何故『SPR』にはまったのか.......その1回目.
『U−571』を観て考えてみた。
(自己検証……ひとりごとのようなものです。つっこみ全面禁止)
もうすぐ2年になるけど、『SPR』という映画、
映画館に5回も足を運んだ。
マリオンから始まってシャンテまで.....
ネットの中でわりと身近にいる方の『SPR』への罵倒雑言モードを
聞くたびに、乙女の心はいたく沈み傷つき揺らぐ・・・なんて柔な根性
は・・・たしかにズキッとはくるが・・・人それぞれよ〜こうなったら
東の壁に『SPR』のLDのジャケットを掲げて・・・あっ、ちょっと
イヤかもしれない・・・掲げるならメンフィスベルの方が・・・Uボートの方が
・・・・これもちょっとイヤかも・・・掲げるなら鑑賞価値の高いものが良いわ
でも、あの映画との出会いが、わたしが今のように映画を観たり、
その作品の背景にあることに興味をもって調べたりするという
かたちを作る第一歩となったような気がする。
知りたくなる要素がたくさんつまっていたのですね
そもそも、この映画との出会いは98年の夏休み
『ポケットモンスター ミューツーの逆襲』これを上野に
弟と一緒に観に行ったとき、子供映画なのに『SPR』の
予告編がかかった。小さい子の騒めきのなかで、
「see you on the beach」という言葉がやけに心に
響いていた。まわりのお子様たちはうるさかったけど。
後から『SPR』の予告編をいろいろDLしてみると、ライアン兄弟を
ショーン・ライアン・・・・と語っていく時の映像のこの人はちがうぞ〜
とか、劇場公開前に観た予告にあったシーンは本編にないぞとか、
アカデミー賞前に再度公開となったときのピクチャーバージョンの予告編は
好きだな〜とか、この作品はたくさんのバージョンがあるので楽しい。
これも、予告編で映画が観たくなる一本かもしれない。
予告編と本と作品の背景と作品がおりなすマジックに触れたはじめの一歩かも
しれないですね。
そして映画......COIに送ったレビューにも書いたけど、敵であるはずの
ドイツ軍の姿や驚異が見えてこない戦争映画。
『SPR』のレビューへ
冒頭、ノルマンディ上陸オマハビーチの戦闘の二十数分間、
最後のラメルの街での捨て身の戦闘と、戦闘シーンの凄まじさが
言われていたけど・・・うん、たしかに凄い映像だよね。
最初は度肝を抜かれたけど、
今は戦闘というのは、こういうものなのだろうと思う。
凄いといってもドキュメンタリーの実写フィルムの凄みには負ける。
はらわたとびだしたって、手や足が飛んだって、そんなのがキャーっで
魚や肉が食えるか(あっ、そういう問題ではないか)・・・
ちょっとショックだけど・・・でも戦争で殺し合うと
いうのはそういうことなんじゃないかって思う。
戦争だけじゃなく災害や事故現場だって実際には凄まじいものだと思う。
映画ではその戦闘場面に主人公がいて、その人たちを語っているから、その場に
感情移入してしまい、凄いと思うけど、実際には死に直面してい
るわけでもなく(もちろん俳優さんたちはプロだから臨場感たっぷりだし、観ている
方も手に汗にぎって見入ってしまう)、ころがっている死体も、かつて生きていたものが生を止めて
しまった骸ではないから、びっくりするだけで震撼とはしない。
報道カメラマンの撮った一枚の写真の方がずっと戦争の悲惨さ壮絶さを
伝えてくる。
カパーゾが狙撃兵に撃たれたとき、ミラー大尉は狼狽える。気がつかなかったんだ
・・・とジャクソンに向かってブツブツと言うけど一体誰に弁明しているのか。
それは自分に・・・指揮官は自分の落ち度を認めてはいけない。自分のとった行動や判断の
落ち度やあやまりを認めてしまうと、彼に命をあずけている兵士たちの中に数々の疑問が
生まれてしまう。次の判断が下された時に、今度は大丈夫なのだろうかという不安が生まれる。
(このへんのスタンスはU−571でも触れられていた)
鍛え抜かれた職業軍人ではなく、よわさももろさももった人たちが戦争という不条理の中で
心の行方をさぐっていく姿の数々、そこに惹かれたのだろうと思う。
で、話しは『Uー571』へ。Uボートものだということで少し胸躍らせていたけど・・・・
(BON JOVIの「CRUSH」は発売当初に買ってお気に入りの一枚なので、U−571のイメージソングにもつられていた・・・)
わたしにとって『Uボート』という作品は特別な位置をしめている映画です。
そもそも、この『Uー571』と『Uボート』を比較するのは『SPR』と『TRL』を
比較するようなものだと思う。
『Uー571』は、ある意味『SPR』と似たところがある作品だと思う
(完全に同じ枠では囲いたくはない。あくまでSPRは特別!)
