ライフプランとかファイナンシャル・プランニングと聞くと、何やらややこしい経済学の一分野のような印象を持つ方もおられるでしょう。 確かに近年「ライフプラン」という講座を持つ大学もありますし、「ファイナンシャルプランナー」は国家資格にもなっています。(ファイナンシャルプラン技能士)
しかし普通の庶民がその生活の向上のために取り入れる場合には、あまり難しく考えてしまえば敷居が高くなるばかりです。
そもそもFP(ファイナンシャル・プランニング)という概念自体がアメリカからの輸入であるため、この世界の言葉にはヨコモジがよく登場します。 ライフプランは文字通り「生活設計」なのであって、従来からある「家計の管理」であるにすぎないとも言えそうです。 本当は特に英語表現を使う必要はなく、ひょっとすると保険や証券、銀行などの営業セールストークをもっともらしく装うための表現だったりするかも・・・(^_^;)
『生命保険の営業の○○でございます』 よりも 『ファイナンシャル・プランナーです!』 のほうがなんとなく売り込みでは無いような印象を与えられる??ということなのかもかも知れませんね。
それはさておき、日々の生活費節約とか、コツコツ貯金とか住宅購入のための資金計画など、従来から賢明な主婦の皆さんが行っている「家計のやりくり」に、少しばかり周辺知識を加え、中・長期的展望に立つことを心がけ、冷静に合理的に資金計画を検討することがライフプランである、という感覚で良いのだと思います。難しく考えすぎていつまでも手を着けずに時が経過するのでは意味がありません。
ライフプランで最も重要なことは「とりあえずやってみること」「考え始めること」だと私は思います。
それでは、ライフプランを実行するための基本のステップを見てみましょう。
ライフプランニングの大きな柱は次の3つにまとめられると思います。
■ライフイベント表で将来予測される資金額とその時期を把握する
■キャッシュフロー分析で収支バランスを考えた資金計画を建てる
■リスクを把握して万一の場合の対策を検討する |
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ライフイベント表を作ってみましょう
将来に亘って家族の各人に起きる可能性のある生活上の出来事や変化などをライフイベントと言います。
そのうち、住宅など高額の買い物とか、子供の入学・進学時など一時的な支出の増大などに注目します。その資金の準備はいつ頃からどんな手段で始めるのかについて、月々の生活費とのバランスを考えながら検討することが必要です。 一方、現在および将来の収入の推移についても把握する必要があります。
そのために「ライフイベント表」をつくることがまずは第一歩です。下の画像はライフイベント表の例です。各人のイベントの予定時期と、その際に必要な支出を表の上に書き込んで見ましょう。
★ライフイベント表のイメージはこちら★ |
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キャッシュフロー表で将来の収支バランスを把握
またもや「もっともらしい」カタカナ語で恐縮です。具体的なライフプランニングはライフイベント表を元に、収入と支出のバランスとその時系列変化を把握することから始まります。
毎年の収入から固定的支出を引いた金額を貯蓄として積み上げてゆき、その積立金で将来の各人のイベント支出を賄えるのかどうか。反対に将来の高額の買い物の費用はいつの時点からどのくらいづつを貯めてゆくべきなのか。住宅ローンなどの返済金額が収支バランス上無理はないのか、などなどをひとつひとうt検証してゆく作業がライフプランニングのスタートということになります。
こうした収支バランスの把握はエクセルなどの表計算ソフトで作ってもよいのですが、最近は金融機関のウェブサイトやFP事務所などである程度のシミュレーションが出来ますので、色々と試して見てもいいでしょう。ちなみに、私の事務所でも個別のキャッシュフロー表等の作成は可能です。
しかし私の考えでは、このキャッシュフロー分析も「すべては仮定のはなし」なのであって、実際には大きな経済状況の変化で前提が大きく崩れる可能性もあります。 物価変動や収入の激変などがあり得る訳ですから、あくまでもこの表を見詰めながら色々なリスクの可能性をまずは知る。そして、その対策を検討するための選択肢を検討するきっかけにする、というのが限界であろうと私は思います。
計画作りは必要ですが、人生は計画通りには進みません。
ライフプランの最も重要なことは、
「考えずに流される毎日から脱却し、時々立ち止まって家計の将来を見つめてみようとする習慣作り」だと思うのです。
★キャッシュフロー表のサンプルはこちら
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綿密に建てられた計画も現実化できなければ意味がありません。
そのためには、将来の事情の変化に対応してゆくためのメンテナンスと、なんらかの不測の事態が起きた場合でも計画が大きく崩れてしまうことのないようなバックアップ対策とが必要です。
資金準備計画は家族が全員無事でいることを前提としていますが、万一の事態が起きてしまった場合でも一定レベルを維持するとなると、「保険」という手段を検討することが必要です。
保険といっても医療保険やガン保険、年金保険といった民間の保険商品だけではありません。 基本的にすべての国民が加入できる保険である「社会保険」(状況によっては「社会保障制度」)、勤務先や職業組合などで構築されている共済制度や企業年金などの制度なども「広い意味での保険」です。
ど素人のサラリーマンから転職して保険営業に携わり、保険会社を退職して独立FPとして開業した私は、社会保険やら生命保険やらの分かりにくさも実体験していますし、20数年経過した今では一応プロでもあります。
「広い意味での保険」の活用を軸として、正しい知識と最新情報を自らのライフプランに生かしてゆくためのアドバイスを適宜行うのが私の本業です。
1999年末に開設した私のホームページには、今や時代にそぐわない内容も含まれますが、出来る限り最新の情報に入れ替えながら、ブログとも連携して展開しております。
ライフプランという発想を中心にして、自立と共生の温かい人間社会、自分の将来を自分で決める豊かな人生の設計に少しでもお役に立てれば幸いです。 |
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