LITTL VOICE―リトル・ヴォイス―

9月22日
日比谷シャンテシネ(もう一館、新宿シネマカリテでも上映)、前評判以上の人気になっています。
一度観た人の口コミで人気が上がってるようです。私も見てから宣伝しまくっています。
この作品を観たいと、思ったのは予告篇を見てなのです。最初に予告を見たときはちょっと分かりずらくも感じたのですが、二回目に見たとき、あのピンクの文字とユアン・マクレガーのLVへのやさしいセリフ・・・なんだか妙に印象に残ってしまい9月に観る映画が『エリザベス』から急きょ『リトルヴォイス』に・・・そのうちジェイン・ホロックスがメンフィス・ベル(この作品も私の好きな作品のひとつです)にも出ている(予告篇の彼女の名前の上に書かれていました)ことを知って、ジェイン・ホロックスって誰?どの人?とメンフィス・ベルを見直して、発見!!あ〜彼女だったんだとしみじみ思ってしまいました。
この『リトルヴォイス』の予告篇を作った方の運営されているサイトがあります。
公開されたばかりの『ウェイクアップ・ネッド』やこころあたたまる作品と期待できる『Amy エイミー』の予告篇も手がけられています。この2作も、私にとって、今観たい映画です。その他たくさんの予告篇をてがけてられます。
『リトルヴォイス』の予告篇制作秘話などもありますので、一度、訪ねられてはいかがですか。
予告編大画報 http://www.d3.dion.ne.jp/~coz/

超大作や話題性の高い作品もいいけど、たまにこういう作品をみると、映画って本当にいいなと感じてしまいます。
古き良き時代のアメリカン・スタンダード・ミュージックでつないでいく映画ですが(わたしなんかにはわからないのですが)でもどこかで聴いたことがあるような曲というか、なんだか懐かしい(なぜかはわかりませんが)感じがしました。いま私たちが聴いている音楽の原点なのかもしれませんね。
いろいろな年齢層の観客で、上映中、ジェイン・ホロックスが歌いだすと、会場のあちらこちらから 歌を口ずさむ声が聞こえてきました。他の映画では、上映中の人の声は結構、嫌なのですが、この作品に関してはそんなことはあまり感じませんでした。
映画を観ているというよりは、ショーの場面などでは、自分がそのショーを観に行っている観客の 一人になったような錯覚に陥っていました。私も知っていれば、口ずさめたのになんて思ったりしました。
ジェイン・ホロックスの歌と演技が圧巻という感じです。声の多様さ、くるくる変わる表情が観ている私たちを、彼女の世界に引き込んでいきました。
インパクトはあまりない役なのですがユアン・マクレガーがとてもいい演技をしていました。個性の強い脇役陣の中で、個性を出さないのが逆にインパクトを強くしていたような気がします。 この作品の舞台もジェイン・ホロックスがやっていたそうですが、あの演技を舞台で見てみたい。
そんな気持ちになりました。
脇役陣も、びっくりするほどアクが強くてケバケバシイ役のBrenda Blethyn(ブレンダ・ブレンシー)もなんだか、かわいく見えたり、Michael Caine(マイケル・ケイン)やJim Broadbent(ジム・ブロードベント)の、夢追い人としての人間臭い面がふんだんに表現されて、まさにヒューマンドラマだななんて感じたりしました。
マーク・ハーマン監督は『ブラス!』もそうでしたが、人生の不幸とその不幸からの脱皮を描きながらも、最後は、この先、良いことばかりじゃなく大変な事もまちうけているけど、一つクリアしたんだから、またなんとかやっていけるさ、がんばって生きていこうじゃないか。(これは、あくまで、私が感じたことです)というメッセージを伝えてくれているような気がします。
LV(エルヴィ)からローラへと脱皮した彼女に拍手を送りたいです。LV(エルヴィ)という存在は、かたちはちがっても、誰もが心の中にいだいているコンプレックスそのものだと思います。

