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保険は貯金〜貯金も保険    似て非なる終身保険
終身はどこへ行った 一生一緒の保険料
学資保険の落とし穴 保険の見直し(1)
保険の見直し(2) 医療保険戦争







保険は貯金〜貯金も保険??

保険と貯金は分けて考えなさいという意見があります。
保険に貯蓄性を求めるのは筋違い、保険は保険で掛け捨てとして割り切って、貯蓄は別途考えましょう。・・・というのですが、私には少し異論があります。
『 保険は貯金の一種であり、また、貯金は保険の一種でもある。』
ことばの遊びと怒られそうですが私はまじめにこのように考えています。

貯金にはいくつかの目的があります。
手持ちのお金では今は買えない物を将来買うための貯金もあれば、将来の不測の事態に備えておくための貯金もあります。
将来の不測の事態に備えるために貯金を始めても、充分な積立が出来ていないうちにその不測の事態が起きてしまうかも知れず、そうした不安を解消するのが保険の役割のひとつです。

例えば、病気やケガで長期に入院する場合を想定して長期療養費用準備に毎月5千円の積立てを開始したとします。不幸にもたった1年目で骨折の大怪我をして3ヶ月入院して手術した場合、療養費用の貯金はまだ6万円しか貯まっていませんが、もしも同じ毎月5千円で給付日額7千円の医療保険に加入していたなら(30歳男性、某社終身医療保険7千円、60歳払い保険料5040円)、入院給付と手術給付合わせて80万円近くを得る事になります。
保険はある特定の状況に目的を限定した貯金の一形態であると言えます。

一方医療保険は一般的に入院や手術をした場合に目的を限定しているのですから、入院、手術を伴わない療養という事態には対応できません。(近頃はガンの治療でも数ヶ月通院で抗がん剤投与したのちに手術をするなどのケースも少なくありません)
長期入院が不安だからといって医療保険ばかりに沢山加入しても長期入院ではない不測の事態の際には一切役に立たないのです。ですから目的を限定しない保険、つまり貯金の意味をもった形の保険も必要なのだと私は考えます。不測の事態には保険と貯金(および貯蓄性のある保険)の両立てで備えるという考えが必要です。

また、子供が一人立ちするまでの時期には死亡保障を主な目的としてとして組み入れていた終身保険が、子供達の独立後には今度は親自身の介護費用準備の役割をも担うことにもなりますし、解約返戻金を利用した自前の年金として役立てることもできるとすれば、終身保険は立派な老後資金準備の貯金でもあります。
払ったお金が戻ってくるから貯金、掛け捨てだから保険、という一面的な捉え方で貯金の事を言っているのではないのです。

保険と貯金を区別せよという提言は、日本人の貯蓄好き性向を利用して契約を獲得しようとする保険屋さんのセールストークに対抗するためには良いアドバイスですが、反対に貯蓄性の無い掛け捨て保険(短期の高額死亡保障重視の保険)ばかりを売りたがっている保険屋さんを喜ばせる悪しきアドバイスとなる可能性もあります。

保険も貯金もお金を準備する手段なのであり、ライフプランの重要な要素です。
保険と貯金は相互に関連を持ち機能するものと認識して考えるべきだと思うのです。

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似て異なる終身保険?

皆さんは『積立利率変動型終身保険』と『利率変動型積立終身保険』の違いをご存知でしょうか。 え、これってどこが違うの? と感じるのが普通の感覚ではないかと思いますが、よくよく見ればこの二つは実は全く異なる種類の保険なのです。
この話はウケ狙いの重箱知識でもトリビアでもありません。この違いをちゃんと知っておかないと、お金の使い方を大いに誤ってしまうことにもなるのです。

積立利率変動型終身保険(A)はもともとが終身保険であり、保険料を運用する利率が変動した場合にそれに伴って保険金額や解約返戻金の額が変動する(最低保証あり)もの。
一方の利率変動型積立終身保険(B)は、初めから終身保険というのではなく、利率の変動する積立を継続して行って、払込が終了したときから終身保険がスタートする保険です。

まだ分かったようで分からない方も多いと思います。
この「利率が変動する」ということをちょっと横にどけておいて、保険の元の形を見ると、(A)は『終身保険』であり、(B)は『積立終身保険』なのです。

