光の庭


水飲み場で
くちばしをつつきあう
ちぎられた花びらと葉が浮いた水面から
見えない蒸気があがっている
折りたたんだ手ぬぐいを
胸もとにしまい
早く、
この季節が過ぎ去るといい
雲間から
吹き降ろす春の風が
強く、
強く腕をかかえて
突然足がすくんでしまう
いまあなたの桃源郷を
押しつぶしたの
いま、
わたしは、
あなたの桃源郷を、
押しつぶしたの、
雲霞とほこりが同じように
舞いあがって
咲きかけの藤棚に手をかける者の
脈動をたどる
どうしようもなく赤い
膝を、
腰を折りたたんで
隙間にあなたの夢をかかえる
影のように染みついた
失くしたものの残した光が
悪いものたちを引き留めてささやいている
悪いものたちの足跡をたどれば
離れることはない、
と思っている
早く、
影は立ち去れ
このひとを置いて
去れ、
それから風も、
光も、
花も安寧も、