ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
  ―LOCK ,STOCK AND TWO SMOKING BARRELS―



8月25日
随分話題になっているのに、単館上映(渋谷シネセゾン)。
LOCK ,STOCK AND TWO SMOKING BARRELS この長いタイトルが邦題になってどんなふうになるのか注目していましたが、そのまま、カタカナ、びっくりしたような、ほっとしたようなでした。
このタイトルはLOCK ,STOCK AND BARRELSが”全て”を意味するイギリスの古い表現でTWO SMOKING BARRELSは発砲した銃口から立ち上る煙をイメージしたものという注釈がありました。

まず、予告篇から『ウエイク・アップネッド』(イギリス映画)この作品おもしろそうだなと思いました。かなりジミ目の作品だけど楽しめそうな気がします。
アイルランドらしい風景とアイルランド人らしさがが印象に……
そして、ぶっとんだのが『カスケーダー』(ドイツ映画)もう、そのコピーと画面の色使いに、しばしかたまってしましました。

本編開始…
いきなりテンポのいい音楽とともに、ベーコン(ジェイソン・ステイサム)の早口の路上パフォーマンス、さくらでエディ(ニック・モーラン)が現われて、どたばたのストップモーション混じりの映像のあとにトム(ジェイソン・フレミング)がなにやらあやしい商売人で登場。料理人のソープ(デクスター・フレッチャー)が登場して、これで4人がそろい踏み。
二つの別々の流れがが別々のところで、4人をはさんで絡み合っていく映画なので、さいしょから、絡み合いの断片がいたるところに、おちています。
いろんな登場人物が微妙にいろいろな場所に登場しているのです。
一獲千金をねらい、失敗して厄介事に巻き込まれていくあたりの流れは少したるいかなとも感じましたが。
ここで、この映画の目玉、エディの父親役のJD(スティング)が登場。
グロテスク以来の映画出演だけど、良い感じに年齢を重ねて、渋くて、存在感があって素敵でした。彼の演技からこの作品への愛着を感じました。
会話(かなりジョークにみちています)のテンポと話の進み方のテンポそして音楽の絡みかたが、すごく心地よい作品です。
ガイ・リッチー監督がすごいな〜と感じたのは、結果的にこんなにみんな殺しちゃっていいの?と思うくらい人がポンポン死ぬし、かなり過激な死に様のはずなのに、少しも嫌にならないのです。次の暴力的シーンが予測出来て、想像出来るのに、その場面を画面に出さない。結果のみを観客に見せる。だから、観客は自分の許容範囲でそのシーンを自分の中で想像し結果を観て納得する。そして次のシーンに移っていく。なんてうまいんだろう!!とおもいました。
この映画を見てなんだか無機質な感じをもつ人もいるかもしれないけど中途半端な人情や愛情の押し売りがないところが私は好きです。こんな話に人情やらを入れたらゴッドファーザーの二流版になってしまう。
子供思いの殺し屋ビック・クリス(ヴィニー・ジョーンズ)、最高でしたね。
パルプフィクションと同様に警察が登場しないのが、この系統の映画の共通点ともいえると思います。 ワルイやつらを正義対悪党でみないで、ワルイやつらの悪さかげんを楽しめました。
盗んだお宝を横取りしようと、待ち伏せするシーンで、お茶をいれようとするやりとりをいれるのは、イギリス人を象徴しているようでおかしかったですね。イギリス映画(イギリス人)には、たいてい、お茶にからんだシーンが出てきます。
終わり方が、良かったですよね。果たして、トムは電話に出たのでしょうか?
どちらの手を離したのでしょうか?
私は、このトムを演じたジェイソン・フレミングのファンでもあるのですが彼らしいユーモアたっぷりの演技もみられたのも嬉しかったです。
最近のUK映画らしく音楽が心地よく、音楽とストーリーでどんどんもっていく代表作のようなきがします。それほど、UKにはすばらしいミュージシャンが多いということとも感じられます。 とても、面白い作品でした。ビデオが出たらまた観たいな!!

監督・脚本…GUY RITCHIE(ガイ・リッチー)
制作…MATTHEW VAUGHN(マシュー・ボーン)
制作総指揮…TRUDIE STYLER(トルーディ・スタイラー)
撮影…TIM MAURICE-JONES(ティム・モーリス・ジョーンズ)
出演…Tom …JASON FLEMYNG(ジェイソン・フレミング)
   Soap …DEXTER FLETCHER(デクスター・フレッチャー)
   Eddie …NICK MORAN(ニック・モーラン)
   Bacon …JASON STATHAM(ジェイソン・ステイサム)
   Big Chris …VINNIE JONES(ヴィニー・ジョーンズ)
   JD …STING(スティング)
   Winston …STEVEN MACKINTOSH(スティーブン・マッキントッシュ)
   Dog …FRANK HARPER(フランク・ハーバー)
   Hatchet Harry …P.H.MORIARTY(P・H・モリアーティ)
   Barry The Baptist …LENNY McLEAN(レニー・マクリーン)

サウンドトラック収録曲
"HUNDRED MILE HIGH CITY"―OCEAN COLOUR SCENE
"THE BOSS"―JAMES BROWN
"TRULY.MADLY.DEEPLY"―SKANGA
"POLICE AND THIEVES"―JUNIOR MURVIN
1"8 WITH A BULLET"―LEWIS TAYLOR AND CARLEEN ANDERSON
"SPOOKY"―DUSTY SPRINGFIELD
"THE GAME"―JOHN MURPHY & DAVID HUGHES
"MAN MACHINE"―ROBBIE WILLIAMS
"WALK THIS LAND"―E-Z ROLLORS
"I WANNA BE YOUR DOG"―THE STOOGES
"LIAR LIAR"―CASTAWAYS
"WHY DID YOU DO IT"―STRETCH
"OH GIRL'―EVIL SUPERSTARS
"IF THE MILK TURNS SOUR"―JOHN MURPHY & DAVID HOGHES(WITH RORY)
"ZORBA THE GREEK"―JOHN MURPHY & DAVID HOGHES
"I'LL KILL YA"―OHN MURPHY & DAVID HOGHES(WITH RORY)
"THE PAYBACK"―JAMES BROWN
"FOOLS GOLD"―THE STONE ROSES
"18 WITH A BULLET"―PETE WINGFIELD


更新日 1999年10月11日 ADU

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