2017 年1月13日 福岡県秋月の背後に連なる古処山系3山を縦走(馬見山:978m 屏
山:927m  古処山:859m)
 
 
    馬見山頂から屏山(右端)、古処山(中央のピーク)を望む。ここから尾根筋をたどるが、屏山との鞍部はだいぶ下っているようだ。
後方は背振山系の山々。


 
 馬見山山頂近くにある「御神所岩」の巨石と祠。


 古処山系3山(馬見山、屏山、古処山)は、福岡県の朝倉市と嘉痲市の境に東西に並んでいる。北側には筑豊の平地が広がり、南側には小石原川の江川ダムが水を湛えている。
3山の標高は奥の馬見山から順に古処山へと低くなっているため、南側の栗河内集落から馬見山へ登り、屏山、古処山を経て秋月へ下るつもりであった。が、
前夜にネットで調べてみると栗河内地域は小石原ダム建設工事のため立ち入り禁止となっているとのこと。やむを得ず北側の南嘉穂林道の登山口から馬見山へ登ることとなった。
おかげで新しい発見もありなかなか面白いものであった。
 この山は、標高500mくらいまでは花崗岩にひろく覆われており、谷筋を流れる小川の水は澄んできれいである。
500mあたりを過ぎると層状に模様の入った
かなり古い変成石が現れてくる(古生代の「泥質片岩」というらしい)。上記写真の「御神所岩」もこの岩で、曲がりくねった筋が入っている。
さらに、屏山から古処山にかかる山頂付近には石灰岩の露頭が連なっており、変化に富む景色が作り出されている。
 また、古処山頂付近は天然記念物のツゲの群落が広がっており、石灰岩と相まって庭園のような景色であった。 



馬見山登山口9:20―御神所岩10:50ー馬見山11:25  11:50-宇土浦越12:20―屏山13:10―古処山14:00―秋月バス停15:45(全行程11.5km)


南嘉穂林道の登山口は、この先50m程の所にある。 この登山口にも栗河内コースが通れないことを示す看板が立っていた。 人工林の中を流れる谷側に沿って登る。水がきれいだ。
途中「風穴」と記された岩が現れた。耳を澄ますと岩の下で水音がする。この辺りでは伏流水となっているらしい。 足元に転がる苔むした「泥質片岩」。眺めていると一つ一つ模様や色が異なり面白い。 山頂近くで目の前に「御神所岩」の巨岩(左の岩)が現れる。登路は、この岩の左側をロープを頼りに巻き、岩の上へと登っていく。
馬見山山頂から北方向を望む。筑豊の盆地から玄海灘まで視界が広がり、遠くには平尾台の貫山も望めた。 馬見山山頂から東側には英彦山の山々が間近に望める。 馬見山山頂がら尾根筋をだらだらと下る(モッタイナイ!!)と、宇土浦越の鞍部に到着。道は十字路に交わっている。
宇土浦越から1時間ほど登り返すと屏山の山頂に着く。この山あたりは南北ともにかなりな傾斜で「屏山」の名前に妙に納得する。 尾根筋は九州自然歩道にも指定されておりよく整備されている。人工林が尾根近くまで迫っているものの風景は美しい。 道端から吠えかかる謎の動物を発見。
強風に抗いながら乱舞する魔物。 この辺りから石灰岩が現れだす。雨水に浸食された溝のある岩に緑の苔が付着しており、並んだ様は美しい。 古処山山頂付近のツゲの群落。茂みで道が狭くなり歩きにくくはあるが、苔むした石灰岩との取り合わせは日本庭園を感じさせる。
古処山山頂には仏像などが安置され、岩には経文が彫られており歴史を感じさせる。  記念に1枚。パチリ! 古処山から秋月方面への下りは急である。登山道が流れないよう石畳も組まれていた。写真は途中の水場「水船」。清水が湧き出していた。
途中で「背中を掻いてくれ!」と訴えてきた樹。 最後に「野鳥登山口」で国道322号線へと出る。秋月のバス停までは川沿いをもう少し下る。

 過去に登ったことのある古処山も、今回、馬見山、屏山と合わせて登ってみると、歩みにつれて山の表情が少しずつ変化していく中では、前回とは違った感じを受ける。
単体の山に登るのと、複数の山を歩く縦走とでは、同じ山でも異なる楽しみ方ができるものだと感じた山行きであった。

 小石原ダムの工事は始まったばかりである。当分の間は、3山縦走は東端の嘉痲峠からか、北側の嘉穂林道の登山口からかしか選択肢がなく不便である。
今回、嘉穂林道からの縦走では12kmほど歩き、秋月バス停から出発地点までは国道と林道をタクシーで移動したがとてつもなく遠かった。料金は4600円。とほほ・・・