さて、終身保険は契約直後から生涯にわたる保障が始まり、その保障額は基本的に契約時の保険金額です。例えば30歳男性が某社で1000万円の(A)『終身保険』に加入すると60歳払い保険料月額は2万720円です。
仮に契約2年後に死亡した場合、この人は保険料をまだ24ヶ月分で約50万円しか払っていませんが、当然ながら1000万円の保険金が支払われます。

一方、同じ人が同じ保険金額1000万円の(B)の『積立終身保険』に加入するとします。60歳払いの保険料は1万8670円です。
この人が2年後に死亡した場合に支払われる保険金額は1000万円ではなく約50万円です。5年後なら約124万円、10年後で248万円・・・60歳までで744万円です。
積み立て終身保険では、その時点まで払い込んだ保険料の合計額に1割弱プラスされた金額が死亡時の受取額なのです。61歳以降から死亡保険金額はようやく1000万円になります。

つまり保険料払い込み期間中は保険ではなく積み立て貯金のようなものであり、払い込みが終了してやっと終身保険になります。

(A)は加入直後から一生涯の保障がスタートする。保険料月額は2万720円で60歳までに契約者が払う保険料総額は746万円。
(B)は60歳までは死亡時には払った保険料が戻る程度しかなく、1000万の生涯保障は60歳以降にスタートする。保険料はAに比べて約1割安い。総額は672万円です。

どのタイミングで何が起きるか分からない以上はどちらが得とは言えませんが、私はこう考えます。
生保の予定利率がかなり高い時代には、まずまずの利率で運用される資金として保険会社に積み立てておき、老後はその資金が元手となって終身保険が開始するというこの(B)のやり方は、なかなか魅力的な選択肢であったと思います。しかし、現在のように異常とも言われる低利率のものに、しかも数十年の長期にわたってお金を預け続けることは、たとえ保険料が1割程度安く済むといっても、ちょっと考え物だと思うのです。

また、この(B)積立終身の方は一部大手生保の主力商品の主契約として組み込まれているようですが、現実には積立部分に回る保険料は非常に小額であり(例えば全体の1〜3%)、これでは将来終身保険になるといっても30万円とか40万円とかではお話にならないように思いますし、相談案件の中には積立部分がゼロというケースも散見されるのです。こんなことでいいのでしょうか。

なお、話がますます分からなくなりそうですが、同じような名称の保険がもう一つありました。それは「終身移行保険」という保険です。さて、この保険は終身保険でしょうか。
もちろん違いますね。終身に移行することもできる保険です。
ところがこの商品のキャッチは「生涯設計型」となっています。

60歳まで何らかの形で積み立てていって、その資金を元手に60歳で終身保険に加入するというのですから、保険料は60歳で加入する終身保険の保険料になるでしょう。
先ほどのA、Bを試算した保険会社の保険料では60歳時の一時払い、保険金1000万円終身保険の保険料は約860万円となっています。
つまり、すこしづつ終身移行保険という名目の口座に積立てて、その金額が例えば860万円貯まっていたら60歳以降に1000万円の終身保険を確保できますということです。

さて登場した3つの形のどれが良いのでしょうか。
何度も言いますが、どれが良いとは一概には言えません。
まとまりがつかなくなって来ましたのでこの辺で止めておきますが、ひとつ強調したい事があります。

終身保険だと思っていたら、そうではなくて積立終身保険だった、生涯設計だというので終身保障だと思っていたら終身移行(することもできる)保険だった、というのが契約した後で分かったのでは話になりません。

こんなことは保険商品本体そのもののことなのですから、売るほうも買う方も契約前に明確に理解しているべき事のはずですが、実際には良く分からないままに契約してしまったり、よく分からないままに切り替えてしまったりしている例が大変多いように感じます。
(その一例が下の記事にある「終身が消えた」なのでしょう)
いやあ保険って、本当に良く分からないものですね。では済まされませんよ、実際。

(話の混乱を少しでも避けるために変額終身保険については触れませんでした。上記は全て定額の終身保険での比較でした)

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終身はどこへ消えた

終身保険が消えてしまった。」
という戸惑いと怒りを含んだ相談が時々舞い込みます。
キチンと保険料を払ってさえいれば、知らないうちに終身保険が無くなってしまうことなどあり得ません。では何故そうなったか?
原契約を解約して新たな保険に加入し直したり、転換等で内容を変更した結果、新契約や転換後の保険の内容が終身保険でなければ、結果的に終身保険が無くなってしまったということになります。

