フォコマートの特徴
フォコマートを使いたいと思ったきっかけは、赤木耕一氏の、美術館で男が頭を抱えて座っている写真を見たからでした。 粒子の一つ一つが見え、隅々までピントの合っている写真。 私がそれまで使っていた入門機では考えられないことでした。 それから、フォコマートに関するホームページを調べたり、売っている店を探したり、オークションをチェックしたりの日々が続き、結局、個人輸入をすることにしました。 バロイ、でも良かったのですが、日本でバロイが買える値段と余り変わらないとその時は思っていました。 これが、個人輸入したフォコマートIc(ワンシー)です。
 ごく初期型のようですので、1951年製かもしれません。
 結果的にこのモデルで 良かったと思います。
 何故なら、私の暗室は、フォコマートを置いている台から、棚まで の高さが、1メートルしかありませんので、ちょうど良い大きさです。
 四つ切りまででしたら、オートフォーカスで引き伸ばしができます。
 フォコマートIcカラーだったら、ランプハウスが縦長ですから、ランプハウスが棚に支えて、10倍まで伸ばせなかったでしょう。
 でも、ランプハウスの中で、電球が一番下の状態でしか使えないんで、棚の板を切りたい衝動に駆られます。
  ゴム足も換えたいんですが、オリジナルより高さがあるんです。
 ゴムって綺麗に切れないんです。(T_T) 半切り以上に引伸ばすときは、ホームセンターで買ってきたスチール製の台にフォコマートを移動して、パンタグラフの位置を上に上げて使ってます。
 暗室が狭いので、使いにくいんですよね。
   贅沢を言えば、ランプハウスを後ろに倒すための取っ手は欲しかったですね。
 フィルムを滑り込ませているので、関係ないかもしれませんが。
 フォコマートの状態は、お世辞にも良い状態ではありませんでした。


                           フォコマートの特徴

1.フォコマートの良さはプリント作業の敏速化にあります。(SHIMATさんの言葉)

2. 何と言ってもオートフォーカスこれが1番の特徴、現在生産されているオートフォーカスの引伸機は、中国製品とイタリア製品が有るようです。 インターネットで見たことあるのですが、最近検索しても引っ掛からない。 他にAGFA Varioscop60 (FOCOMAT IIのデッドコピー)、KALLTなどがオートフォーカスです。  あと、国産ではかつて、ニコンとミノルタも製造していました。

 3. フィルムの挿入が簡単
   ネガキャリアーに挟むタイプと違い、フィルムをネガキャリアーに乗せ、コンデンサーで挟むので短時間ですみます。 コマを替えるのも、レバー操作でコンデンサーを上げ下げするだけ。 ただし、ノートリミングで黒い淵を付けるのには神経を使います。 特にM3で撮ったフィルムは、枠ぎりぎりですから。
 

写真でご覧のように、屋根型金具は、鑢で削られ、固定レバーは、ありませんでした。

 固定レバーが何らかの理由で無くなり、屋根型金具を削ったのでしょう。

 前の所有者は、 溝のないイーゼルを使い、底に金具が当たるのを嫌ったのでしょうね。

 

私も、純正イーゼルだけを使うわけではないので、固定レバーがなくても良いのですが、自分で復元しようかななんて思ってます。  クランプレバーのサイズは、
全長450mmX幅20mmX厚4mmです。支点穴9mm、支点穴中心から160mmのところから始まる約55mmの4.5mmの]型のふくらみあり。材質は焼きの入った鉄のよ
うです。
  イーゼルに関してなんですが、おまけで貰った8×10inchの木製イーゼルは、
当然六つ切りまでなのですが、六つ切りでもVカットパネルの枠より、
小さく焼くことしか出来ません。
 実用的ではないです。



 

フォコマートでは、1インチ厚のイーゼルを使うようになっていますが、 それよりも薄いイーゼルを使うには2通りの方法が有ります。  なんと、カムの調整をする事によって、LPLのイーゼルはそのままオートフォーカスが機能することが分かりました。

1つ目
イーゼルに下駄を履かせ、厚さを2.54cmにする方法。

2つ目
フォコマートの支柱のしたの穴にピンを刺し、内径4センチの輪で厚さはイーゼルと同じにしたものをピンの上に置きアームを載せる方法があります。  要するに、イーゼルの厚みと同じだけ、ランプハウスを上へ平行移動させれば良い訳です。 正確に移動できれば、輪も必要ありません。 簡単なことなんです。 早く気付けばよかった。 私のように、無闇に高いイーゼルを買わないように注意してください。(泣

フォコマートのランプハウスの取り付け位置をめいっぱい上に上げれば、台板上で小全紙まで焼けるのは便利です。 
 フォコマートで使うイーゼルと言うと、定番ではサンダースな訳ですが、 UA1620は、小全紙まで焼けます。
 ガチンとロックされる感覚が良いですね。
ところが、UA1114には、ロックが省略されています。
でも、大四つまで焼くには、こちらの方が、小回りが利いて便利です。

 左の写真のスプリング・キャッチ(spring catch of the helical focusing lens mount)が欠落していました。
訂正 英文取扱説明書では、
Locating stopとなっており、Spring catchは外筒に固定されているバネ(locating stopを止める)となっているそうです。 大変失礼致しました。
これからは、「位置決めストッパー」と呼びたいと思います。(SHIMATさん命名)

 シーベル・ヘグナーに電話で注文し、送料込みで7千円ほどでした。
 シーベルでは三点セットと呼ぶそうです。
 現在在庫が無いそうです。

 下の写真のヘリカル・フォーカシングとセーフライトフィルターのために、イルフォードや、フジの多諧調フィルターホールダーが使えません。 一番上の写真の様に、ハレ切り用クリップで留めて使ってます。

真鍮製のバネを、どの様に取り付けるかが謎でしたが、写真のように取り付けるのが正解でした。
 スプリング・キャッチは、元々フォコマートに2つ付属していました。(途中から、1つに変更)
 3コマ以下のフィルムは、普通のネガマスクで使えないため、シングル ネガマスクで使います。
 シングルネガマスクのガラスの厚さの分だけピントがずれるので、スプリング・キャッチを2個使ったそうです。
  シングルネガマスクを使わない人には、2つは必要ありません。
 1個で十分です。
 でも、2個有ったほうが、大きく伸ばす時のピントの目印になって良いなあ。