監督・脚本…MARK HERMAN(マーク・ハーマン)
制作…ELIZABETH KARLSEN(エリザベス・カールセン)
制作総指揮…NIK POWELL(ニック・パウエル)STEPHEN WOOLLEY(スティーヴン・ウーリー)
共同制作…LAURIE BORG(ローリー・ボーグ)
撮影指揮…(ANDY COLLINSアンディ・コリンズ)
音楽…JOHN ALTMAN(ジョン・アルトマン)

出演…LV(Laura Hoff):Jane Horrocks(ジェイン・ホロックス)
   Billy:Ewan McGregor(ユアン・マクレガー)
   Mari Hoff:Brenda Blethyn(ブレンダ・ブレシン)
   Ray Say:Michael Caine(マイケル・ケイン)
   Mr.Boo:Jim Broadbent(ジム・ブロードベント)
   Sadie:Annette Badland(アネット・バッドランド)
   George:Philip Jackson(フィリップ・ジャクソン)

"COME FLY WITH ME" : Frank Sinatra
"THE WONDER OF YOU" : Elvis Presley
"THE MAN THAT GOT AWAY: Judy Garland
"IT'S NOT UNUSUAL" : Tom Jones
"MY HEART BELONGS TO DADDY" : Marilyn Monroe
"OVER THE RAINBOW" : Jane Horrocks
"CHICAGO (that toddlin' town)" : Jane Horrocks
"THE WHITE CLIFFS OF DOVER" : Michael Caine
"BIG SPENDER" : Jane Horrocks
"FAKKLLING IN LOVE AGAIN": Jane Horrocks
"GET HAPPY" : Jane Horrocks
Except from "WHEN YOU SMILE"
Except from "SOME LIKE IT HOT"
Except from "WE'RE OFF TO SEE THE WIZARD"
Except from "A STAR IS BORN" and "THE WIZARD OF OZ"
"THRE'S NO BUSINESS LIKE SHOW BUSINESS" : Ethel Merman
"COME RAIN OR COME SHINE" : Judy Garland
"A WHITER SHADE OF PALE" : Procol Harum
"THAT'S ENTERTAINMENT" : Judy Garland
"DISCO INFERNO" : The Trammps
"THE DICKY RBIRD HOP : Gracia Fields
"LOVER MAN(OH WHERE CAN YOU BE)" : Jane Horrocks
"HAPPY BIRTHDAY" : Jane Horrocks
"GOLAFINGER" : Shirley Basset
"I WANNA BE LOVED BY YOU" : Jane Horrocks
"SING AS WE GO" : Jane Horrocks
"TUB THUMPING" : Chumbawamba
"RAWHIDE" : Frankir Laine
Except from "I NEVER CRIED SO MUCH IN ALL MY LIFE"
"IT'S OVER" : Michael Ceine
"THE LAST FAREWELL" : Roger Whittake
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LOCK ,STOCK AND TWO SMOKING BARRELS

   ―ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ―


8月25日
随分話題になっているのに、単館上映(渋谷シネセゾン)。
LOCK ,STOCK AND TWO SMOKING BARRELS この長いタイトルが邦題になってどんなふうになるのか注目していましたが、そのまま、カタカナ、びっくりしたような、ほっとしたようなでした。
このタイトルはLOCK ,STOCK AND BARRELSが”全て”を意味するイギリスの古い表現でTWO SMOKING BARRELSは発砲した銃口から立ち上る煙をイメージしたものという注釈がありました。

まず、予告篇から『ウエイク・アップネッド』(イギリス映画)この作品おもしろそうだなと思いました。かなりジミ目の作品だけど楽しめそうな気がします。
アイルランドらしい風景とアイルランド人らしさがが印象に……
そして、ぶっとんだのが『カスケーダー』(ドイツ映画)もう、そのコピーと画面の色使いに、しばしかたまってしましました。

