急行「砂丘」の特徴



■ 1.都市間連絡優等列車であったこと


急行「砂丘」の運転区間は、岡山-鳥取間です。
岡山は、県庁所在地であると同時に、四国、山陽、山陰を結ぶ一大結節点でもあります。
一方の鳥取も、県庁所在地であると同時に、山陰の中心都市です。
この二つの都市を直接結ぶ交通手段は、国道53号線と、JR津山線・因美線しかありません。
しかし、国道53号線では直通バスはなく、公共交通機関を利用しての移動となると、JRを利用するしかありませんでした。
そこで、この急行「砂丘」が、岡山と鳥取を結ぶ直通列車として、重要視されていたのです。
加えて、「砂丘」の経路には、岡山県北の中心都市・津山も含まれていました。
津山は、人口約9万人、小京都としても知られる都市です。
この津山からは岡山へのJR利用者が多く、岡山-津山間のJR津山線は4,000人/qを超える輸送密度があり、 中国地方の地方交通線の中でも活況を呈しています。
従って岡山−津山間で「砂丘」を利用する人も多く、「砂丘」の乗客の4割ほどが岡山−津山間の利用者でした。
さらに加えて、急行「砂丘」は、新幹線接続列車という役目も負っていました。
つまり「砂丘」は、岡山での新幹線接続を考慮したダイヤ編成をとっていたのです。
実は、大阪などの京阪神方面と鳥取との間、また、博多・広島方面と鳥取との間をJRを使って移動する場合、 新幹線を使って、岡山でこの「砂丘」に乗り換える方法が最短ルートでした。
こうした新幹線接続を重視した列車であったため、「砂丘」利用者にはビジネスマンが多く、 その割合は、乗客の7割近くにものぼっていました。
このように、京阪神方面と博多・広島方面、岡山・津山・鳥取という、 それぞれの地域の中心都市を結ぶ都市間連絡優等列車という役割を、「砂丘」は担っていたのです。



戻る


Copyright (C) 1999 "tablet catcher" All Rights Reserved.