この『Uー571』は
戦争映画だよ〜などと思ってみたら、つっこみたくなる箇所がありすぎる(笑)
ドイツ軍に肩入れ気味のわたしとしては、怒っちゃうぞ!とも思ってしまう。
知らない人が見たらドイツ軍ってあんな・・・と思ってしまうではないですか
(わたしもさほどは知りませんが・・・)
でも、まあ、Uボートだからこそ、あの危機を乗り越えエニグマを連合軍に持ち帰ることが
出来たのだし、まさしくUボートの性能はすばらしいと思って良しとしよう。
願わくば、最後の「連合軍・・・に捧げる」という部分にUボートという言葉もあったらもっと
嬉しかった・・・
戦時下、Uボートという箱をかりて過酷な任務に就いたタイラー大尉(マシュー・マコノヒー)の
心の旅をからめた冒険活劇と思ってみるとなかなか見ごたえがあるかな?
ダルグレン艦長(ビル・パクストン)が言っていたではないですか、優秀な副官だけど艦長に推すには
今はまだ、足りないものがある・・・と・・・この時点でのタイラー大尉は、その言葉の意味も
分らずに不満をためた半端な人なのですね。
その人がいろいろな困難や葛藤をのりこえて、立派な艦長へと身も心も成長していくのですね。
そしてその結果として連合軍へUボートの暗号解読のカギであるエニグマを持ち帰ることができる。
残った潜水艦がSー33でなくてU−571でよかったね。
自分の力を過信していただろうタイラー大尉、
そのタイラー大尉が司令官であるダルグレン艦長を失い自分が指揮をとらなくてはならなくなる。
クロフ曹長(ハーベイ・カイテル)にも指揮官の心構えを言われて、艦長の言葉の意味が少しわかったのでしょう。
苦境の中で艦長として必要な部分を身に付けて任務を果たすことができた。仲間の死を無駄にせずに生きて仲間を帰途につかせることが出来た。
そして連合軍はUボートの暗号解読に成功し、ノルマンディ上陸作戦へ進み、たくさんの犠牲をはらいながらも戦争を終結させることが出来た。
いつの世の中でも機密任務というものがたくさんあって、その秘密の任務の成功がいつも世界の歴史を
変えてきたのだと思います。今だって、何かが行われているに違いないですね。
Uー571
2000.9.22
日比谷映画
監督…ジョナサン・モストゥ Jonathan Mostow
脚本…ジョナサン・モストゥ Jonathan Mostow
サム・モンゴメリー Sam Montgomery
デビッド・エイヤー David Ayer
CAST
アンドリュー・タイラー大尉 Lt. Andrew Tyler.....マシュー・マコノヒー Matthew McConaughey
マイク・ダールグレン大佐 Lt. Commander Mike Dahlgren.....ビル・パクストン Bill Paxton
クロフ軍曹 Chief Klough.....ハーベイ・カイテル Harvey Keitel
ピート・エメット大尉 Lt. Pete Emmett.....ジョン・ボン・ジョヴィ Jon Bon Jovi
クーナン少佐 Marine Major Coonan.....デビッド・キース David Keith
ハーシュ大尉 Lt. Hirsh.....ジェイク・ウェーバー Jake Weber
ラーソン少尉 Ensign Larson.....マシュー・セトル Matthew Settle
マッツォーラ Mazzola.....エリック・パラディーノ Erik Palladino
タンク Tank.....デイブ・パワー Dave Power
トリガー Trigger.....トーマス・グアリー Thomas Guiry
ウェンツ Wentz.....ジャック・ノーズワージー Jack Noseworthy
2000.9.23
ADU
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