「若者へ 自分探しのためのヒント」
藤森 萬年著

Amazon Kindle版
300円 電子書籍
2014年8月8日発売 206ページ


  今の世の中はかつての右肩上がりの時代に比べて、一層先が見えにくく何かと不安の多い時代となっています。もっともいつの時代も若者にとっては、将来に不安を感じるものでしょう。自分がこれからどう生きていったならばよいのかは、若者にとっては少なからぬ課題です。最近の若者は少子化の中で、総じて親から大事に手をかけられ育てられてきています。また、世の中も豊かとなり、便利なものが満ちあふれ、不便さや飢餓感を感ずることが少なくなっています。その結果子供はいつしか自分で考え問題を解決しようとする力が弱くなりがちです。またこれまで社会常識とされていたことを十分わきまえておらず、社会に出て少なからぬトラブルを抱えるということもおきがちです。
 本書は私が以前に高校の進路係をしている際に、主として高校三年生を対象とし出していた「進路便り」に書いたものから抜粋したものです。中学生や、高校生等の若い人たちがこれからの自分の生き方や、社会の動きを知るために参考になればと考え再度本書にまとめてみました。四年間にわたり書いたものであり、毎年新たな三年生を対象としているために同じ時期に同じようなことを書いている部分がありますが、出来るだけ切り込み方を変えるように努めました。また内容が似ている部分は極力カットしましたが、まだ大分同じようなものが残っていることをご容赦ください。
 当時私が関わった生徒達は、平均的な高校生というより、やや自立心が弱く、主体的に何かを求めようとする意識が弱いタイプの生徒達でした。そうした意味で一般の若者には向かない面もあるかもしれませんが、人生に迷ったり気弱になったときには何か感じてもらえるものがあるのではと考えあえて再度このような形で公にしてみました。
   現在の若者の中にも極めてしっかりし頼もしく感じられる人も少なくありません。そうした若者からみればあまり参考にならないかもしれません。しかし、若い時は誰しも自分のこれからの進路や生き方に悩みや迷いを感じるものです。そんなときあまり難しい人生論を読んでも必ずしも心に響かないかもしれません。
 私がかつて大学生の頃、自分の進路や生き方に迷いを感じていた時期に、有名な人の「人生論」なる本を何冊か読みましたが、いずれも抽象的でいっこうに私の心に響いてくれませんでした。そんなとき、天野貞祐さんの『学生に与ふる書』を読み大変感銘し、その後の生き方に少なからぬ影響を受けました。学生向けに書かれた優しく噛み砕いた文章は当時の私の心にストレートに響いてきました。当時、私もいつかこうした文章を書いてみたいと思っていました。とてもその足下にも及びませんが、せめて若い読者の自分探しのためのヒントになれば幸いです。
 進路便りを出していた当時、何人かの保護者からも好評をいただきました。そうした意味でも本書は若い人ばかりでなく若い人に関わる方々にも、何かの話の種の参考になれば幸いです。(「はじめに」より抜粋)


目 次 (TとWのみ例示、他は省略)

はじめに

T

 自分を変えるために
 環境産業革命の時代へ
 日本企業はなぜ総崩れになったのか?
 勉強しなくても入れるの?
 人生の運・不運
 ニート、フリーターは不利だ〜!
 その人にしかできない仕事
 自分の良さをアピールする
 問われる発想力
 指示待ち人間はダメ!
 無常識な若者たち もっと常識を身につけよ!
 未来のために種をまく
 気働きが出来るか
 テキパキとこなす心がけを!
 「先を読む」
 時間は自分で作るもの
 読むことと考えること
 石の上にも三年
 レアメタル争奪戦
 生きた証
 チャレンジ精神を!
 中国の躍進著しい  日本はどう対応していくか
 新しい出発・新しい決意を!
 反省と後悔では何も生まれない
 地域を支える一人に!
 社会人としてのマナー講座
  ◆遅刻・欠席・早退をしない
  ◆挨拶は良い人間関係の潤滑油
  ◆言葉遣いに注意
  ◆ 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
  ◆ 良い人間関係を作る
  ◆責任の自覚
  ◆社会生活のケジメをつける
  ◆気配りのすすめ
 思い通りにいかなくても我慢しなくてはいけないことは沢山あるもの
 現実と理想のギャップ
 技術力で勝ち事業で負け続ける日本企業
 外国資本をどう受け入れるか
 知恵をいかに売るかに知恵を絞る時代へ!
 会社を安易に辞めないこと!
 親への感謝の気持ちを忘れないように!
 君の夢は何ですか?
 己に克つ
 ストレス解消と趣味
 消費に甘んじず クリエイティブに!
 ピグマリオン効果

U

V

W

 日本の企業どうする
 日本企業へのエール  社会人としての基本的マナーを身につける
 人は見た目で判断される!
 自分で考える訓練を
 忍耐力を養う
 発想の転換が出来るか
 日本軍とレーダー
 やるべき時にやれるか否かも実力の内
 その場に最善を尽くす!
 私のことを分かって欲しい! 分かってもらえる努力が必要
 若者よ小さくまとまることなかれ
 大手企業にこだわらない
 キリギリスにならないように夏に充実した生活を!
 負け癖を付けるな
 日本の製造業は生き残れるのか?
 自己アピール出来ることは何か?
 働くとは自活すること
 たるを知る
 失敗から学ぶ
 秋の夜長に読書を
 「喜びを目標に変え頑張らせて欲しい」
 お金をもらうということ
 NHKスペシャル「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」をみて
 自分の将来に種をまこう
 ロボット人間になるな
 自分らしさを磨く
 世の中で必要な三つのC
 ナンバーワンよりオンリーワン
 「自分で考える」ことが大切
 チャレンジすべき時にチャレンジできるかが人生の分かれ目
 若いエネルギーを有効に活用を
 挨拶は人間関係の潤滑油
 時間はつくるもの
 デフレとはどんなこと
 人間気持ちの問題
 聞くは一時の恥知らぬは一生の恥
 計画力を身につける
 逃がした魚は本当に大きかったか?
 メモをとる
 人への感謝を忘れずに
 高校生マーチングバンドコンテストを見て
 自分で考える訓練を!!
 「傍若無人」とは
 「付和雷同」に注意
 親からの自立とこれからの生き方は?
 ひとを思いやる心
 叱られるとは
 早急な効果を期待する前に地道な努力を
 佐久間象山に学ぶ
 「先見性」と「洞察力」
 日本企業復活への願い
 叱られ上手になる
 笑顔の大切さ
 ミスはごまかさない
 失敗を恐れない!
 石の上にも三年 会社は安易に辞めないこと
 整理整頓の大切さ
 人生の貯金を!
 自分を良くするも悪くするも自分次第
 自分らしさを磨く  ・・・ 磨けば光る
 優しいだけでは強くなれない
 反復こそが習得への最短距離
 時間は貴重な財産


<著者略歴>
 1952年、長野県生まれ。1977年東京工業大学大学院社会工学専攻修士課程修了後、中学校の教師をかわきりに教職の道をとる。その後工業高校に移り、工業教育の在り方や日本の工業の在り方等を模索している。現在は長野県岡谷工業高校教諭。

著書 『工業教育再興』文芸社

    『グローバル化と日本の工業』文芸社

    『産業倫理』文芸社


 ホームページへ