令和8月発行 No.7 フード・セーフティー
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なんといっても鮪 日本人はマグロだね
日本人は世界一鮪が好きな民族です。その鮪の漁は、奈良時代にはすでに確立されており、マグロ自体はシビと呼ばれていました。全国には鮪に関連した地名(大分県佐伯市鮪浦・宮城県本吉郡唐桑町上鮪立・秋田県男鹿市五里合鮪川)があり、鮪と深く関連した歴史がうかがえます。
「寿司食いねー」
世界に広がるマグロの漁場 鮪の年間漁獲量は、全世界で約165万t。その内キハダ約110万t、メバチ25万t、ビンナガ約20万t、ホンマグロ約4.3万tです。 鮪の骨は縄文、弥生時代の貝塚から出土しており古代から貴重な食べ物でした。また、鮪という名の由来ですが、鮪は(魚へん+尋)の異名で、本来はシナの河川に現れる大型の魚、ヘラチョウザメ科の魚を指していたようです。第一説は、古代中国語の発音が”シヒ“に近かったのではないかと言うもの。平安時代の辞書『和名抄』には「鮪 一名黄頬魚 和名之比(しひ)」とあります。更に室町時代までは“しび”と呼んでいたようです。第二説は、“しひ”の語源は、(し)獣のような赤い肉の(ひ)魚というものです。 近世になり、語印のイメージが良くないことや庶民食への広がりから、「背が青黒い」・「肉が赤黒い」・「眼が黒い」という言われ方から次第に“まぐろ”へ変わっていったと言われてれます。 いづれにしても日本人は、古来、鮪を追って世界中の海を駆け巡っている海人なのです。 鮪浦
1醤油も鮪ヒットに大活躍 歩いて物資を輸送していた時代で、冷蔵庫などもありませんから、鮮度に弱い赤魚は生では殆ど食べられることは無かったのでしょう。 ここに登場するのが寿司の元祖、華屋与兵衛、江戸両国でマグロを醤油漬けにしたものを広め、わさびをつけて日持ちをさせ、一躍庶民の人気を取り付けました。これが「江戸前寿司」の始まりです
近年、飛躍的な輸送技術、冷蔵・冷凍技術の発展に伴い、寿しネタはもちろん刺身用、焼き魚の食材として、またタンパク源としてグルメブームも相まって、日本中の食卓を賑わすこととなりました。
私の親友であるH2O(ペンネーム)さんは、日本三大水揚げ場である静岡県焼津港で鮪と戦っている業師です。鮪のことなら何なりと聞いてください。日本の港で彼の名前をだして、最高の鮪を味わってください。鮪、それは夢と浪漫の食品です。それだけの価値あるもののために、今日も多くの人たちが世界中で鮪を追い求めています。
1何処を食べてもいいですねー
部位と名称は、ご存知のとおりです。 魚の心臓はえらの近くにある。心臓の近くほど脂肪が付いてトロ身が多い。大トロはとろけるように滑らかで牛肉に勝る。赤身も好みで美味い。また、目玉・カマ・頭部は様々な調理方法があって美味い。 学生時代、港でマグロのせりを見た後、 もらって食べた尾の部分の美味さは、今でも忘れません。いまさらですが、 (どうもありがとうございました)
1お勧めの一軒
函館にある「山吹」という居酒屋の主人は、津軽の出身で前職は海上自衛官。海の男で気風は最高。山吹の自慢は、女将と皿にあふれんばかりの山盛りウニ、そして自ら買い付けに出る大間の鮪・トロ、とにかく美味い。とにかく酒に合う。だから仕事で函館に行く時には、この店に歩いてたどり着ける宿を探すことから準備が始まる。あまり沢山の人が行き始めるとねた切れが心配になりますが、絶品のお店です。
大間とは津軽海峡を望む青森の漁港です。ここには昔からマグロだけと戦う延縄漁師がいる。特に秋以降、正月間際までの凍てつく海に、滅多に上がらない300〜500キロの夢を追いかける男たちがいる。日本でも絶賛される最高級鮪です。
写真A 写真B 市場の鮪
冷凍鮪を見極めるのはプロの技。解凍されたときの色とトロ具合をこの断面から読み取る。
一般的に油の乗った上質鮪は、冷凍状態でもピンク色をしていますが、逆に油が少ない鮪ほど褐色ぎみです。写真Aはkg単価9500円位。写真Bはkg単価5500円位です。(鑑定H2O氏)
1冷凍鮪の解凍方法
冷凍鮪は遠洋漁船内で、獲れたての鮮度を保つため−60℃という超低温で急速凍結しています。そのため解凍にも時間をかけず”急速解凍”すれば、良い鮮度で大変おいしく食べることができます。
このためには、温塩水(約40℃で0.4%の塩分量)で処理します。塩水を使うとドリップの流失を防ぐことができます。まずサクを手際よく水洗いし表面の汚れを取ります。つぎに温塩水に約1〜2分位浸けます。表面が解けて芯はまだ凍っている(半解凍)状態です。
温塩水よりマグロを取出し、清潔なペーパータオル等で水気をよく取ります。その後、約1〜2時間冷蔵庫で全解凍します。庫内の冷気を当てることで、更に美しく美味しい色に発色します。
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