私は基本的に終身保険は大変有益な保険のひとつであると信じていますので、必ず終身保険を基礎部分の中心に据えたプランを提案します。最終判断はもちろん100%お客様の意思で取捨選択されるのですが、少なくとも終身保険についての考え方は必ずキッチリとご説明します。そして殆どのケースで金額の大小の差異はあるものの、終身保険をベースに据えた保障プランに落ち着きます。

ところが、現実にはこの終身保険を中心とした提案はあまり一般には行われていないようなのです。保険の見直し相談の方の中には、現在加入している保険会社の担当者から見直しを勧められているが、その内容がどうも納得行かない、という方がいらっしゃいます。

そういう不安もあってこちらにご相談に来られるのですが、提案されている内容をお聞きすると、前述のように終身保険が無くなってしまう形の提案になっている場合があります。
また数年前に保険を切り替えたのだが、やはりもう一度見直したいという相談も多く、そうした場合にも、切り替えた後の保険には以前はあった終身保険が無くなっているケースが少なからず見られます。

そこでインターネットで各保険会社のお勧めプランなどを試してみることにしました。
変額専門の保険会社及び破たん処理のみの会社を除いて、全生保会社のサイトにアクセスして試した結果、大きくわけて3つのグループに分かれることを知りました。

A・・お勧めプランというのはなく、保険商品紹介のコーナーに行くと、終身保険を他の定期保険や医療保険と同等に並列的に紹介している。
このグループに属するのは殆どが社名にカタカナやアルファベットを含む会社でした。所謂外資系、旧外資系です。2社ほどの漢字社名の生保も含まれます。

B・・モデルプランに終身保険が含まれている。
ひらがな社名の損保系7社と一部の漢字社名の中堅生保です。なお損保系7社のうち4社では保険料払い込み中の解約返戻金を低く抑えた低解約返戻金型の終身保険が中心でした。

C・・テレビCMで見た記憶のある特定の商品名が画像入りで大き目に紹介されている。
このグループは漢字社名の大手生保5社であり、これらの特定商品名のついた保険の内容は全てが終身保険を含まないタイプの組み合わせ保険でした。漢字社名の会社10社のうち、終身保険の無いタイプを中心にしているらしいところが8社で残り2社が所謂定期付終身であり、終身保険部分は100万円でした。

この結果から、終身保険の販売に積極的ではないように見える保険会社がかなり多いと考えるのにさほど無理はないと思われます。こうした傾向の大きな要因の一つとしてバブル崩壊後の生命保険業界の状況激変が挙げられると私は考えます。
生保の運用の見込みである予定利率が最高時の6%からずるずると下がり続けて、今年には1.5〜1.75%程度になってしまったことは周知の事実ですが、この予定利率の低下は養老保険や年金保険そして終身保険の保険料に大きく影響します。
その結果として終身保険の保険料は以前に比べて非常に高くなってしまいした。

平成5年頃までに30歳の男性が加入した保障額1000万円の終身保険の保険料月額は60歳払いでおよそ9000円弱でしたが、今(平成19年)では多くの生保で2万円超、比較的安いと思われる旧外資系生保の同等の終身保険でも1万8400です。また、60歳までの解約返戻金を低く抑えたタイプの終身保険でも1万7千円でした。(ネット上での試算〜損保系生保)
つまり終身保険の保険料はこの10年間で2倍以上にまでアップしてしまったわけです。

収入は上がらず物価は上昇傾向というこのご時世で、保険料が2倍になってしまった終身保険は確かに販売しにくいというのは容易に想像できることです。しかし、いくら保険料が高くなったといっても、必要な人にとってはやはり大事な保険なはずですから、重要な選択肢として、検討対象として示されるべきだと私は思います。

さて、無くなってしまったり、よく探さないと見つけられないようになっている終身保険ですが、どんなメリットがあるのかについて、別途コーナーで解説しようと思います。


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一生涯変わらない保険料

「保険料は一生変わらない」という宣伝文句があります。これはたとえば期間10年の更新型保険が10年ごとに保険料が上がってゆくのに対して、こちらは上がりませんよというある種の比較広告でしょう。私はこの宣伝文句を見るたびに「へええ、一生変わらないということは一生払うのかっ」と突っ込みたくなるのです。

保険期間が同じであれば、保険料払込期間が長くなれば、月々の保険料額は安くなります。ところが、そのかわりに生涯に支払う累計額は反対に高くなります。
保険料の目先の安さだけで決めてしまわないように慎重な検討が必要です。

