『仏像版画と仏のことば 心ゆたかに生きる知恵』
藤森 萬年著

日貿出版社
2200円+税 A5 223P
2023年10月2日発売


 高校2年時(1970年)より半世紀以上にわたり年賀状用として作成してきた仏像の多色刷り木版画を1冊にまとめたものです。2022年に年賀状が50作品になりましたが、年賀状用だけではなく八つ切り版で制作したものを含めて、60作品を本書に掲載しています。ただし、これまで制作した64作品中、4作品(年賀状用3、八つ切り版1)はお寺様の意向により本書には掲載してありません。
 なお本書では、仏像版画とともに、仏教語(禅語)も掲載しました。また最後の4章では仏像木版画を通じ、ささやかではありますが50年以上仏像に対峙し、今回この本をまとめるに際し、仏教のさわりや禅語を少し学び、仏教を通じた生き方の知恵の一端を思いつくまま22話にまとめ掲載しました。生きていく上で、色々な悩みを抱えながらどう生きたら良いのか、人生訓として読者の皆様の参考になれば幸いです。
 今の世の中は何かと私達の心を惑わすようなことが少なくありません。現実の忙しさのなかに身を置いていると、目の前に現れている現象だけにとらわれ、本質を見失いがちです。しかもそれにより心をすり減らし悩みを深めることも少なくありません。仏像に自分の思いや願いを祈るだけではなく、仏像に静かに向かい合うことは、とりもなおさず、仏像を介して自分自身との対話をしていることかもしれません。私達は時には仏像や、禅語等に対峙し、静かに自分自身を見つめ直す時を持ちたいものです。それにより、迷いや悩み等で乱れていた心が次第に平静さを取り戻すかもしれません。
 仏像を静かに眺めたり、禅語を深く味わうとき、そこに何かを感じ取られることでしょう。本書が皆様にとってそんな一助となり、そこに皆様の心の安らぎやいやしを感じて頂ければ幸いです。
 なお、本書は、一回読み終わりおしまいではなく、折に触れて開き思いつくまま仏像をながめたり、禅語を味わったり、4章の生き方の知恵を読む等、手元に置き長く味わって頂ければ幸いです。その時々の思いにより、味わい方も異なってくることでしょう。


目 次

はじめに

第一章 年賀状木版画
 01・1970・秋篠寺 伎芸天像
 02・1972・東大寺 月光菩薩
 03・1973・興福寺 仏頭
 04・1974・中宮寺 菩薩半跏像
 05・1975・東大寺 金剛力士像
 06・1976・新薬師寺 伐折羅大将像
 07・1977・薬師寺 月光菩薩像
 08・1978・宝菩提院 菩薩半跏像
 09・1979・横蔵寺 大日如来
 10・1981・東大寺 大仏殿八角灯籠音声菩薩(横笛)
 11・1982・教王護国寺 持国天
 12・1983・広隆寺 安底羅
 13・1985・中宮寺 菩薩半跏像
 14・1986・法隆寺 夢違観音
 15・1987・東大寺 大仏
 16・1988・円隆寺 阿弥陀如来像
 17・1989・東大寺 月光菩薩
 18・1990・遍照寺 十一面観音立像
 19・1991・海住山寺 十一面観音像
 20・1992・般若寺 薬師如来像
 21・1994・大報恩寺 釈迦如来像
 22・1995・薬師寺 日光菩薩像
 23・1996・浄光明寺 阿弥陀如来像
 24・1997・岡寺 如意輪観音半跏像
 25・1998・三千院門跡 勢至菩薩跪像
 26・1999・宝積院 十一面観音像
 27・2000・興福寺 阿修羅像
 28・2001・法隆寺 九面観音立像
 29・2003・獅子窟寺 薬師如来像
 30・2004・鶴林寺 聖観音立像
 31・2005・鞍馬寺 観音菩薩像
 32・2007・安倍文殊院 文殊菩薩像
 33・2008・醍醐寺 如意輪観音坐像
 34・2009・大報恩寺 准胝観音立像
 35・2010・東大寺 執金剛神立像
 36・2011・浄楽寺 阿弥陀如来坐像
 37・2012・向源寺 十一面観音立像
 38・2013・個人蔵 不動明王像
 39・2014・興福寺 不空羂索観音菩薩像
 40・2015・金剛峯寺 八大童子像
 41・2016・個人蔵 如意輪観音像
 42・2017・法隆寺 薬師如来坐像
 43・2018・白毫寺 菩薩坐像
 44・2019・個人蔵 弥勒菩薩立像
 45・2020・西大寺 愛染明王坐像
 46・2021・宝菩提院 菩薩半跏像
 47・2022・法隆寺 釈迦三尊像
 48・2023・薬師寺 聖観音菩薩立像

第二章 仏像版画制作手順

第三章 八切り版仏像木版画
 A 法隆寺 九面観音立像
 B 林昌寺 石仏十一面観音像
 C 中宮寺 菩薩半跏像
 D 興福寺 阿修羅像
 E 東大寺大仏殿八角灯籠 音声菩薩(シンバル)
 F 東大寺大仏殿八角灯籠 音声菩薩(横笛)
 G 円骼宦@阿弥陀如来座像
 H 松本市寿 道祖神
 I 平福寺 金剛界大日如来坐像
 J 東大寺 月光菩薩像
 K 法隆寺 夢違観音像
 L 教王護国寺 持国天像

第四章 仏教に学ぶ生きる知恵
 01 一日一生 02 般若の知恵 03 視点を変えて見る
 04 自分を良くするも悪くするも自分次第
 05 背暗向明という生き方 06 逆風張帆
 07 逆境で悲観せず精一杯生きる 08 ならぬ堪忍するが堪忍
 09 理屈より実践が大切 10 相手と同じ目線でものを観る
 11 人生の勝ち負け 12 オンリーワン 13 自分らしさを磨く
 14 必要な無駄 15 新しい発想が時代を開く
 16 知恵をいかに売るかに知恵を絞る時代へ 17 失敗を恐れない
 18 時間は貴重な財産 19 未来のために種をまく 20 生きた証
 21 出会い 22 利己と利他

おわりに


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