この記録は青山さんのホームページにあるデジタルスペアナの作成を検討されている方、 作成中の方への参考情報です。作成中の方に少しでも参考になれば幸いです。
作成手順 1.既に作成された先輩達のホームページ(青山さんの紹介ページから)、青山さんの製作指南ページ上 の図、各種写真からレイアウトサンプルを入手、自分なりのレイアウトを決定。部品の寸法を確認し、 大ざっぱに穴開き基板に差してみる。 当初はPC(WINDOWS)上のCADでレイアウトを考えていたがそれが故障し、5ミリ方眼紙上での昔ながらの レイアウト書きを実施。(今は青山さんのホームページにある5連装タイプへの移行を考慮しすべて 作成し直し、現在の姿になった) レイアウトを真剣に考えず、実際の部品寸法に合せた配線の引き回しを考えなかったため、実際の 結線時に思わぬ苦労をすることになりました。特に表の部品面と裏の配線面両方の図は手抜きせず きちんと作成することが早道でした。ICのPIN間に配線を通すのは無理でした。無理せず、後で改造 することも考え結局ジャンパーでゆったり配線にすることを決定。 もっとも大事なことはレイアウト図の作成後に必ず配線図と比較することです。まず配線図を2枚 プリントし、早く半田付けしたい気持ちをぐっと押さえ、1日おいて再度チェック(比較)を行い ました。(赤鉛筆で回路図をトレース)
PC上でレイアウトするほうが手書きよりはるかに楽、”苦労”という思い出のみ残った。 パソコンの日々のメンテナンスは重要だとつくづく感じた。結局修理に約1ヶ月かかった。
2.実レイアウト、ハンダ付け
使い慣れた工具を使用した。板金用にドリルはもう少しパワーのあるものが欲しい。
1.で作成したレイアウト図、結線図を元に結線を開始。半田メッキされた電線を用いグラウンド と電源周りを配線。PCとのIO用10pinコネクタの方向に注意、逆さまに半田付けし、元に戻すのに 一苦労だった。セントロニクスのコネクタは既に半田付けして頂いていたのでそれがあだになった。 配線を行ううちにもっと良い引き回しを思いつく。その時はいさぎよく最短の配線に変更する。もち ろん他の配線への影響をかんがえ結線図を修正したほうが良い。 UVモジュールユニットのPINを間違えてずらして半田付けしてしまった。これは外すのに体力がいる。 一部穴開き基板のランドが剥がれてしまったので半田をてんこ盛りにした。TunerユニットのPINは 基板上で間違えないように挿入、半田付けしないとあとが大変です。
グラウンドはもう少し太めにしたほうがよいと思う(精神面、気分半分)銅テープを使い 全体にインピーダンスを下げたいところである。(成果は不明、ノイズ、スプリアスに効きそう?)
部品面を斜めから見たところ。 8bit DA(CXA1315P)は2Gの下になり、ソケット未使用。それ以外のICはすべてソケットを使用した。
当然部品の足は短めに、ダイオードは熱の考慮と、チェック用に若干長めの足とした。
3.穴開け、組み立て 青山さんの穴開け図に従い物差しと鉛筆で線描き、丸穴の中心にはポンチで印をつけた。 これはドリルのガイドとして必須の作業。(我が家のドリルは手持のため) 丸穴の拡張はリーマーを使用。20年近く前から愛用してる物でいまいち切れ味が悪く、 また久しぶりの使用で、手先が馴れておらずかなりの力が必要であった。結果的に、親指の皮を 直径1cm位むいてしまった。(古いリーマー使用時には軍手が必要かもしれません、注意!!!) シャーシパンチもしくは切れ味のよいリーマーがあるとよいと思う。アルミを甘く見るなかれ。
Fコネクタ付近、ケーブルは一本失敗。Fコネクタの圧着方法を知らなかった。手前のケーブルは 外の皮をむいて圧着してしまっている。奥のケーブルは外皮と編み線の間にコネクタをねじ込み、 まとめてペンチでカシメている。多分こちらが正当な圧着方法だと思う。心線は少し長めに出して 後でニッパーできったほうが良い。我が家のケーブルは少し心線が短めの様で、若干気になる。 将来を考えあと2連のモジュールがつけられるようにしてある。 電源スイッチ、LED等は省略。
セントロニクス36ピンの穴。ハンドニブラーが行方不明になった為、万力で押さえた後金鋸で 垂直に2ヶ所切れ目を入れ、基盤用カッターで水平にスジを入れた後、ペンチで折り曲げ切断。 その後平やすりで寸法を調整。その後、コネクタを実際に入れて両側に3ミリドリルでねじ穴を 確保。結果的には非常に早く穴が確保できたと思う。その横にファンの穴を開けようとしたが、 気持ちに余裕がなく今回は持ち越し。厚さが薄く12Vで動作する低音のファンを購入予定。