例を挙げれば、30歳男性が入院給付日額1万円の終身医療保険に入ると、保険料月額が3580円。これが一生涯変わらない訳ですので保険料の累計支払額は計算が簡単です。
60歳までの累計額が129万円
70歳までで172万円
80歳までで215万円
90歳までで258万円になります。

さて、この人は90歳までにいったい何日くらい入院して、何回手術を受けるでしょうか。
勿論そんなことは誰にも分からず、人が一生に累積何日入院しているのかというようなデータは今のところ私の手元にありません。ひとつ分かっていることは、この保険では1回の入院に対して支払われる限度が60日分つまり60万円までだということです。

3ヶ月入院しても4ヶ月でも、規定上60日までが保障の限度です。
退院後、同じ病気が再発して入院したとしても180日以上が経過していなければこれも保障されません。(この180日というのはどのタイプの医療保険でも殆ど共通の規定です)

またこの保険は保険料を安く抑えるために死亡保障をゼロにしており、また解約返戻金もありません。30年も40年も経てば日本の医療制度は今とかなり異なっている可能性も高いでしょう。そうであれば医療保険も全く様変わりするかもしれません。もしも将来陳腐化してしまった場合には、この医療保険を解約しても一銭も戻りません。

仮に85歳までずっと健康で、長生きし、ホンの一月程度の入院で静かに死亡した場合には、結局この保険には236万円を投入し、30万円を受け取ってお役ご免です。
死亡する直前に3ヶ月4ヶ月の長期入院をしたとしても受け取れるのは2ヶ月分の60万円です。
そして、保険料は60歳とか70歳までで支払い完了しても保障は一生涯という短期払いの保険と違って、保険料が終身払いなので、継続するか止めるか、どちらかの選択しかありません。

私はこのような保険を否定しているのではありません。このサイトでは何度も出てくる表現ですが、安いにはそれなりの理由があり、そこを本当に理解してから選択すべきだということです。販売する側が強調する一面しか捉えずに決めてしまうのは危険だということなのです。

医療保険提案の際には、少なくとも「保険料終身払い」と「短期払い」の選択肢、「60日までの短期入院保障」と「120日、360日等長期の入院保障」の選択肢も提示されるべきであると思います。そして、一体トータルではいくらの支出になるのかも重要な検討要素です。


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学資保険の落とし穴?
  

ある人の講演を聞いて、なるほどと感心したので、その話の一部を紹介します。
学資保険というのがありますね。あれに加入しているお父さんがもしも死亡すると、その後お父さんが負担すべきだった子供の教育資金の一部を保険会社が負担してくれる。 生きていれば学資金の積み立てができ、死亡しても予定の学資金が保険の形で手に入ります。

学資保険に加入する理由はもちろん「子供のため」ですね。そして学資保険以外の生命保険にも子供が路頭に迷うことのないように「子供のため」に加入します。
当然のことながら学校へ通わせる費用も塾やお稽古事の費用も夏休みのレジャー費用も皆「子供のため」にです。少しでも良い学校へ行かせ、少しでも有利な就職ができるように様々なお膳立てをし続けることになります。

子供のための費用を捻出するために生命保険の保険料も安いことを最優先して、学資保険以外は短期の掛け捨て保険だけにします。自分達の老後のための貯金なんて後回しで、とにかく子供のためにお金を投入し続けます。

子供達はそのお陰でよい学校へ進みよい会社へ勤めます。良い伴侶にも巡り合い、良い家庭を築き始めたその矢先に、定年を数年後に控えたお父さんが急に脳梗塞で倒れて寝たきり状態。その後長期にわたる介護に疲れたお母さんも体調を崩して入退院を繰り返す。これまで全てを子供のために投資し、全てのお金を子供のために使ってきた両親には自分達を守るための貯金も保険も殆どない状態。結局子供達がその時間と資金を長期にわたって投入することになる。

もしも、子供が小さかった頃に、自分達夫婦の老後のために、長生きした時のために、長期療養したときのための備えを少しでも始めていたら、こんなことにはならなかった。子供2人の学資保険に払っていた毎月の3万円をこつこつと老後資金の積立に回していたら、結果として子供達の毎日をこれほど犠牲にすることはなったのではないか。、、、、、ということもあり得るでしょう。という話です。

