小さい頃、夏になるとよく喫茶店でかき氷を食べました。薄く削られた氷に、甘いシロップがたっぷりとかけられたかき氷。
また、盆踊りや縁日、あるいは市民プールの空き地などで営む露店でも、「スノーボール」と呼ばれるかき氷を食べました。
そんな懐かしい思い出を胸に、「マウンテン」でかき氷を頼んだ日にゃ、あんた、もう。
違うところ? まずは、とにかく大きいこと。
実際に計測したわけではありませんが、高さは30センチ定規が納まるくらい、横幅はてのひらを思いっきり広げたくらいです。
イチゴ[700]
器の大きさを見ればわかるとおり、ここのかき氷は半端なく大きい。おなじみのイチゴのかき氷も、大きくするとこの通りだ。
次に違うのが、氷です。
普通のかき氷のように薄く削ってしまうと、シロップをかけたときに小さくなってしまいます。中に空気を含んだ構造になっているためで、雪に水をかけるようなものですね。ですから、氷は粗削りで隙間なく積み上げられてます。その分重くなり、下のほうはかちかちになってます。
そして、その氷が粗いがために起きる現象があります。それは、氷がシロップを吸わなくなるため、ゆっくり食べているとどんどんシロップが下へと流れてゆき、味が薄くなってしまうんです。
ですから、単独行を計画している方はその点も十分考慮し、時間配分に気を付けたほうがいいですよ。
もう一つ。それは、中に氷以外の「何か」が埋め込まれていること。
これがあるのとないのとでは、遭難する確率も段違い。単調な味に麻痺した舌を、この山小屋で復活させましょう。
宇治金時の内部
大抵は中にアイスクリームが入っているが、写真のように別のものが入っているかき氷もある。
果物が入ったかき氷も。
もちろん、これだけではありません。イチゴ、レモン、メロンにハワイアン…。そんな普通のかき氷だけで済むはずがないのです。
その種類、すでにメニューから外されたものも含め、40種類以上。
何にも増して奇抜なのが、辛いかき氷。かき氷が辛いなんて、誰が想像できます?
マンゴースペシャル(辛口)[800]
ミルク入りマンゴーシロップのかかったかき氷…と思いきや、よく見ると唐辛子も入っている。口に入れるとマンゴーの甘みが広がるが、その甘みが消えると同時に襲ってくる唐辛子の辛さがたまらない。あなたは、このクロスフェードに耐えられるだろうか。
イカ墨だってかけちゃいます。実際にはシロップで味を調節してますけど、そんなことどうでもよくなっちゃいますね、こうなると。
ほんと、もう、発想が常軌を逸してます。
イカスミ[750]
黒蜜ではない。磯の香りがするかき氷…。なんなんだこれは。
他にも、キーウィ、マスカット、グロセージャ、紀州うめ…。もう、誰にも止められません。
そうそう。もう一つ相違点があることを言い忘れてました。それは、「マウンテン」ではかき氷が一年中食べられることです。