恋人にする仕草で3題
01.そっと膝まくら (慈郎×) 2012.06.03
02.耳たぶを緩く食む (不二×) 2012.08.23
03.髪を撫でる優しい手
(お題配布元「Cubus」様)
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01.そっと膝まくら (慈郎×)
「あの、先輩。寝てもいいんですよ?」
少し前の俺なら、絶対に言われることなんてなかったはずの台詞。
まさかそんなことを言われる日がくるなんて思ってもみなくて、目を丸くして隣の君を見たら、君が心配そうな顔をして俺のことを見ていたので、俺はそれにまた目を丸くした。
「どうしたの?ちゃん」
君にそんな顔させちゃうようなこと何かしたかなあって、今日の出来事を急いで思い返してみるけど、何も思い当たらない。
どうして急に、そんな心配そうな顔をするんだろう?
どうして急に、寝てもいいなんて言い出すんだろう?
「だってジロー先輩、最近全然お昼寝しないから。前はあんなに寝てたのに、もしかして無理してるんじゃないかって」
あ、そう言うことか。
確かに以前の俺は自分が楽しくないとすぐに眠くなって、ほとんど一日中、寝てばかりだった。
そのせいで合同学園祭の期間中は、君にたくさん迷惑をかけてしまった。
でも、君が諦めずに俺に関わり続けてくれたおかげで、今まで興味がないって思って寝ちゃってたことにも少しずつ興味が持てるようになったし、何より君自身に強く興味が沸いて、いつのまにか眠くなることも少なくなった。
それはきちんと君にも話したと思うんだけど、それでもやっぱり今までの俺の睡眠時間を考えると、君にとっては今の俺は少し心配なのかもしれない。
「無理なんてしてないC〜。俺、寝るよりちゃんと話してるほうが楽しいって、言ったよね?」
ニカッと満面の笑顔を浮かべて見せると、君は頬をほんのりと赤く染めて俯いた。
「い、言いましたけど…。でも、やっぱり今までの先輩のことを考えると、寝不足になってるんじゃないかと…」
う〜ん。
心配してくれるのは嬉しいけど、俺、本当に寝不足なんかじゃないんだけどなあ?
だって日中に寝ることは少なくなったけど、夜は相変わらず22時には寝てるし。
そのことだって、君はちゃんと知ってるはずなんだけどなあ。
でも、君がそこまで俺のことを心配してくれるのは、素直に嬉しい。
「ありがと〜。俺のこと考えてくれて嬉Cよ」
でも、本当に大丈夫だC〜。
もう一度笑ってみせても、君はまだ心配そうな表情を消してくれない。
困ったなあ。
どうしたら安心してくれるんだろう?
しばらく考えて、考えて、考えて、考えて。
ポンッと手を打ちたくなるような、名案を思いつく。
「ん〜。じゃあさ、いっこお願い聞いてくれる?」
どうして、もっとはやく思いつかなかったんだろうってくらいの名案。
これなら君も安心するだろうし、俺も満足すること間違いなし!
「お願い?」
不思議そうに小首をかしげた君に、うんうんと頷いて、
「ちゃんの膝、貸してほしいな〜」
ポンポンと君の膝を叩く。
「えっ!?」
思いっきり驚いた君が大きな声を上げ、真っ赤な顔で俺のことを見上げたけど、にこーっと笑って、
「ね、E〜よね?だって、それならちゃんも安心するだろうC〜。俺も、ちゃんの膝枕で眠れてラッキーだC〜」
お願いって言いながら、君の答えなんて待たずにさっさと膝の上に頭を乗せてしまうと、そのまま目を閉じた。
ん〜、やっぱ気持ちE〜。
前にしてもらったときも思ったけど、君の膝枕って寝心地が抜群。
これなら、頼まれなくってもすぐ眠れちゃうよー。
「じ、ジロー先輩、あの、ここじゃ誰か来るかも…」
「………」
「ちょ、せ、先輩?ダメ!お願い、まだ寝ないでくださいっ」
(さっきまで寝てもいいって言ってたのは君なのに、急に反対のこと言われたって、もう遅いC−)
それが言葉になったのかならなかったのか、夢の世界に引き込まれかけてた俺にはよく分かんなかった。
でも、俺が完全に夢の世界の住人になる寸前、君が柔らかい手で俺の髪を優しく梳いてくれたことだけは分かったから、俺は満たされた気持ちのまま意識を手放した。
「…おやすみなさい。ジロー先輩」
2012.06.03
当サイト初の慈郎×です。
膝枕で浮かんだキャラが、慈郎、跡部(ゲームエンディングから)、リョーマ、仁王だったのですが、せっかくなので書いたことないキャラをチョイス。
跡部は、また次の機会ってことで!
ただ、慈郎をクリアしたのが前すぎて、彼の口癖とかのことをどう呼んでいたかが、うろ覚えでですね…(汗)
君、って言ってたような気がするのですが、間違ってたらゴメンなさい(><)
その際は、こっそり教えてください。こっそり訂正します←
02.耳たぶを緩く食む (不二×)
それが癖だって気が付いたのは、出会ってすぐ。
本人に自覚があるのかないのかは分からなかったけど、注意して見なくたって一目瞭然だった。
だいぶ打ち解けてから思い切ってツッコんでみたら、
「小さい頃からの癖なんです」
キミが少し恥ずかしそうに笑ったことを、今でも覚えてる。
「ねぇ。そんなに気持ちいい?」
その一言でハッと我に返る。
「…あ」
クスクスとおかしそうに笑う不二先輩の顔が思いのほか至近距離にあって、照れくさくなって思わず俯いたら、からかうように下から顔を覗き込まれてしまった。
「せ、先輩」
「本当に気が付くといつも触ってるよね。気持ちいいの?」
「気持ちいいっていうか…安心するんです」
へぇ、とまじまじと私を見ながら相槌を打った先輩は、次の瞬間、おもむろに右手を伸ばして私の左耳を摘んだ。
「ひゃっ!?」
「――よく分かんないな」
小首を傾げながら耳たぶを摘む先輩に、私はビクッと思いっきり肩を揺らし身を仰け反らせる。
その反動で、先輩の指が耳たぶから離れる。
「あ。離れた」
「せ、先輩っ!!」
何するんですか!
今にも泣き出しそうな顔で猛抗議する私にも、先輩はお構いなく涼しげな表情。
「安心、ねぇ。確かに柔らかくて気持ちいいなとは思うけど…」
言いながら、もう一度と言わんばかりに伸びてきた腕を、
「ダメです!」
焦って掴み、今度は直前で阻止。
「、案外ケチだよね」
「ケチとかそういう問題じゃありませんっ」
完全にからかわれていると分かっていても、恥ずかしさから顔の火照りは冷めない。
「まぁ、でも」
どうせなら、こっちのほうが僕は好きかな。
言うがはやいか、空いているほうの手で先輩に肩を引き寄せられ、電光石火の早枝で耳たぶを食べられた。
これがもし漫画のワンシーンだったら、間違いなく「パクッ」という効果音が書き加えられているはず。
「!!!!」
「ふふっ。、今面白い顔してるよ」
顔は真っ赤で目は白黒状態の私を、先輩がしてやったりという顔で至近距離から見つめていた。
2012.08.23
プチ更新停滞からの復帰?作。
お待たせして、申し訳ありませんでしたm(_ _)m
そして、これまた初の不二×。
これまた不二クリアが昔すぎて、口調とかいろいろ怪しいですが挑戦してみました。
いつもより短めかつ、ふたり(というか不二が一方的に?)がイチャついてるだけのお話ですが、わりと気に入っています(笑)