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保険の見直し

『保険の見直し』というキーワードでWEBの検索をするとどれほど多くのサイトが見つかることか。グーグルで検索してみたところ約49万件のサイトがズラリと出てきました。(ヤフーでは800万件でした)
沢山の人が「保険の見直し」のキーワードで検索をしているということと同時に、非常に多くの保険営業関係者(営業マンや保険代理店など)が「保険の見直し」を重要キーワードと考えて、営業用のホームページやブログなどにこの語句をキーワードとして登録しているのでしょう。「保険の見直し」はいまや保険営業のセールストークの代表格と言えそうです。

「保険の見直し」とは、加入している保険の内容に疑問を感じて、内容の再検討をしたくなった場合や、あるいは加入当初と大きく家計環境が変化して、現状に合わせて保険を組替える必要が出て来て行うものです。
当たり前ですが、既存の物事を点検して改善し、前よりも良くするのが本当の見直しです。

ところが、実際には見直しと称して結局は新たなる「売りたい保険」を売りつけるだけの単なるセールストークとして利用されている場合があります。良かれと思って行った見直しの結果が、前より悪くなってしまうこともあるのが実情のようです。
そこで、改善のはずが改悪となってしまわないために保険見直しのポイントを整理してみました。

◆必ずしも全ての保険を切り替える必要があるとは限らず、今までの保険を一部残して継続しつつ不足部分を見直すことも充分に可能なはず。

◆払済、減額、転換、変換の違いと予定利率の説明をキチンとできないものは保険のプロとは思えないので信用しない。

◆満期に伴う更新で保険料が上がるからと言って、慌てて何かをするのは危険。落ち着いてじっくり見直すことが大切。

◆新商品を薦められたら今の保険との予定利率の違いを聞いてみよう。 予定利率の高い頃の保険は継続したほうが有利である場合も多い。

◆見直すということは年齢アップしているのであるから、仮に同等の内容の保険であれば基本的に保険料は上がるはず、という原則を忘れない。

◆見直し契約時点のものだけではなく将来の保険料も確認すること。

◆今までの保険と新商品との比較だけに目を奪われず、自分のライフプランと保険との整合性の検討を優先する。新商品が自分にとって合理的な保険とは限らない。

◆なんとなく不安を感じている言葉でその気にさせられないこと。
たとえば「年金」「老後」「積立」「見直し」「割安」などなど、、、イメージ先行は危険です。

◆「ファイナンシャルプランナー」の多くは実は普通の営業社員であることを思い出す。

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保険の見直しPART2

保険の見直しという言葉が一人歩きしている様相が見受けられます。安易にこの見直しのお薦めに乗ることの無いように、もうひとこと言いたくなりました。
たとえば保障額5000万円の定期付終身保険に加入している30歳の男性に、某カタカナ生保マンが出会ったとします。

今15,000円の保険料はこのままだと10年毎にアップして50歳からは4万円以上にも跳ね上がり、60歳で保障は殆ど無くなり、入院保障を80歳まで続けるためには60歳時に100万円も払う必要があり、そして60歳以降の保障は150万円だけになってしまいますよと力説します。

そして60歳時には解約返戻金が支払った保険料総額を上回ることになるという終身保険に切り替えるよう説得したとします。遺族厚生年金があるし、住宅ローンは団体信用保険が付いているし、こんな高額な死亡保障は90%は生きているはずのご主人には必要ないでしょう。これからは長期的に老後の資金作りも視野に入れた終身保険がベストです。格付けも上位ですので安心です。保障額が下がりますが、そのかわり事故死亡の時だけは高額の4000万円にしておきましょう。

さて、保険料は少し高くなるものの、確かに死ぬ確立は非常に低く、色々聴いていると掛け捨ての保険料はもったいない、奥さんにひと言「換えるから」と言って、長期展望のライフプランに基づいて?・・1500万円の終身保険に切り替えました。

その1年後、どうしたわけかご主人の会社の健康診断で大腸ガンが発見され、すでにかなり進行しているということになった。延100日入院してとりあえず退院した時に奥さんが保険の請求をすることにした。
保険を切り替えた時に医療保険にも加入していたので入院給付等で70万円ほど給付を受け取りました。ところが保険証券を整理していて、以前に加入していた定期付終身保険の説明書が出てきて、それを見た奥さんは愕然とする。

前の保険には「ガン特約」というのがあって、もしこれに入っていたら今回の入院で200万円もらえていたはず。なんだかんだとお金が掛かっているのでこの差は大きい。しかもよく見ると死亡保険金は5000万円、入りなおした終身保険の保険金額は1500万円であることを知って不安な気持ちに、、、。

