実家私道部分の不動産取引             2056

話はやや複雑なので順を追って話を進めたい。

さかのぼって昭和38年。
今は亡き父が、佐賀の自宅を売却を条件に福岡に問題の土地を購入した。翌年の三月に引越しして、その土地に建てた家に住み始めた。

後でわかったことだが、立てる前にひと悶着があった。
買った土地の東側に道路を確保しないと建築許可が出ないと役所から言われたらしい。(よく考えると、当時、我が家の南東に―つまり私道となった道の行き止まり―アパートがあった。そのアパートへの通路を確保する為に土地の売主達が仕組んだ策略と思っている。)我が家と東向いの家は私道として、合計二間幅(3.6m)を提供しなくてはならなくなった。我が家は建坪が十分でないので要求された一間を私道に提供するとなると満足な家が建たない。父は購入をためらった。土地の売買を仲介した者が西隣の土地の所有者に私道半間分の土地を無償で我が家に提供するようにかけあった。

一間は東隣家が提供し、残りの一間幅は我が家と西隣家の二軒で提供することで無事家は建てられた。

時は流れて平成3年、向かいの土地の家とアパートは取り壊されてマンションが建てられた。
これも後でわかったことだがそのマンションの建て主は、私道部分を含めて前の地主から買ったらしい。南北に伸びる50メートルほどの私道はマンションの持ち主に所有権が移った。
建てられたマンションは東の国道からの敷地が確保されているので、実家の東側の私道は不要になった。しかし、我が家と西隣の家は私道を利用せざるを得ない。
隣人と実家の二軒は通行権があるので、私道の形態は保たれた。我が家の前までの30mは道路の形で残されたのだ。残りの部分、(実家の東側の私道の)西側半分は実家に返却された。東半分はマンションの敷地となったのは言うまでもない。
亡き父は、「返却された土地のそのまた半分は東隣の家から無償で譲り受けたもので、家を建て直す際には西側の敷地境界から半間分は西隣の家に返却したい。」との意向だった。その父は2006年に他界した。

2008年の7月頃、突然不動産会社から電話があった。
西南ハウジング鰍ニいうその不動産会社は実家の東隣のマンションの管理を委託されているらしく、持ち主から依頼を受けて私道となっている土地の売却を委託されたと言う。

不動産屋の話はこうだ。実家の手前までの私道は、入り口の家二軒と、入り口から二軒目となる空き地の所有者、実家、実家の西隣の家で共有する。負担はそれぞれの土地の広さを基準に西燐家が比率にして二、入り口の二軒と空き地の持ち主、実家がそれぞれ一ずつ、というものだった。入り口の二軒は私道が無くても困らないという事で負担を拒否した。空き地の所有者は将来にわたり家を建てることがないので私道の共有は不要と断った。
残った二軒は、つまり実家と隣家はそれぞれ実家が一、隣家が三の負担でどうかと提案は変化した。
弟は自分で金を出すのには同意しなかった。私は私道の購入は必要と判断して私が負担して購入しようとした。
しかし、不動産屋は実家北東の私道はマンションの敷地と交換したいと持ちかけていた。北東部は実家のみが使用していた。その私道部分は銀行の担保になってるので譲ることは出来ないと言うのだ。その代わりに同じ面積の土地と交換するというのだ。「等価交換」と言っていたが、そもそも私道である土地をこれを機に生きた土地に変えるたくらみだった。その上に「塀の移動の費用も実家が負担しろ」というものだった。 
そこで、私は実家の南端と交換を持ちかけた。「それであれば、塀の建築費も負担してよい。」と譲歩し掛け合った。結果は「NO」だった。
私道部は実家の北東部を除きすべて西隣家に売却された。
西隣家から私道の全てを買い取りたいとの意向があり、それに不動産屋が応えた形だ。きっと悪巧みが旨く行かないので腹いせでそうしたと思われる。その動きを事前に察知した私は、西隣家に電話した。「私道部分を買い占めた場合は良好な隣人関係を構築するのを希望していないとみなす。」と警告した。つまり、父が「土地を返すように」と言った目的は良好な隣人関係を保つ為だったと解釈している。これで、土地を返す必要は消滅したとおもっている。
後日、実家北東部の私道の登記簿を取り寄せてみたら2008年12月銀行の抵当権は抹消されていた。西南ハウジングは抵当権を抹消予定だったのに告げず、私をだますつもりだったのだ!!
こういった場合は告訴するか西隣家が行った取引自体を白紙撤回できないのかを知りたいと思う。西南ハウジング鰍ゥら送られた資料がたくさん残っているので証拠には事欠かない。お分かりの方はご教授いただきたい。

(私道部の地目は公共道路になっていなかった。)

私はその時、大病を患い退院後まもなくであった。とても行動でる状態ではなく体の回復を待つしかなかった。

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