本編開始…
いきなりテンポのいい音楽とともに、ベーコン(ジェイソン・ステイサム)の早口の路上パフォーマンス、さくらでエディ(ニック・モーラン)が現われて、どたばたのストップモーション混じりの映像のあとにトム(ジェイソン・フレミング)がなにやらあやしい商売人で登場。料理人のソープ(デクスター・フレッチャー)が登場して、これで4人がそろい踏み。
二つの別々の流れがが別々のところで、4人をはさんで絡み合っていく映画なので、さいしょから、絡み合いの断片がいたるところに、おちています。
いろんな登場人物が微妙にいろいろな場所に登場しているのです。
一獲千金をねらい、失敗して厄介事に巻き込まれていくあたりの流れは少したるいかなとも感じましたが。
ここで、この映画の目玉、エディの父親役のJD(スティング)が登場。
グロテスク以来の映画出演だけど、良い感じに年齢を重ねて、渋くて、存在感があって素敵でした。彼の演技からこの作品への愛着を感じました。
会話(かなりジョークにみちています)のテンポと話の進み方のテンポそして音楽の絡みかたが、すごく心地よい作品です。
ガイ・リッチー監督がすごいな〜と感じたのは、結果的にこんなにみんな殺しちゃっていいの?と思うくらい人がポンポン死ぬし、かなり過激な死に様のはずなのに、少しも嫌にならないのです。次の暴力的シーンが予測出来て、想像出来るのに、その場面を画面に出さない。結果のみを観客に見せる。だから、観客は自分の許容範囲でそのシーンを自分の中で想像し結果を観て納得する。そして次のシーンに移っていく。なんてうまいんだろう!!とおもいました。
この映画を見てなんだか無機質な感じをもつ人もいるかもしれないけど中途半端な人情や愛情の押し売りがないところが私は好きです。こんな話に人情やらを入れたらゴッドファーザーの二流版になってしまう。
子供思いの殺し屋ビック・クリス(ヴィニー・ジョーンズ)、最高でしたね。
パルプフィクションと同様に警察が登場しないのが、この系統の映画の共通点ともいえると思います。 ワルイやつらを正義対悪党でみないで、ワルイやつらの悪さかげんを楽しめました。
盗んだお宝を横取りしようと、待ち伏せするシーンで、お茶をいれようとするやりとりをいれるのは、イギリス人を象徴しているようでおかしかったですね。イギリス映画(イギリス人)には、たいてい、お茶にからんだシーンが出てきます。
終わり方が、良かったですよね。果たして、トムは電話に出たのでしょうか?
どちらの手を離したのでしょうか?
私は、このトムを演じたジェイソン・フレミングのファンでもあるのですが彼らしいユーモアたっぷりの演技もみられたのも嬉しかったです。ジェイソン・フレミングについては、UK映画のページに特集も組んであります。
最近のUK映画らしく音楽が心地よく、音楽とストーリーでどんどんもっていく代表作のようなきがします。それほど、UKにはすばらしいミュージシャンが多いということとも感じられます。 とても、面白い作品でした。ビデオが出たらまた観たいな!!

監督・脚本…GUY RITCHIE(ガイ・リッチー)
制作…MATTHEW VAUGHN(マシュー・ボーン)
制作総指揮…TRUDIE STYLER(トルーディ・スタイラー)
撮影…TIM MAURICE-JONES(ティム・モーリス・ジョーンズ)
出演…Tom …JASON FLEMYNG(ジェイソン・フレミング)
   Soap …DEXTER FLETCHER(デクスター・フレッチャー)
   Eddie …NICK MORAN(ニック・モーラン)
   Bacon …JASON STATHAM(ジェイソン・ステイサム)
   Big Chris …VINNIE JONES(ヴィニー・ジョーンズ)
   JD …STING(スティング)
   Winston …STEVEN MACKINTOSH(スティーブン・マッキントッシュ)
   Dog …FRANK HARPER(フランク・ハーバー)
   Hatchet Harry …P.H.MORIARTY(P・H・モリアーティ)
   Barry The Baptist …LENNY McLEAN(レニー・マクリーン)

