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薬師寺 <聖観音菩薩立像)> (奈良)(国宝)
薬師寺東院堂の本尊であり、金堂の薬師三尊と共に大変美しい仏像である。こんなに美しい像をこれまでなぜ取り上げてこなかったかと不思議に思うほどである。大変整ったお顔で、口元は少し笑みをうかべているかに見える。若々しい青年のような表情と、まっすぐ前を向き直立した姿勢が、近寄りがたい気品と威厳に満ちている。これまで観音様は女性像と思っていたが、観音様は、男女両方があるとのこと。昨年妹が永眠し、静かに妹のことを偲びたいと思い喪中葉書用にこの像を版画にしてみた。
これまで、この像を真横から撮った姿を見たのは今回初めてであり、非常に新鮮でかつ、この像の美しさをあらためて感じた。左手を掲げた指の形も実に美しく感じた。
観音様はこの世の生きとし生けるものすべてを救うため、その姿を三十三身に変えられるとのこと。観音像には十一面観音、千手観音、如意輪観音など、多面多臂の変化観音と、超人間的な姿ではない、1面2臂の観音像があり、後者を指して「聖観音」とよんでいる。
観音様は人々の苦しみを除いたりお願いごとを聞いたりしてくれる慈悲深い仏様である。
次々に変異しいっこうに終息が見えないコロナ禍や、地球温暖化による異常気象等々、世の中の様々な不安や苦しみを少しでも排除してくれるようこの仏様に祈りたいものである。
【33枚限定 6色摺】