保険じゃないけど保険             

保険ではないけれど機能としては立派な保険のようであるもの・・・
一番簡単なのは貯金ですね。 しかし、普通の貯金ではダメです。 「この貯金は病気療養が長期化した場合限定で遣ってよい貯金」とか、「要介護状態などになったときのための貯金」、というように分けておく必要があります。

もちろん、貯金はあくまで貯金であり相当に高い利率で増えない限りは保険のような「テコの効果」はありません。 また、貯金では底を付いたらおしまいだと言う意見あるでしょう。 しかし、限度なく払われ続ける保険などはガン保険を除いてはあまりありません。

次に、人脈です。
優秀で、しかも最新事情に詳しく、思いやりがあり、しかも人望が厚く幅広い人脈をもった医師がもしも友人であるならば、こんな心強い味方はありませんね。医療保険に入るよりもこの方がよほど有効ではないかとさえ思います。

医師や弁護士に代表される特定分野の専門家が友人知人にいれば大変に心強いでしょう。
直接の友人でなくとも、多くの友人がいて、彼らと友好な関係を築いていることがこうしたことに繋がるでしょう。
自分のリスクヘッジのために友人を持つのかと批判されそうですが、そもそも人間はひとりでは生きられず、助け合って暮らしてゆくべきものでしょう。多彩な人脈が困ったときに力になってくれることは間違いありません。

家族の相互理解も、有るとないとでは大きく違ってくる保障のようなものですね。
家族の暖かい介抱が病気を早く直す力を生むでしょう。しかし、そのありがたい家族が看病などで疲れきってしまうことを防ぐためにも、やはり保険が必要だと思いますが。

保険と認識されていないものでもっとも保険に近いのは公的年金ではないでしょうか。
年金は一般には老後のためとしてしか認識されていないようですが、老齢年金に加えて身体障害となった場合の障害年金、夫が死亡した後の遺族年金の存在を知れば、これはもう完全に保険です。ちなみに厚生年金の法律上の正式名称は「厚生年金保険」です。

最後に、これこそ保険だと言いたい事があります。それは経済的な自立を継続できるだけの収入の道を確保することです。
このサイトで何度か紹介した「投資戦略の発想法」にも先ず第一に投資すべき対象は自分自身である、という指摘があります。

勤務先などの組織から仕事を与えられているだけなのではなく、自立意識をもち、定年後も自分で収入を確保するための準備を始めること、自分自身で仕事を見つけ、こなしていくだけの情報力、人脈、動員力を積み上げてゆくこと、そしてそれを継続するだけの体力、健康を維持する事、これらの努力を早くから始めることこそが最も有効且つ確実な将来の保障だと言えるでしょう。 


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