サウンドトラック収録曲
"HUNDRED MILE HIGH CITY"―OCEAN COLOUR SCENE
"THE BOSS"―JAMES BROWN
"TRULY.MADLY.DEEPLY"―SKANGA
"POLICE AND THIEVES"―JUNIOR MURVIN
1"8 WITH A BULLET"―LEWIS TAYLOR AND CARLEEN ANDERSON
"SPOOKY"―DUSTY SPRINGFIELD
"THE GAME"―JOHN MURPHY & DAVID HUGHES
"MAN MACHINE"―ROBBIE WILLIAMS
"WALK THIS LAND"―E-Z ROLLORS
"I WANNA BE YOUR DOG"―THE STOOGES
"LIAR LIAR"―CASTAWAYS
"WHY DID YOU DO IT"―STRETCH
"OH GIRL'―EVIL SUPERSTARS
"IF THE MILK TURNS SOUR"―JOHN MURPHY & DAVID HOGHES(WITH RORY)
"ZORBA THE GREEK"―JOHN MURPHY & DAVID HOGHES
"I'LL KILL YA"―OHN MURPHY & DAVID HOGHES(WITH RORY)
"THE PAYBACK"―JAMES BROWN
"FOOLS GOLD"―THE STONE ROSES
"18 WITH A BULLET"―PETE WINGFIELD
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Memphis Belleのマジック
―メンフィス・ベル―


’90年制作の第二次世界大戦(’43年)のイギリス駐屯のアメリカ空軍のフライ・ボーイスを描いた―Memphis Belle―
フライング・フォトレス(空飛ぶ要塞)と呼ばれたBー17F爆撃機に乗り込んでドイツのブレーメンをターゲットに飛び立ったメンフィス・ベル号のクルーたちが主役の作品ですが、今年、この映画の中に出演していた俳優さんたちが大ブレイク気味です。
当時からスターだった操縦士デニス役のマシュー・モディーンはテイム・ハンター監督、ジョナサン・リース・マイヤー主演(ベルベットゴールドマイン)の『ザ・メイカー』をはじめトム・デイチロ監督の『リアル・ブロンド』に出演します。

後尾銃座クレイ役、ジャズミュージシャンのハリー・コニック・Jr(パーティで歌った”ダニーボーイ”は素敵でした)は春に公開されたフォレスト・ホィッテカー監督の『微笑みをもう一度』でサンドラ・ブロックの恋人役を好演しました。(彼はここ数年、『コピーキャット』、『リトルマン・テイト』、『インデペンデンス・ディ』、『エクサス・バケッジ』など出演作がおおいですね)

そしてマザー&カントリー号のクルー、パーティでひやかされトイレで吐いていた(ダニー〈エリック・ストルツ〉を信頼していた彼です)ルーキー(名前は不明)役のスティーブン・マッキントッシュはUK映画の話題作、ガイ・リッチー監督の『ロック・ストック&ツースモーキングバレルズ』に出演。デビット・リーランド監督の『スカートの翼ひろげて』でもレイチェル・ワイズと共演しています。

そして、今、話題のマーク・ハーマン監督の『リトル・ヴォイス』の歌姫、ジェイン・ホロックスも実はメンフィス・ベルに出演していたのです。 あのパーティで機関士バージ役のリード・E・ダイアモンドとハンバーガーの話をしていて、メンフィス・ベル号の中で愛を語りあったフェース役をやったのがジェイン・ホロックスなのです。映画の中にはありませんでしたが、映画パンフの中にはバージとフェースがメンフィス・ベル号の傍らでよりそう素敵な写真がありました。

この―Memphis Belle―という映画の中には、『タイタニック』で有名になったビリー・ゼインも出演(爆撃手ヴァル役)しています。航空士フィル役のD・B・スウィーニーもピーター・ホークの『最高のルームメート』や『スポーン』に出演、副操縦士ルーク役のテイト・ドノバンは『ホワイトハウスの陰謀』やディズニーアニメ『ヘラクレス』ではヘラクレス役の声優で出演、旋回銃座ラスカル役のショーン・アスティンは、『ルディ/涙のウイニングラン』や『戦火の勇気』に出演、左側面銃座ジャック役のニール・ガントリは『ショーシャンクの空に』や『アンカーウーマン』などに出演、無線士ダニー役のエリック・ストルツも『ロブ・ロイ』や『パルプ・フィクション』など数々の作品に出演していますね。 これからも、この作品からは、意外なブレイクが見られるかもしれません。メンフィス・ベルという作品も、とても素敵な作品です。

