Si4735 DSPラジオキットの製作記録

関西エリアで電子工作の普及で活躍されているPUPさんの2020年末の頒布に反応し、
メールで連絡させていただいたところ、在庫あり頒布可能との連絡をいただき入手に至る。

表面実装部品が極少で難易度低、普通の電子工作キット経験者なら問題なく製作できる良キット。
ただし「製作手順書」は存在せず「製作注意資料」が提供されるので写真と想像力を働かせながら、
自分の製作技術を総動員して慎重に工作する必要あり。


製作段取り
1.ルーティン(routine)
  PC画面に基板レイアウトを拡大表示するため、両面基板をスキャナーで画像ファイル化。
  (毎回ルーペで基板のシルクやホールを確認するより100倍楽)
  基板を拡大して目視チェック、パターン切れやショートのチェックのヒントになる。
  製作注意資料の印刷。
2.工具準備
  温調はんだごて、ニッパー、ラジオペンチ、ピンセット、プラスドライバー、棒ヤスリ、拡大ルーペ。
  基板押え治具。
  定規、LCRメーター。
3.線材等の準備
  0.3oはんだ(細すぎて3mくらい消費! この倍くらいの太さのほうが楽)

 頒布していただいた部品。
・資料に記載されている部品リスト表と実部品のチェックを行ったが問題なし。
 しかし工作を進めていくと部品表の員数に誤りがあり、実際は10kの抵抗が
 1本足りない(欠品)ことが判明。
 手持ちの部品箱にキット同梱の部品と同じサイズの抵抗器があり不足問題はクリア。
・レーザー刻印したアクリル板の保護紙が強固で剥がれず。
 水に浸しても小さな文字に粘着している糊は取リ除けなかったが気にしない。

・基板の表と裏に取り付ける部品の区別や指定の記載がないため
 写真と基板のシルクチェック、推測力が必須。
メイン基板
シルクパターンに部品値が印刷されているため、部品装着時のミスが減る。
ランドもスルーホールもしっかりしており万が一のリワークでも問題なさそう。
メイン基板の表
・イヤホンジャックを最初に取り付けてその上の電解コンデンサーを取り付けないと、
 イヤホンジャックの取り付けで苦労する。 

・部品のホール穴に余裕があるので抵抗やコンデンサーは部品面から半田付けた。
・SMAコネクターはラジオペンチで少し隙間を狭くして基板に挟み込む。
 コネクターの着脱が頻繁に発生する可能性が高いのではんだの盛りは多め。
 過入力保護ダイオードの取り付けはコネクター側に予備半田してあれば容易。

・電源をOFFにするタクトスイッチ黒を0.5oくらいヤスリで削って短くした。
メイン基板の裏
・セラミックコンデンサー1個とインダクター3個がまさかの基板裏へ。 
・0.5oピッチのピンソケットはメイン基板の一番端にあるため、はんだ付けが容易。
メイン基板とラジオチップ・ドーターボード取り付け
Si4735チップ基板にピンヘッダーをはんだ付けして、メイン基板に直付け。
個人的にはここもソケットを取り付けたいところだが高さ問題だろう。

ドーターボードのi2C制御ラインのプルアップ抵抗の設定は問題なかった。
メイン基板裏とリチウムバッテリー制御・ドーターボードの取り付け
上下左右の方向に注意。
LCD基板表
LCDモジュールと基板の穴の位置が微妙にキツイため、慎重に所定の穴へ取り付け。
LCD基板裏
0.5oピッチピンヘッダーとバックライトスイッチは裏側へ。
マニュアルの写真が無いとスイッチは表に付けてしまいそう…。
最終的な組み上げ構造を理解すれば、各部品の取り付け面は想像できるはず。 
バッテリー、アンテナを取り付けて、アクリル基板でサンドイッチ取り付け。
 
動作チェック、すべて問題なし
・各タクトスイッチ
・スライドスイッチ
・ロータリーエンコーダー
・スピーカー、イヤホンジャック
・LCD表示、バックライトオンオフ
・バッテリー充電開始完了

性能確認
・アンテナ無しでMW放送/AM、FM放送放送の受信ができるほど高感度だった。
 いずれSSGで感度測定をしてみたい。
・音量は個人が机上で使うには十分な大きさ。
・操作性…多機能故少々難しい。 慣れが必要。

工作時間は延べ6時間、実時間は2時間半程度? 
作成途中に外部からの割り込みが多く、中断する毎に再段取りが必要…。
トラブルが皆無だったため回路図を参照することが無かった。
振り返ると、フラックスを一度も使わず一発取り付けのみだった。
頑丈な筐体とオールインワンなラジオに仕上がり、大満足です。


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