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・'09/06/13 この春〜初夏の津山周辺の話題

 津山の扇形機関庫・転車台と美作河井駅の転車台、 経済産業省の「近代化産業遺産」及びJR西日本の「登録鉄道文化財」に認定される
津山の扇形機関庫・転車台と美作河井駅の転車台は、 地域の歴史・鉄道の歴史を物語る鉄道文化遺産として全国的にも貴重なものであり、 保存活用を目指す取り組みが続けられています。
これら扇形機関庫・転車台の貴重性・地域での保存活用の取り組みが認められ、 平成20年10月にはJR西日本社内での「登録鉄道文化財」に認定され、 さらに今年2月には、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されました。

JR西日本の「登録鉄道文化財」とは、JR西日本社内で規定されている制度であり、 国や自治体の指定する法的な「文化財」ではありませんが、 旧国鉄から継承した鉄道記念物・準鉄道記念物に次ぐものとして扱われ、 貴重な鉄道文化遺産の散逸防止や保存を行うことを目的としています。
また、将来的にJR西日本が鉄道記念物・準鉄道記念物を指定する場合は、 この「登録鉄道文化財」から選ばれることになります。

また、経済産業省の「近代化産業遺産」とは、 江戸幕末から戦前にかけて造られた建造物や機械などのうち、 日本国内や各地域の発展・産業の近代化を支えてきたと認められるものを産業遺産として認定し、 これを活用することで、地域の活性化に役立てることを目的としたものです。
平成19年度に全国で575ヶ所が指定され、平成20年度は全国で540ヶ所が指定されました。

 急行「つやま」廃止 −JRから昼行急行・気動車急行消える−
今年3月14日に行われたダイヤ改正により、津山線 岡山−津山間で運行されてい た気動車急行「つやま」が廃止されました。

急行「つやま」は、急行「砂丘」の廃止を受けて平成9(1997)年11月に誕生し、 当初は半室グリーン車キロハ28を含む急行型気動車キハ58系砂丘色3両編成で、 岡山−智頭間(津山−智頭間は快速)に運行されていましたが、 平成11(1999)年10月からは岡山−津山間に短縮の上、 平成15(2003)年10月からはキハ48やキハ47の一般型気動車の2両編成となっていました。
近年では「JR最後の昼行急行・JR最後の気動車急行」として知られていましたが、 今回のダイヤ改正で廃止となりました。
最終日は生憎の雨天で、ヘッドマークやセレモニー等もない寂しいものとなりましたが、 大勢の乗客を乗せて岡山−津山間を往復し、その役目を終えました。

翌日からは同時間帯に快速「ことぶき」が1往復増発。
この「つやま」の廃止により、JRにおける昼行急行・気動車急行の歴史が幕を閉じました。

最終日の急行「つやま」
雨天の中、津山へ向かう急行「つやま」
(’09年3月13日 津山線 弓削−誕生寺)

 津山の扇形機関庫・懐かしの鉄道展示室、今年の一般公開始まる。
今年も津山の扇形機関庫・懐かしの鉄道展示室の一般が始まりました。

初日は急行「つやま」の運行最終日に合わせて行われ、生憎の天候の中、「つやま」の乗客を含む大勢の参加者が、 今では貴重となった扇形機関庫や収容されているディーゼル機関車、展示室を見学していました。

今年の一般公開は、11月までの第二・第四の土曜・日曜を中心に行われます。
(開催日や時間、参加方法等を事前にチェックの上、ご参加下さい。)

扇形機関庫を見学する参加者ら
OBによる解説・実演
17線の貴重な扇形庫を見学、写真に収める参加者たち。
また展示室では、鉄道OBによるタブレット閉塞機の解説・実演が行われている。
(いずれも'09年3月29日)。

 今年も「みまさかスローライフ列車」運行
平成19(2007)年から5月と11月に恒例となっている因美線の「みまさかスローライフ列車」が、 今年も5月8〜10日の3日間、津山―智頭間に運行されました。

今年も運行期間中は天候に恵まれ、特に9日・10日は津山からの乗車率が100%を超えるなど、 多くの乗客や列車を撮影する鉄道ファンで賑わいました。
また、津山駅では同時に機関庫や鉄道展示室の一般公開、 美作滝尾・美作加茂・美作河井の各駅では地元特産品の販売などのイベントがそれぞれ行われ、 こちらも多くの人で賑わいました。

美作加茂に到着するスローライフ列車
美作加茂での「急行「砂丘」撮影会」
地元の人に迎えられ、美作加茂に到着するスローライフ列車。
美作加茂では、恒例となりつつある急行「砂丘」のヘッドマークの掲出も行われ、 多くの乗客、鉄道ファンがその様子を撮影していた。
(いずれも5月9日の様子。)
美作滝尾にお目見えした駅名板
停車駅の美作滝尾駅では、こんな懐かしい感じの駅名板もお目見えした。
('09年5月8日)

(このイベントに携わられた関係者の皆様、お疲れ様でした。)

 DE10−1号機、四国へ帰る
津山の扇形機関庫へ昨年3月より展示されていたDE10−1号機が、 所有者であるJR四国へ返還されました。

DE10−1号機は長年四国で活躍したディーゼル機関車で、 廃車後もJR四国の多度津工場で保管されていましたが、津山の扇形機関庫で展示するため、 期限付きで昨年3月に借り受けていたものです。
扇形庫の9番庫で展示されていたDE10−1号機は、人力で庫外へ搬出された上で気動車に牽引されて構内を試走。
そして5月19日の深夜、DE10型2両で前後で挟んだプッシュプルの3重連の返却回送で津山を離れました。

構内待機中のDE10−1号機
返却回送に向け、運転区構内で待機するDE10−1号機。(’09年5月16日)
 津山の扇形機関庫、改修進む
昭和11(1936)年に竣工した旧津山機関区の扇形機関庫は、建設されてから70年以上が経過し、 破損や老朽化・劣化している部分が各所に見られます。
これまでは、平成7(1995)年頃に5番庫から11番庫部分の天井補修・屋根のアスファルト防水の改修が行われるなど、 一部分のみの補修・改修しか行われていませんでしたが、 昨年10月にはJR西日本の登録鉄道文化財に、また今年2月には経済産業省の近代化産業遺産に認定され、 今後この扇形機関庫を保存活用する方向性が徐々に出来つつあることから、今回、 扇形庫全体の改修が始められたものです。
現在、扇形庫全体の陸屋根のアスファルト防水が改修されると同時に、 外壁のコンクリートの老朽化した部分の点検等が行われています。
今後も各所の改修が予定されています。

屋根面が綺麗になった扇形庫
アスファルト防水が改修された津山の扇形車庫(’09年5月31日)


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