雪がとけて
魔法がきえてしまった

覚えておこうとおもうのは
花を摘んで
きれいと笑ったひとの頬の産毛と
そのうしろの
生ぬるい風、それから四月と

笑っていない声が
明るい食卓をかきみだす
カーテンの隅に隠れていたいけど
時計まわりに順におとずれる
祈りのじかん
ちいさな分銅がお腹のなかで
ゆれていた

忘れられないのは
もう誰にもきかない魔法のことば