(2項分布)

確率 p で起きる事象が、独立な n 回の試行のうち k 回実現される確率は
     Pn(k) = [n!/k!(n-k)!] p^k (1-p)^(n-k)
で与えられる。これは
     g(x) = k= 0 to n Pn(k) x^k = [px + (1-p)]^n

の係数であることから「2項分布」と呼ばれる。g(x) は「母関数」と呼ばれるもので、期待値
     <k> =  k Pn(k) = g'(1) = np
     <k(k-1)> =  k(k-1) Pn(k) = n(n-1)p^2
を与え、k の分散は
     <(k-<k>)^2> = <k^2> - <k>^2 = np(1-p)
となる。

(例1)正常なコイン投げでは p=1/2 である。n=127投中、60% すなわち 76 回以上オモテが出る確率 r は
      r = (1/2^127) k=76 to 127 [n!/k!(n-k)!] = 0.016394...

となる。

(例2)今度は例1の127投ゲームを N=1000000 ゲームやったとき、60%以上のオモテが出たゲーム数の期待値はNr=16394、分散は Nr(1-r)=16125、したがって偏差は√16125=127 となる。

(例3)この16394回について次の1投でオモテが出る確率は1/2で期待値は 8197、偏差は 64 である。したがって、これに対して「オモテ」と賭けて勝つ回数が 8197±64 の範囲なら、正常なコイン投げの場合 50% 以上の確率で、8197±128 の範囲なら 90% 以上の確率で期待できることである。