1986年仏像シリーズ第15作


法隆寺 <夢違観音>

 作品としての表現力もまずまずの出来である。手の表現がもう一つといえる。毎回作品を作り終えてみるとなかなか全て満足のいく作品に仕上げることは難しいものである。技術的には笛吹き童子の時に完成しているのにその時々の微妙な判断で作品の出来不出来が左右されている。優しくあどけない少年の面もちを持つこの仏像は私の好きな仏像の一つで、学生時代にこの仏面の模造を部屋に飾っていたほどである。