讃美歌 224番 「勝利の主イエスの名 と」

 歌詞の作詞者チャールズ・ウエスレイ(Charles Wesley 1707-88)はメソジスト教会の創設者John Wesley(1703- 91)の弟であるが、数多くの優れた讃美歌を作詞しメソジスト運動の進展に大きく貢献した。英語讃美歌作者の中の王者と目されている人である。英国に於け るメソジスト運動推進の初期の段階でウエスレイ兄弟は、様々な迫害や困難に遭遇し他が、この歌は、そうした中で同信の人々を鼓舞するために1744年” Hymns for Times of Trouble and Persecution 困難と迫害の時のための讃美歌”と題して公にされた。1744 年は、後のメソジスト教会の組織的基盤となる毎年一回の合同会議(The annual Conference)が初めて開かれた年でもある。

 曲は、ドイツのPaderborn Gesangbuch、1765から英国のHymns Ancient and Modern、1916に
採用されたものだが、原曲(1765年当時)は少し異なる。The Hymnal 1982 Companion、 vol. IIIB (p. 1000) によると、18世紀に流行した曲で、 "Mein Hertz sey zufrieden  ー私の心は満たされていますー"
の歌詞で、次のような旋律である。
 

 更に、もとは民謡で、断定はされていないが1742年に出ていた模様。
1807年の Buschinig and von der Hagen's collection of German folk songs のヴァージョンの旋律は次の画像を参照。

Brahms の 編曲が "forty-nine folksongs" の第9番にある。

  Paderbornはドイツ中部地方にある都市の名前である。下記のホームページ(2010年現在、URL消失)によると、この曲の編曲者はSidney Nicholsonで、 Paderbornの礼拝堂で聞いた聖歌からアレンジしたとのことである。(上記Hymns Ancient and Modernに採用された。)

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