学資保険の落とし穴・・・             

学資保険というのがありますね。これに加入すると15歳とか18歳とかの進学年齢になると一定のお金を受け取れるのでこれを学資金にしましょうというものです。
保険ですので、契約者であるお父さんが死亡した場合には、その後の保険料は免除されて、所定の学資金は同じように受け取れます。
つまりお父さんが生きていても死亡しても予定通りの学資金を用意できるという訳です。
積立と保険の機能を兼ね備えている貯蓄型の保険です。(勿論契約者はお母さんでもOKです)

学資保険に加入する理由はもちろん「子供のため」ですね。そして学資保険以外の生命保険にも子供が路頭に迷うことのないように「子供のため」に加入します。
当然のことながら学校へ通わせる費用も塾やお稽古事の費用も夏休みのレジャー費用も皆「子供のため」にです。少しでも良い学校へ行かせ、少しでも有利な就職ができるように様々なお膳立てをし続けることになります。

子供のための費用を捻出するために、両親が加入している生命保険の保険料も安いことを最優先して、学資保険以外は短期の掛け捨て保険だけにします。
自分達の老後のための貯金なんて始める余裕は無く後回しとなり、とにかく子供のためにお金を投入し続けます。

子供達はそのお陰でよい学校へ進みよい会社へ勤めます。良い伴侶にも巡り合い、良い家庭を築き始めたその矢先に、定年退職したばかりのお父さんが急に脳梗塞で倒れて寝たきり状態。 その後長期にわたる介護に疲れたお母さんも体調を崩して入退院を繰り返す。
これまで全てを子供のために投資し、全てのお金を子供のために使ってきた両親には自分達を守るための保険は殆どない状態。 会社の退職金は住宅ローンの返済に消えた。
結局は子供達がその時間と資金を長期にわたって両親の介護のために投入することになる。

もしも、子供が小さかった頃に、自分達夫婦の老後のために、長生きした時のために、長期療養したときのための備えを少しでも始めていたら、こんなことにはならなかった。
子供2人の学資保険に払っていた毎月の3万円をこつこつと老後資金の積立に回していたら、結果として子供達の毎日をこれほど犠牲にすることはなったのではないか。、、、、、ということもあり得るでしょう。という話です。

「子供のための○○保険」というイメージだけに捉われていると、こんなことになってしまうかもしれません。親が長生きしても子供に世話になるのは最小必要限度にとどめられるように、自立老後を実現するための長期計画が必要ですし、商品選択は長期のライフプランの中で決められるべきなのです。

なお、好金利時代には充分に貯金代わりになっていた学資保険も、超低金利である最近の商品では元本割れもものも多く存在するのです。ますますイメージで判断すべきではない商品なのだと言えるでしょう。



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