普通、鉄道でグリーン車と言えば、1両丸ごとがグリーン席で占められているものですが、
この「砂丘」に連結されていた車両「キロハ28」は、車両の半分がグリーン席、残りの半分が普通席(自由席)という、
何とも変わったグリーン・普通合造車でした。
グリーン席と指定席を組み合わせた車両は全国各地にありますが、
グリーン席と自由席を組み合わせた車両は、全国でもこの「砂丘」だけでした。
この「キロハ28」は、1987年に従来のグリーン車である「キロ28」を改造したもので、
翌年から編成に組み込まれています。
グリーン席と自由席は壁で仕切られており、それぞれが独立した客室になっています。
車体番号は100番台の101〜104で、4両製造されました。
普通、新形式の車両が製造された場合、その車体番号は0番台からです。
「砂丘」の「キロハ28」の場合、0番台でなく100番台となっているのは、
かつて同型式の車両が存在していたからです。
かつて、四国の高徳本線(高松−徳島)に、急行「阿波」が運行されていましたが、
1976年から80年にかけて、1往復のノンストップ便に「キロハ28」が連結されていました。
この車両は急行運用から外された後、普通車として運用されていましたが、やがて廃車になりました。
その車両が、「キロハ28」0番台なのです。
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キロハ28
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キロハ28の車内(グリーン室)
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「砂丘」が廃止になった1997年の時点で、グリーン車がある気動車急行は「砂丘」と「たかやま」(大阪−飛騨古川)だけでした。
「砂丘」が廃止になった後、津山線 岡山−津山間には新たに急行「つやま」が1往復設定されましたが、
このグリーン・普通合造車「キロハ28」は、その「つやま」に引き継がれ、
現在も全国の気動車急行では数少ないグリーン車として、また全国唯一のグリーン・普通合造車として活躍しています。
急行「たかやま」が99年12月のダイヤ改正で廃止されたため、
グリーン車がある気動車急行は「つやま」のみとなっています。
なお、「キロハ28」という気動車の形式表現を使ったため、気動車の形式表現の解説をしておきます。
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@車両の種別を表す
キ:エンジン付車両 キサ:付随車
A車両の用途を表す
ロ:グリーン車 ハ:普通車 ユ:郵便車 シ:食堂車
ニ:荷物車
Bエンジン方式を表す
1〜4:エンジン1台付(小馬力) 5:エンジン2台付(小馬力)
6,7:大馬力エンジン 8:特急形 9:特殊車
C運転台形式
0〜4:車両の両端に運転台があるもの(特急形を除く)
5〜9:車両の片側に運転台があるか、運転台のないもの
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急行「つやま」はグリーン車のある最後の気動車急行でしたが、
2003年10月のダイヤ改正で、使用される車両がキロハ28を含むキハ58系からキハ48へ変更となり、グリーン車も廃止されたため、
気動車急行におけるグリーン車の歴史は、幕を閉じました。(2006/10/08 追記)
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