954mという小さな山ですが、均整の取れた形から、阿蘇の代表的な景観のひとつとなっています。
小さいながらもれっきとした火山(火砕丘)で、頂上のくぼみは火口の跡です。 真ん中にある筋は土塁と呼ばれ、牧草地の境界として築かれた物です。

米塚の伝説としては、阿蘇の神「健磐龍命」が、収穫米を積み上げたものが山になったと言われています。 頂上のくぼみは米を貧しい人々に分け与えた為に出来たと言われています。

以前は米塚に登る事が出来たのですが、現在は米塚の周りに柵があり、立ち入り禁止になっています。
常識ない登山者による踏み荒らし等により、裸地化や浸食が進み、 希少な植物の生育環境が損なわれてしまいました。 そこで修復作業を行ない、無断立ち入りを禁止した様です。

春は緑の絨毯の様な新緑、秋はすすき野原の中、早春には野焼きと、 季節によっても様々な表情を見せてくれる米塚。

米塚は県道111号(阿蘇パノラマライン)から良く見えますが、そこから県道298号に曲がると 米塚の正面を通りますので、更に間近に見る事が出来ます。
更に進むと「米塚下園地」があります。 米塚下園地には、広い駐車場とトイレがあります。

阿蘇パノラマライン (県道111号線) を 草千里ヶ浜、阿蘇中岳火口 (阿蘇山ロープウェー) の方へ進むと、 草千里展望所から米塚が見えます。 遠くに見えますが、阿蘇外輪山と阿蘇谷を背景にお椀型の窪みをはっきり見るなら、この場所がおススメです。