１９７６年仏像シリーズ第６作

新薬師寺　＜伐折羅大将像＞

　ここまで来ようやくこの仏像シリーズの彫りや色付けの技術が自分のものとなり始めている。当時大学院に進み新しい研究分野に足を踏み入れたが、自分の研究枠組みを十分に絞り込めず抱えていた不安や心の迷い等を振り払い己に活を入れる意味でこのテーマに取り組んだ。他人に出す年賀状用にはあまり相応しくなかっただろうがそうした己の思いを込めただけに気迫の入った作品に仕上げることが出来た。