美しい鱗は あだ、である
赤く地を這う線分は埠頭まで続き
何事かがおこれば
みな船に乗り、漕ぎ出せばよいと思っていた
わたしは船に鐘を載せるのを拒むのがせいぜいだった
波にも光りはこまやかに反射し
燃えてからでは遅いと、
殺到したあらゆる動物のかおが 水泡のなかに膨れあがった
美しい殲滅は、夜 行われる
わたしは鐘を積まなかったので、ただ、殺戮を眺めていた
かなしくなどなかった
と、言ってみたものの あらゆる動物のためにパンを均等にちぎり分けてやった
やがて東から夜が明けると
誰も彼もまもなく死ぬことがわかったので、新たな殺戮はもう始まらなかった
ふたたび日が暮れるまでの少しのあいだ
凪いだ水面に自身の姿を映しては、相変わらず腫れがあってしようがないと みな嘆きあった
かなしがる生き物ばかりが満ちていた