遠くで風が吹くので
身体をかたむける
あまあしを
耳の奥から這い出た小さな鈴が追う
ころころとわたしも笑ってすっかり送り出したあと
切れたままの室内灯を見あげ
しびれる指のさきを思う
こういう場所は、雨に打たれるまでもなく寒いもの
くちびるのことはもう話しただろうか
皮が剥がれかけているくらいが、いい具合で
ことばは輪郭をなさないものだから
感触として覚えておくべきだと思う
君のことばは、かわいているよ、すこし
とか、そんなこと
眼をあけていると、惑うので
背中を震わす声は
割れて和音のようになる
降るまえの
冷たいだけの地面を介して
響きが戻ってくる
鈴を追って、君はそうしてただ辿り着いたとばかりに