右手からみた足の位置。足をどこにつけるか特に指定がなかったので座りの良い場所に決めた。 足は4本。
電源側から見た足の位置、リングワッシャーを3枚入れて電源基板と本体基板を分離してある。 電源は面倒だったので本体基板に1個所穴を開け一体化してしまった。これでねじを節約。
基板を裏から見たところ。電源と一体化しているのがわかる。
全面パネルから見たところ。まだ表面のビニールは剥がしていない。
ケースに入れ上から見たところ。一応完成です。
4.接続テスト 電源ユニットの12V,5Vをテスタで確認。基板上の調整VRで5Vを5.5Vに上げ再確認後 本体基板に半田付け。ICを入れずに各部署の電圧をテスタで確認。 その後ICを入れ異常な発熱が無いことを確認。 青山さんのPIC書き込みソフトにてPC(某社Pentium 133Mhz,32M Memory LapTop)から ソフトを書き込み。正常に終了。DIGANAを起動したが青山さんや他の先輩の様な波形が 見られない。全体のレベルが異常に高く、結線を確認したが原因不明。スプリアスの レベルが高いためノイズの原因となりそうな引き回しを再確認。半田を大目に盛り直し インピーダンスを下げる努力をしたが結果はおなじ。 青山さんにメールで相談したところセンタ−=0MHz スパン=25MHzと センタ−=1500MHzのスプリアスが大きいのでUVモジュールのGain調整(ATTuv) を+−キ−で調整し波形が0MHzを中心にして 対称となるまで 下げ,その時のATTuv の値とBiasを調整しノイズレベルが目盛りで70から75になるように調整。 テキストエディタでBASE.DATファイルを開き、Bias(最初の値)、ATTuv(3番目) を修正してテキストとして保存しdefaultでその値が生きるように調整するよう指導して いただきました。 5.感想、結果 若干スプリアスレベルが高いのが気になりますが、それ以外は大満足です。今後どのように 発展していくのか楽しみです。まさか自分用の2GHzスペアナが手に入るとは夢にも思いま せんでした。願わくばスパン幅がもう少し狭くできると良いとおもいます。 青山さんのページの最新の回路図と私が作成した回路が若干異なるようですが(10Bit ADの In端子を2SC945がグラウンドに落とすロジックが最新のものには無い)我が家の物では 全く問題なく動作しています。 6.サンプルデータ ケーブルテレビの信号 某携帯の信号 FM放送の信号 PCR1000のスペアナ〔レシーバ+ソフトウエア)と自作スペアナの比較(ほぼ同一条件です) (PCR1000でのデータ取得〔画面表示)は20秒位、自作スペアナは瞬時でした) 7.追加記録 7.1 スプリアスへの挑戦(Nov.21.1999追記) 懸案になっていた10MHz付近のスプリアス低減に挑戦した。最も気になっていたPIC16F84 とADコンバータのシールドを図ることにした。
Scotch社(3M)のElectrical Tape(通称銅箔テープ,1cm幅)を秋葉原の鈴商で購入、900円。 PIC16F84,10MHz発信機、ついでにADコンバータも平屋の形に組み立てた銅テープで遮へい しGroundに接地。これだけでもセンタ0,スパン25Mhzの調整表示において10MHz付近の スプリアスが4db位減少。 見栄えは悪いが成果重視で我慢。基板を両面にして全面ベタ アースで作成された先輩がおられたが、それが大正解だと思われる。 7.2 スプリアスへの再挑戦(Dec.19.1999追記) 青山さんから再度ご指導を頂きPICの電源ラインに電解コンデンサを追加した。念のため セラミックコンデンサも並列接続をしてある。(10uF+0.01uF)
結果、初期の状態と比較して-20db位スプリアスが減少した。ここまで落ちると使用して いて安心感が持てる。予想通りPIC16F84のクロックがチューナモジュールに回り込んで いたらしい。パスコンは思いつくが電解コンデンサを追加する発想はなかった。電源 ラインをオシロスコープで見ておけばもっと早く気づいたと思うと残念。前回追加した シールド館は不要かもしれません。
青山さんのホームページアドレス
作成 1999年10月3日 更新 1999年12月19日