「低空飛行」

                    夏のシーツのうえに
                    旋回する飛行機のながい影
                    群れる、閃光


地図をひろげ、星と星のあいだに線をひく
時空を越えるのはこんなにも簡単だったね
キュ・キュキュ…


     ラジオに耳をつける
     ひんやりとした床にこぼれたミルク
     チェリーを落とす
     タイルはよく磨かれて
     ほら君の顔も映りそうだよ、と笑った

                    「あんなにも晴れた日は見たことがないよ





     ジー・ツ・ツツツ
     CQCQ、こちら18号、
     CQCQ、応答せよ。誰でも知っている話をしよう、当たりまえの


影が映りこんでいる
はざまで、夢を見る、シャボン
床をみがいた
それは本当に夢だった?
                    「ねえ、その手のひらでわたしの瞼をおおってください




     ガガ・ガ・ッ

     這いあがってくる、群れ
     歩いたあとが光っているね
     手はつないだの?
     わたしたちはもう、手をつないだの?

     「あんなに晴れた日は見たことがなかったよ




     カ・チッ






                    「CQCQ、返事をして。今から空を見せにいく