純粋にコーヒーを飲むためにここへやってくる客は、少数派です。
一応は喫茶店。つまり、お茶を飲むのがメインの店です。しかし、ここでコーヒーだけを口にして帰る客は、地元の常連客くらいではないでしょうか。
では、「マウンテン」におけるコーヒーの位置づけとは？
甘口スパゲッティを食べるとき、その口直しに飲まれるコーヒー。かき氷の山を制するため常備しておきたいコーヒー。
つまり、脇役です。
コーヒーのお供として出されるパンケーキ。名古屋ではこういったお茶請けを無料で出すのがあたりまえになっています。「マウンテン」も例外ではありませんが、ここではそのコーヒーさえお供にされてしまっています。この矛盾、滑稽でさえあります。

アメリカンコーヒー[350]
取り立てて特徴もないこの飲み物により、多くの登山者が遭難を免れている。
奥（左上）にちょっとだけ写っているパンケーキは、このコーヒーとともに出されたお茶請け。食べる機会もなく、結局お土産になってしまった。

そんなコーヒーにも、マスターの遊び心を感じさせる仲間がいます。
それは「ジョッキコーヒー」。
ジョッキに入っただけのアイスコーヒー、と思ったあなた。一度飲んでみては？ ただし、運転手でなければ、ね。

その他のコーヒー...

私は、今でこそコーヒーを口にしますが、「マウンテン」に足繁く通っていた頃は、もっぱら紅茶を注文していました。
この紅茶も先のコーヒーと同じ扱いをされるのが常となっている様子。
喫茶店で紅茶といえば、レモンとミルクとストレートくらいで、ちょっとこだわっているとリーフ（葉）の種類が選べたりしますね。ダージリンとかアールグレイとか。
しかし、ここ「マウンテン」はちょっと違います。中でも変わっているのが、「ブランデー入り紅茶」です。これは文字通り紅茶にブランデーをたらしたものですが、普通なら数滴のところ、サービスしてちょっときつめ。お酒に弱い人は要注意。

紅茶（レモン）[300]
私が好んで注文していた「山小屋」。何度助けられたことか。しかし、辛いものを食べているときに間違って注文してしまい、危うく遭難しかけたことも。

その他の紅茶...
ミルクやココア...

飲み物の中でも、これほどマスターに創造意欲を掻き立てさせるジャンルもないだろう、と思ってしまうのは私だけ？
でも、別に「マウンテン」に限ったことではありません。
とある喫茶店で「きゅうりジュース」を飲んだことがありますし、また他の喫茶店では「ホットコーク」なんてものも飲みました。
ここ「マウンテン」では、ジュースにする果実にこだわっているもようで、変わったところを挙げれば、「キーウィジュース」「洋なしジュース」「生メロンジュース」など。油断すると期間限定の変り種ジュースが登場していたりするので、ファンならこまめに足を運んだほうがよさそうです。

タマリンドウのジュース[300]
南国の木、タマリンド（チョウセンモダマ）の実を使ったジュースらしい。Wikipediaによれば、古代エジプト時代から親しまれているとか。木の実は巨大な枝豆のよう。
こいつはとにかくスパイシーで、誤って気管支に入ってしまい大変なことになった。実際、アジア料理やラテン料理などの香辛料として使用されているらしい。

その他のジュース...
その他のスカッシュ...

フロートと言えば、クリームソーダ。
ソーダ水の上に、半球状のアイスクリームが浮かぶ。それを長いスプーンでくずすと、炭酸の泡が白く染まり、クリーム状になる。
子供の頃に好んで口にした、あのクリームソーダ。懐かしいなぁ。
…なーんてノリで注文すると、痛い目に遭います。ほら。

コーラフロート[450]
フロートとは名ばかり。見た目のインパクトは抜群。子供に受けそうだ。
そもそも、ジョッキ入りというのが想定外である。

アイスクリームは、浮いているどころか蓋になってます。下の飲み物にありつくためには、上のアイスクリームを食べるか、無理やりストローを突き刺すしかありません。いえ、突き刺してしまうと、ストローにまで蓋がされてしまい、さらに困ったことに。
このフロートですが、コーヒー、ソーダ、コーラといったオーソドックスなものに加え、バナナやグレープフルーツ、はては抹茶やチョコレートまであります。しかもこの抹茶フロートとチョコレートフロートは、抹茶アイスやチョコレートアイスになるというにくい演出。やるじゃないか、マスター。

その他のフロート...