内部告発            

ニュースで、ある有名ブランドの缶詰商品のにせもの事件が報道されたことがありました。サザエの缶詰として売っているが、じつは中身はサザエではなくて南米産の「アカニシ」という貝であるというのです。こういうニュースを見聞きするたびに思うことですが、一体どうしてばれてしまったのかです。普通分かんないでしょう。

大体数ヶ月ごとに摘発されている各産業界の資金流用事件、談合事件や、地方議員とか公務員の汚職事件の類に関しても同様のことを感じます。 先日も国の機密費を外務省の役人が使い込みしていたことが発覚しました。

こういう事件がどんどん明るみに出る背景として、各界で「内部告発」が増えていることがあるそうです。昔なら知っていても皆知らないそぶりを最後まで通していたのに、最近は以前ほど身内の秘密がガードされなくなっているようです。
個人の価値観の多様性もあるでしょうが、なにより組織の求心力の低下が大きな理由ではないかと思います。

どんな嫌なことや常識的に見て「やばそうな」ことも組織の目的に対しての一つの必要な手段なのであって、そのことは決して外部に漏らしてはならず、そういう秘密を共有していることがその組織のメンバーの団結力にもつながり、そこをうまくクリアーすることが出世に結びつく、というようなことは会社勤めの方や組織の一員である方にはよく理解できる話でしょう。
そのことを世間に公表せざるを得ない立場におかれる、なんと自殺してしまう人が最近でも時々現れます。

でも、そうした「胸にそっと収めてしまう」ことを止めてしまう人や、さらには積極的にばらしてしまう人が最近増え始めているようです。胸に収めて、じっと口を閉ざし、我慢しつづけた人達を最終的にはキチンと面倒を見る余裕のある上司、組織のトップが少なくなっており、一方では情報を売ることで自分を馬鹿にした会社や上司を陥れ、お金も手にするというケースも多いのではないでしょうか。

いつも人と平等に接し、明朗快活に振舞い、できる限り親切にして、自分の責任をキチンと果たす毎日を送っていさえすれば、内部告発されて一生棒に振ることもないと思います。
それにしても告発されそうなことをやったことが全く無い人は、非常に少ないとおもますよ。
私もサラリーマン時代に、、、、、・・ああ怖いですね。



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