メンフィス・ベルの写真は映画公開時ののパンフレット(ワーナー・ブラザーズ映画会社/編集・発行 松竹株式会社事業部)からです。

―映画メンフィス・ベルから見る
 Bー17 フライングフォートレス 雑感―


米第八航空軍の主力重爆撃機
Bー17は対ドイツ戦略爆撃作戦1942年8月17日から983日間にわたり活躍しました。
この第一回ミッションには第八航空軍爆撃機集団司令官アイラ・イーカー少将が空中指揮官として攻撃に参加しました。このアイラ・イーカー少将が乗り込んだBー17E爆撃機の機長を務めたのは、1946年8月、広島に原爆を投下した、B−29”エノラ・ゲイ”の機長、ポール・チベッツ少佐です。
メンフィス・ベルは1943年の出来事の映画化です。
その頃、実際に行われていた連合軍の対ドイツ戦略は1943年4月から行われていたポイントブランク作戦(Pointblank)と思われます。 ポイントブランク作戦(Pointblank)はアメリカ陸軍航空隊主導のもとに行われたドイツの生産能力を破壊するための昼間爆撃作戦です。 主な目標は飛行機、戦車、艦艇など多くの兵器に必要不可欠であったボールベアリングを生産する工場に向けられました。ドイツのボールベアリングの生産工場の多くは南ドイツのシュワインフルトに45%、シュツットガルトなどに20%となっており、イギリスの基地からだとかなりの長距離侵攻をすすめなければならないため、損害も多かったようです。(第八航空軍が戦闘で失ったBー17の数は3219機、戦死者・捕虜は32000名を越えていたそうです)ドイツ軍の攻撃は対空砲火とその合間をぬってメッサーシュミットBf109、フォッケウルフFw190などの戦闘機による攻撃でした。ドイツ戦闘機は編隊の外側後方に位置する爆撃機を狙い撃ちし、落伍したところを集中攻撃する方法をとっていたようです。(B−17は前方からの攻撃に弱点がありました)編隊のうちこの外側後方の位置を米軍戦傷軍人に送られる勲章の名前から”パープルハート・コーナー”と呼んでいたそうです。
米軍のB−17による編隊は護衛戦闘機を持たない昼間爆撃を行った、米軍の編隊はV字がたをしたコンバット・ボックスと呼ばれるもので、大規模な作戦のときはこのコンバット・ボックスを上中下段に3段重ねしたコンバット・ボックス・スタッガーと呼ばれる編隊を組んでいたようです。(高度26000フィートから28000フィート)
メンフィス・ベルでもこのコンバット・ボックスと呼ばれる編隊を組んでいました。(20〜22機位の編隊です)
夜間爆撃を行っていた英軍の爆撃機編隊はパスファインダーと呼ばれるモスキート50機前後その後第一波、第二波とハリファックス各130機前後、第三波、第四波としてランカスター各130機前後という編隊が一般的だったようです。(高度19500フィートが標準) 同時期に英軍が行った爆撃作戦としてチャスタイズ作戦(CHASTISE)1943年5月16日が有名です。ライン川にかかるダムを攻撃したもので、バーンズ・ウオーリス技師が考案したドラム型スキップ爆弾を使い超低空で正確な位置に投下しダムにかかる水圧を利用してダムを破壊すると言うものでした。名パイロット、ガイ・ギブソン中佐率いる第617中隊の改造ランカスター重爆撃機18機が3グループに分かれ、メーネ、エーデル、ゾルベの3つのダムの爆破に成功しました。
米軍としては1943年10月14日に行ったシュワインフルト攻撃の際、敵地上空に侵入したBー17、B−24爆撃機257機のうち82機が撃墜、142機が撃破されるという損害を負いました。この事実は「暗黒の木曜日」と呼ばれ、のちにグレゴリー・ペック主演『頭上の敵機』 ―TWELVE O'CLOCK HIGH―(’49米作品)のモデルになりました。
この後、米軍は長距離を護衛できるPー51ムスタングが登場するまで、爆撃機による長距離侵攻を中止しています。
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更新日 10月11日 ADU


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