その1ヵ月後にご主人は不幸にして亡くなくなってしまう。病気死亡なので保険金は1500万円。
『もし1年半前のあの時、主人があなたにお会いしないでいたとしたら、私は内容を聞いていないからよく分かりませんけれど、あのままだったら保険金は5千万円だったのでしょうか。保険の見直し などしなければ良かったのに・・・』
と5歳と7歳の子供を横に抱えた未亡人に目の前で泣かれでもしたら、この営業マン氏には一体何ができるのでしょうか。

契約者も被保険者も亡くなったご主人であり、その契約者の意志でこの保険に切り替えたのだから、契約者が納得して換えたのだから、法律上はおそらく問題はないでしょう。だからといって受取人であるこの未亡人に対して営業マンに責任は無いのでしょうか。何が起きるか分からないのだから、保険の世界は、事がおきてから何を言っても結果論である、仕方がないことだと言い切れるでしょうか。

問題なのは、奥さんが保険の切り替えについて内容を理解していなかったことです。保険は家族の財産です。夫婦で話し合って保険の内容の変更について吟味しなかったこと、変更することによるメリット及びデメリットを充分に理解していなかったことは非常に大きな責任問題だと私は思います。保険は説得されて入るべきものではありません。説明を受けて、疑問点を解消して、自分達で納得して選ぶべきものです。

パンフレットや約款の内容や契約内容の説明だけが販売者の責任なのではありません。保険が請け負うことのできるものはなにか、家庭のリスクはどんなものなのか、保険で何ができて何ができないのか、結果として保険の切り替えになるような場合には特にこうしたところに気を配って、契約者がキチンとイメージできるように話をしなければいけません。

この例のようなことは決して例外的ではなく、充分にあり得ることだと思います。そもそも先が読めないからこそ保険が存在するのです。保険の販売は非常に重い責任を常に自覚していなければできない仕事なのです。
そういう重さをいつもひしひしと感じている私には、「キャンペーン」という感覚がどうしても理解できないのです。(ちょっとそれましたが)

「保険の見直し」はおそらく多くの人にとって必要なことでしょう。しかし、「安易な見直し」は絶対にしてはいけないのです。

※この話は実話ではありません。しかしきっとあちこちで似た様なことが日々発生しているような気がします。怖いです。

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医療保険戦争

医療保険というのは業界では第三分野商品と言われて、ここ数年のトピック商品でもあります。ほぼ外資系生保の独占状態が守られていたこの分野が数年前から全生保に開放され、その結果各社が色々な商品を発売しています。さらに今年からはなんと銀行の窓口でも医療保険が販売されるようになるのです。

保険は死亡保障重視から生きるための保障重視に価値観が変わりつつあるとも言われています。医療保険は時代に合った重要な保険商品ということになっているようです。まあだからといって医療保険は医療保険なのであって、それほどまでに画期的な、利用者にとってありがたい商品なのかと言えば、少々疑問に思うのです

いまでは多くの保険会社から発売されている最近の医療保険の目玉は「1泊2日」あるいは「日帰り入院」から対象になるというもの。
従来は4日まで免責、つまり5日以上入院しないと給付金が払われないのが主流、10年以上前には7日まで免責も普通でした。それが1泊2日など短期入院でも給付されるわけですが、これがそんなにありがたいものかどうかは微妙なところでもあります。

例えば5千円の医療保険の加入者が2日入院して給付金を請求すれば1万円もらいます。お医者さんに書いてもらう診断書は無料の場合もたまにあるようですが多くの場合に5千円〜8千円ほど証明書発行手数料を取られます。
ですから手元には5千円、最悪2千円しか残りません。その診断書を依頼するために病院へ行った交通費を計算した場合はもっと寂しい結果です。新商品では短期入院が対象となるからといって、それだけで飛びつくのは考えものと言えるでしょう。

保険屋さんは、入院は1週間程度の短期入院が多くを占めているといっては1泊2日型を売り込みますが、長期入院こそ経済的な危機になるといっては1000日までの保障をアピールすることもあります。
保険会社や保険屋さんは売り込む商品の特性に合わせてデータを使い分けているかもしれません。その場その場で主張の中心が変わり、一体何が最も大切なのか分からなくなる一方です。選択枝が増えたということは良いことに違いありませんが、選択するのはあくまでも利用者、消費者の側なのです。

医療保険選択の要素はいくつかあり、それらを組み合わせながら、しかも予算との兼ね合いで決めるとなるとなかなか容易ではありません。
医療保険選択のポイントをブログでも確認してみて下さい。




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