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クラシックというと次のように感じる人が多いのではないかと想像します。 イメージとしては・・・難しそう、ヨク分からない、高尚な趣味、お上品、やたらと長い、気軽に聴けない等々、どう見ても親しみ易さとか気軽な楽しみからは程遠いイメージではないでしょうか。 思うに、小学校や中学校の教育現場での教え方がこのような偏ったイメージを植えつけてしまったのではないかと感じます。音楽の先生方はみんな少し反省して頂きたい。役所の作った教育方針等のせいにせず、もっとそれぞれの現場で工夫をして頂きたいと思うのです。 クラシックだって本当はそんなに偉そうなものではないのにねえ。 クラシックだろうとJAZZだろうと、音楽っていうくらいだから本来は「楽しむ」ものなんでしょう。 それを、やれ古典派とロマン派の違いだの曲名とか作曲家の名前とか曲名だとかの歴史の暗記ものの授業みたいなのばかりだったり、32分音符だのへ音記号だの数学の如き理論から入ってみたり、そりゃあ基礎知識は知っていた方が良いのでしょうが、一番大事なのは「音を楽しく感じる」ことでしょう。まずそっちが先ですよね。 音楽教師のかたは本当にそのあたりをもっと考えて頂きたい。 それとも、難しいということにしておかないと自らの地位が危ないとでも思うのでしょうか。 私の音楽鑑賞趣味の変遷を披瀝したところで何にも面白くないでしょうけれど、ざっと振り返ると、幼少期のクレイジーキャッツ(スイスイスイとか)から始まり→ベンチャーズ→加山雄三→和製クループサウンズの数々→ビートルズ→ボブディラン→高田渡→加川良→吉田拓郎→ユーミン→初代オフ・コース→ニール・ヤング→エルトン・ジョン→ビリー・ジョエル→サザン→チックコリア→コルトレーン→山下洋輔→バックハウス→ルービンシュタイン・・・・というような感じです。(最後の二人だけクラシックの巨匠で故人) 実に何の脈略も関係も無いのですが、最近はまっているのがクラシック、特にベートーヴェンのピアノ曲なんです。「最近ベートーヴェンにはまっている」、これを言うのに何行も費やしてしまいましたが、つまり、クラシックを本当に心から楽しく聴くようになるのに随分と年月が掛かったというような事を言いたかったのです。 きっかけは母の誕生日にベートーヴェンのピアノソナタ全集(バックハウス)を贈ったことでした。プレゼントしておきながら、そのCDを借りてきて全曲を録音して、今では、このピアノソナタはパソコン経由でMP3ファイルのライブラリーとなっています。 (まことに便利な世の中です。このコピーやファイル化等についてはCD販売会社にメールで違法ではないとの確認をもらいました。堂々たる個人使用です) 当たり前ですが音楽の好みは人それぞれで、なんであれがいいの?なんて感じることもありますが、過去に植えつけられたイメージによって、なんとなく避けてしまっていて、ひょっとしたらとても素晴らしい世界なのに体験すぜにいる事もたくさんあるでしょう。 歌舞伎、落語と同様にこのクラシック音楽というのも、非常に奥深く楽しめる世界であるのに、勿体無いことに食わず嫌いでいる人の多い分野ではないかと思って、ちょっと書いてみることにしました。 ベートーヴェンのピアノソナタ クラシック音楽を聴き始めたといっても、まだまだほんの入り口を入ったばかりのところをウロウロしている程度の段階ですが、とりあえず今はベートーヴェンのピアノ曲、特にピアノソナタを中心に聴き続けています。 クラシック音楽はその名の通り古典ですから古い録音が沢山あります。古い録音のCDは安く手に入るという利点があります。 基本的に録音が古いほど安い訳ですが、古いもののほうが内容が良い場合もあるのがこの世界の面白いところです。 ジャズの世界でもよく言われますが、クラシックでも「歴史的名盤」というのが沢山存在しています。 1950年代にステレオ録音が始まってから以降に造られたCD(もちろんアナログレコードをデジタル化したものです)なら、そんなに音質が悪くないものが沢山あって、しかも、今は亡き世紀の大巨匠の名演奏が大変安い金額で手に入るのです。 最新流行の演奏家のCDは高いものは4000円近いものもありますが、60年代録音のものなら1000円で手に入るCDも沢山あるのです。 ベートーヴェンのピアノソナタは25歳から52歳にかけて27年の間に全部で32曲作られました。それぞれ2〜4楽章構成で1曲の長さは6分位の短いものから、最長は25分ほどまであります。(もちろん演奏者によって長さが変わるのですが…) その中でクラシックファンでなくても知っているような有名な曲が3大ソナタといわれる8番、14番、23番です。それぞれ通称名があって、悲愴、月光、熱情です。 私もちょいと聴いてみようかしらとお思いの方には、まずこれから聴き始めることをお勧めします。 3曲共に全体的にわかり易いというか大変にメロディアスで、どこかで聴いたことがあるメロディが含まれています。叙情的であり情熱的であり技巧的にも凄さを感じて、じっくり聴きこむと必ず何らかの感動を覚えるはずです。 この3曲は古今東西非常に沢山の演奏家が録音をしていて、従ってかなりの数のCDが販売されています。大きなCDショップなら最低15枚以上はあるでしょう。 まだ聴いたことがないという方には、沢山あるそれらのCDの中から最初の1枚として次のCDをお勧めします。3大ソナタに1曲加わり、4曲です。 「ベートーヴェン・4大ピアノソナタ集」 演奏:ウイルヘルム・バックハウス 8番:悲愴、14番:月光、21番:ワルトシュタイン、23番:熱情。 1958〜59年録音、ユニバーサルクラシック 価格:1000円。 このCDはアマゾンやらクラシックファンのウエブサイトや、雑誌、CD紹介本等々でも常に上位に挙げられる人気版ですが、あまりに皆がヨイヨイというので逆に疑問を持つ方もいるほどです。 しかし、私はやはり最初の1枚としてはこれをお勧めします。 だって、仮にあまり感動しなかったとしても、1000円です。私の場合は1000円で心からの感動を味わいましたし、そしていつでも私のベストCDです。 暫く聞き続けた後、楽譜を買ってきて、時々楽譜を見ながら聞くこともあります。 ピアノを習っていたのは40年近く前なので、私は殆ど楽譜は読み込めません(見ただけで即座に分かるのはハ長調の「ド」だけです)が、それでも音程が上がったり下がったりしていること位は分かります。楽譜を懸命に追いかけながら聴いていると、どうやって弾いているんだろうとか、なんだかよくはわかりませんが、物凄いテクニックのようだと想像できるのです。 こんな聴き方もあるというだけの話しです。 とにかく、是非とも1000円出費して、クラシック音楽の深く広い世界の入り口にちょっと立ってみてください。 ひょっとすると、一生の趣味が見つかるかもしれませんから。 ・・・ピアノソナタから始まったクラシック音楽ですが、ピアノ協奏曲⇒ヴァイオリン協奏曲⇒弦楽四重奏と拡張し、今では交響曲も聴くようになり、おかげでまた楽しみが増えました。 5GBのハードディスクプレイヤーにたくさん録音して聴いております。 |